全米映画協会、OpenAIに「即座の対応」要求 Sora 2で著作権キャラクターのAI生成動画が氾濫
2025年10月8日 13:00
Photo Illustration by Algi Febri Sugita/SOPA Images/LightRocket via Getty ImagesOpenAIが先週リリースしたAI動画生成ツール「Sora 2」をめぐり、著作権で保護されたキャラクターを使用した動画がオンライン上に溢れる事態となっている。全米映画協会(MPA)は、著作権オプトアウトシステムの修正を求める声明を発表し、OpenAIに「即座の行動」を要求したと、米バラエティが報じた。
MPAは、ディズニー、ユニバーサル、ワーナー、パラマウント、ソニー、Netflixなど、ハリウッドの主要スタジオやストリーミング配信企業を代表する業界団体。映画やテレビ業界の知的財産保護と政策提言を担っている。
Sora 2のリリース以来、ユーザーはピカチュウ、スポンジ・ボブ、マリオ、ディズニーキャラクターなど、著名な知的財産を無断で使用した動画を大量に生成している。ソーシャルメディア上では、万引きをするピカチュウや、ヒトラーとして演説するスポンジ・ボブといった動画のほか、「スター・ウォーズ」や「ジュラシック・パーク」の偽シーンなど、既存作品を模倣した海賊版動画が拡散している。
問題の核心は、OpenAIが採用する「オプトアウトシステム」にある。これは、デフォルトで著作権保護されたキャラクターや作品がSora 2上で使用可能な状態になっており、権利者が自ら「使用を拒否する」申請をしなければならない仕組みだ。
通常の著作権保護では「オプトイン」方式が原則となる。つまり、権利者の事前許可を得なければ使用できない仕組みだ。しかしSora 2はこれを逆転させ、権利者に監視と申請の負担を強いている。ロイター通信によると、ディズニーはすでにオプトアウトを申請したが、多くのスタジオはまだ対応できていない。
MPAのチャールズ・リブキン会長は声明で「Sora 2のリリース以来、当協会メンバーの映画、番組、キャラクターを侵害する動画が、OpenAIのサービスやソーシャルメディア全体で増殖している」と指摘した。
その上で「OpenAIは権利者にキャラクター生成のより詳細なコントロールを『近々』提供すると明言したが、Sora 2サービス上での侵害を防ぐ責任は権利者ではなく、OpenAI自身にあることを認めなければならない」と述べ、「OpenAIは、この問題に対処するため、即座かつ断固たる行動を取る必要がある。確立された著作権法はクリエイターの権利を保護しており、ここにも適用される」と強調した。
米著作権法では、権利者は侵害行為ごとに訴訟を起こし、法定損害賠償を得ることができる。MPAは、オプトアウトシステムの存在がOpenAIの法的責任を免除するという考えに、エンターテインメント業界が同意していないことを明確にした。
AI生成ツールをめぐる著作権侵害訴訟はすでに始まっている。6月には、ディズニーとユニバーサルが、ユーザーによる侵害動画や静止画像の作成を可能にしているとして、AI画像生成ツールMidjourneyを提訴した。9月にはワーナーも同様の訴訟を起こしている。
Midjourneyは、AIトレーニングは著作権法上の「フェアユース(公正使用)」であり、ユーザーが著作権を侵害している場合は、プラットフォームの利用規約に違反しているだけだと主張して反論している。
今回のMPAの声明は、AI技術の急速な発展と既存の著作権保護の枠組みとの間で生じる緊張関係を浮き彫りにしており、OpenAIの対応が注目される。
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