「ナイトフラワー」北川景子が関西弁で絶妙ツッコミ! 豪華キャストが内田組に集結【現場レポート&メイキング写真】
2025年10月9日 07:00

北川景子が主演する内田英治監督最新作「ナイトフラワー」の現場レポートとメイキングカットが公開された。北川、森田望智、佐久間大介(「Snow Man」)、渋谷龍太(「SUPER BEAVER」)が集結した内田組の現場の様子を垣間見ることができる。
本作は、「ミッドナイトスワン」の内田監督が原案・脚本も兼ねたヒューマン・サスペンス。借金取りに追われながら東京へ逃げてきた母親が、2人の子どもの夢を叶えるためにドラッグの売人になることを決意し、危険な世界へと足を踏み入れていく姿を描く。
北川は今まで見せたことのない表情で強くたくましい母・夏希を熱演。主人公のボディガードとなる格闘家・多摩恵役で森田が共演し、佐久間、渋谷、渋川清彦、池内博之、田中麗奈、光石研らが脇を固めた。エンディングテーマは、世界的ピアニストの角野隼斗(が手掛けている。
撮影は、2024年11月下旬から約1カ月間、関東近郊を中心にオールロケで行われた。生活に困窮し、子供のためにドラッグの売⼈になることを決意する夏希を演じた北川は、全編ほぼすっぴん。化粧っけのない白い肌に、青く染めた髪、恰好もいたってカジュアルで、“身なりなんかに構ってられない”ギリギリの生活感がひしひしと伝わってくる。
子役の渡瀬結美(小春役)、加藤侑大(小太郎役)とは撮影前のエチュードで仲を深め、2人は序盤から北川に懐いていたという。朝から元気に走り回る小太郎を、夏希が「ねむた……」と気だるそうにあしらうシーンでは、日々の疲労の蓄積が横顔ににじむが、小太郎を抱きしめる姿は我が子への愛情であふれている。
その後も、早口の関西弁で子供たちをせかし、自転車に乗せる芝居などが続くが、北川は時に細かいアドリブも織り交ぜながら、ナチュラルに演じていく。夏希が話すのは、関西弁の中でも“摂津弁”といわれる方言だが、関西出身の北川は撮影前に「どこの方言にしますか?」と製作陣に質問。「お前は王将の回しもんか!」と、絶妙な間合いで入れるツッコミも、北川の“関西グルーヴ”がリアリティを与えていた。

ドラッグの売人という危険な世界に足を踏み入れる夏希に手を差し伸べ、ボディガードととなる多摩恵を演じた森田は、演じる役柄によって全く異なる顔を見せる実力派。北川扮する夏希と森田演じる多摩恵の関係性は本作の重要なポイントだが、内田監督の意向により、あえて2人は撮影初日まで顔を会わせなかったという。
初日は、サトウ(渋谷)の手下に殴られた夏希を多摩恵が成り行きで家まで送り、傷の手当をしてやる順撮りに近いシークエンスだったが、初対面かつ初共演とは思えないほど2人の間には親密な空気が流れていた。多摩恵がオムライスをがつがつと頬張るシーンでは、完食した森田にスタッフが思わず「大丈夫ですか?」と声をかけるが、「大丈夫です~! 早く食べ終えられて良かった(笑)」と役柄とは180度違うキュートな笑顔を見せていた。
夏希が多摩恵に「家族になってほしい」と、どしゃ降りの中で懇願するシーンでは、北川と森田の熱演にスタッフが涙する場面も。12月末にずぶ濡れになりながら、夏希は「子供たちに未来見せてやりたいねん!」と叫び、多摩恵が全身で受け止める。カットがかかった瞬間、笑顔で抱き合う2人の姿は、孤独な女たちのシスターフッドを鮮やかに体現していた。

映画「マッチング」に続いて内田組に参加した佐久間は、「内田さんは映像芝居の面白さを教えてくれた恩師」と語る。トレードマークのピンクヘアを黒く染め、アイドルオーラを封印。明るさの中にも翳りのある瞳で、幼馴染の多摩恵を一途に想い続ける海役に挑んだ。
夏希と出会い、危険な道へはまり込んでいく多摩恵に「どういうことだよ!」と激高する芝居では、ロケ現場の駐車場中に響き渡る声量で熱演。激しいアクションも持ち前の身体能力で軽々とこなし、ボロボロの“裂傷メイク”が施された自分の顔を見て「いって~! 痛くないけど!(笑)」と終始、内田組を楽しんでいた。

本作が俳優デビューとなる渋谷は「緊張しました」と語っていたが、嘘のように悠然たる佇まいで夜の街を仕切る麻薬密売の元締めであるサトウ役を怪演。内田監督から「じ~っと蛇みたいに(夏希を)見て」と演出が入ると、不気味な妖しさの中にも抗いがたいオーラのあるサトウを着実に作り上げていく。
撮影最終日は、年の瀬も押し迫った12月末。夏希たち家族と多摩恵が揃う、本作を象徴するような“疑似家族”の温かいシーンとなった。北川はクランクアップの挨拶で、「夏希ほどではないですが私も日々追い立てられるように生活しているので、夏希には共感しやすかったです」と、本作への思いを吐露。
そして、「夏希は、誰か周りに支えてくれる人、助けてくれる人がいれば道を踏み外すことはなかった人です。家庭に恵まれず、社会の救いの手が行き届かないという状況で、必死にもがき、生きようとします。子どもを守りたいという母の強い想い、腐った世界でもなんとか前向きに生きようとする泥臭さを、見守っていただけたら幸いです」と力強く語った。
映画「ナイトフラワー」は11月28日全国公開。
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