オースティン・バトラー、ジェームズ・ボンド役を辞退「アメリカ人が演じるのは冒とく的」
2025年8月25日 19:00

次期ジェームズ・ボンド役の候補として名前が挙がっていたオースティン・バトラーが、自ら候補から降りることを表明した。カリフォルニア出身のアメリカ人俳優が英国の象徴的スパイを演じることは「冒とく的」だと語り、配慮の姿勢を示している。
「エルヴィス」(2022)でエルヴィス・プレスリーを演じてアカデミー賞主演男優賞候補となったバトラーは、英ヒッツ・レディオUKの番組で次期007役について質問された際、「その件に関しては何も連絡はありませんが、あの人(ビルヌーヴ監督)は大好きです」と前置きした上で、明確に辞退の意向を示した。
「ジェームズ・ボンドを演じるか? それは良いアイデアではないと思います。なぜなら私はアメリカ人だから。イギリス発音はできますが、それは冒とく的でしょう」とバトラーは語る。「あの映画は私にとってとても大切な作品ですが、イングランド出身の人がやるべきだと思います」
一方で、悪役についてはまったく異なる反応を見せた。「悪役? それなら大丈夫です。やりますよ」と意欲的に答えている。
バトラーは「デューン 砂の惑星PART2」(2024)でフェイド=ラウサ・ハルコンネン役を演じ、同作のビルヌーブ監督とは良好な関係を築いている。ビルヌーブ監督は今年6月、次期ジェームズ・ボンド映画の監督に正式決定しており、バトラーとの再タッグも注目されていた。
興味深いことに、同様の発言をした俳優がもう一人いる。「トップガン マーヴェリック」で注目を集めたグレン・パウエルも以前、米ハリウッド・リポーターに対し「テキサス人がジェームズ・ボンドを演じるべきではない」と述べ、同じ理由で候補から身を引いている。
新「007」は現在、ビルヌーブの監督就任に加え、スティーヴン・ナイトが脚本を担当することが決定している。プロデューサーにはエイミー・パスカルとデビッド・ハイマンが就任し、バーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンが製作に復帰する。
ダニエル・クレイグが「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2021)でボンド役を卒業してから、後継者選びが続いている。歴代ボンド俳優を見ると、ショーン・コネリー、ジョージ・レーゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン、そしてクレイグと、全て英国・アイルランド出身者が演じてきた。例外的に一度だけオーストラリア人俳優が起用されたことはあるが、アメリカ人が演じた例はない。
有力候補とされていたアメリカ人俳優たちが相次いで辞退を表明する中、英国系俳優への注目が一層高まりそうである。
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