2000年に「土曜ワイド劇場」の一作として誕生して以来、濃密で骨太なミステリーを世に送り出し、国民的ドラマとしての地位を築き上げた「相棒」。シリーズ誕生25周年という節目を迎え、杉下右京(水谷)と亀山薫(寺脇)の“黄金コンビ”が通算11シーズン目に突入する。
©テレビ朝日初回スペシャルで描かれるのは、“人間国宝の講談師”をめぐる殺人事件。25年の歴史の中で初となる講談の世界を舞台に、右京が人間国宝に弟子入りするという前代未聞の状況で幕を開ける。芸の極致にたどり着いた名人と、彼を取り巻く複雑な人間模様、そして時代を映し出す“業”深き事件。娯楽性と社会性が両立した『相棒』ならではのミステリーが展開していく。
水谷は、「『相棒』の初回スペシャルのストーリーには、毎シーズン意表を突かれますが、今回は歴代の初回の中でも“最高レベルの意表”。心底、驚かされました」と、衝撃を受けたとことを明かす。
寺脇も「初回スペシャルは『相棒』の生みの親ともいえる輿水泰弘さんの脚本なのですが、“またスゴイものを書いてきたな!”と震えました。設定もシーンも会話もすべて面白く、もはや“輿水さんにしか書けない”という脚本になっているんです。すごい域に到達したと感じました」と絶賛した。
水谷は「おかげさまで『相棒』は25周年、これまで計446のエピソードをお届けしてきました。これだけ続いてなお“先が読めない”という奥行きの深さこそが、相棒ワールドたるゆえんですね」と自信をのぞかせ、寺脇も「『相棒』は新しい脚本をもらうたび、今回はどんな世界が広がっているんだろうとワクワクします。でも一方で、奇をてらうことを目指すのは違う。ミステリーの面白さは追求しながら、ドラマ作りには真摯に向き合っていきたい」と変わらぬ決意を打ち明けた。
©テレビ朝日さらに、水谷は「右京は警察官という職業を選んだ瞬間から、一貫して“右京の正義”というものを胸に刻み続けてきました。それが『相棒』という作品の揺るぎない軸につながるのだと思います。これまで僕は右京という人物を信頼してきましたが、これからも彼のブレない正義を信じ続けていくことでしょう」と、25年演じ続けてきたキャラクターに敬意を示した。
新シーズンには、特命係の“ボス”甲斐峯秋(石坂浩二)、野心家の警視庁副総監・衣笠藤治(杉本哲太)、“鉄の女”の異名を持つ内閣情報調査室トップ・社美彌子(仲間由紀恵)も続投され、捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)らお馴染みの面々も出演。“ある変化”が起こる薬物銃器対策課課長・角田六郎(山西惇)や、小料理屋「こてまり」の女将・小出茉梨(森口瑤子)、薫の妻でジャーナリストの美和子(鈴木砂羽)も登場する。
「相棒 season24」は、10月からテレビ朝日で毎週水曜午後9時から放送(2クール)。水谷と寺脇のコメント全文は以下の通り。
――『
相棒』は毎年、夏に撮影がはじまりますが、今年も猛暑。現場の様子はいかがですか?
みなさん、「暑い、暑い」と話していますが、僕は暑さには強く、わりと平気なんです。ですから、まだそれほど堪えてはいません。「涼しい顔していいよね」とみんなにうらやましがられています。
――初回スペシャルは右京が人間国宝の講談師に弟子入りする…という驚きの幕開けを飾りますが、脚本を読んだ感想を教えてください。
『
相棒』の初回スペシャルのストーリーには毎シーズン、意表を突かれます。毎年、
相棒ワールドの広がりを楽しみにしているのですが、今回は歴代の初回スペシャルの中でも“最高レベルの意表”。心底、驚かされました。
でも、右京は落語など古典芸能が好きですから、講談にも造詣が深いはず。彼は講談という新たな世界に身を投じることになって、喜んでいると思いますよ。
――初回スペシャルの右京のセリフの中に、「人生100年時代ですから」というものがあります。人生100年時代、これから挑戦したいことがあれば教えてください。
今、具体的に何かやりたいことがあるかというと、特に思い浮かばないのですが、100年だと考えると、まだ時間があるなという感覚ですね。しかし、人生は何が起きるかわかりません。そもそも『
相棒』だって、こんなに長く続くとは思ってもいませんでしたから……。そういう意味では、何が起きるかを楽しみにできるぐらい、元気でいられたらいいですね。
――『
相棒』は今年、25周年。25年前の『相棒pre season』を振り返って、作品として変化したなと感じるところはありますか?
『
相棒』が変わったというならば、それは自然に訪れた変化ですね。決して意識して変えたことはありません。無理なく変わってきた…それが作品にとって、とても良かったのだと思います。脚本家やプロデューサーなど制作陣は、一貫して“今”を意識して物語を作ってきました。そして、我々も“今”を生きることに徹してきた……。25年は、その連続だったと思っています。
――25周年という節目にはじまる新シーズン、期待していることを教えてください。
おかげさまで『
相棒』は25周年、これまで計446のエピソードをお届けしてきました。これだけ続いてなお、視聴者のみなさんが今シーズンはどんな
相棒が見られるのかと期待してくださっています。我々も同じで、新シーズンはどんな事件が待っているんだろうと楽しみにしています。この“先が読めない”奥行きの深さこそが、
相棒ワールドの、
相棒ワールドたるゆえんですね。新シーズンではいったい何が起きるのか、私自身も楽しみにしています。
――25年、右京を演じてきて『
相棒』の進化とブレなさをどのように感じていますか?
よく、“普通がいちばん難しい”といいますよね。“当たり前のこと”を実践するのは、実はとても難しいことです。その点、
相棒は当たり前のことにずっと挑み続けてきた気がします。
先ほどもお話ししたように、『
相棒』では時代をどう感じるかを常に意識してきました。その結果、現実社会とリンクするどころか、時代を先取りするストーリーを生み出したこともありました。つまり大切なのは何よりも、“今を生きること”。それに尽きるのだと思います。
一方で、右京は警察官という職業を選んだ瞬間から、一貫して“右京の正義”というものを胸に刻み続けてきました。これは彼が警察官である限り、誰が何といおうと変わらない、譲れないもの。それが『
相棒』という作品の揺るぎない軸につながるのだと思います。これまで僕は右京という人物を信頼してきましたが、これからも彼のブレない正義を信じ続けていくことでしょう。
――『
相棒』は毎年、夏に撮影がはじまりますが、今年も猛暑。現場の様子はいかがですか?
みんな、ヘトヘトになりながら撮影しています。特に薫はフライトジャケットを着ているので、毎日、撮影が終わるころには汗びっしょりです。
――初回スペシャルは右京が人間国宝の講談師に弟子入りするという驚きの幕開けを飾りますが、脚本を読んだ感想を教えてください
今回の初回スペシャルは『
相棒』シリーズの生みの親ともいえる
輿水泰弘さんの脚本なのですが、“またスゴイものを書いてきたな!”と震えました。設定もシーンも会話もすべて面白く、まるで初期に戻ったような薫のセリフも織り交ぜられているのに、成長も変化もある…。もはや彼にしか書けない脚本になっているんです。先日、輿水さんにお会いしたとき、ご本人にもお伝えしたのですが、すごい域に到達したと感じました。
――初回スペシャルでは、右京のセリフに「人生100年時代です」というものがあります。人生100年時代、これから挑戦したいことがあれば教えてください。
僕も具体的にやりたいことはないのですが、先日、ある番組で豊さんのインタビューを拝見したら、新たな挑戦に際して、豊さんが「あぁ、いい世界が始まったな、と感じた」とおっしゃっていたんです。それを見て頭をガツンとやられた気がしました。自分は、人生の折り返し地点を過ぎて
ゴールに向かっているイメージを持っていたのですが、“これからまだまだ何かが始まることがある”ということを豊さんに教えていただきました。
――『
相棒』は今年、25周年。25年前の『相棒pre season』を振り返って、作品的に変わったと思うところは?
豊さんとは“今シーズンはこういう感じでいこう”など、一度も話したことがありません。薫が14年ぶりに戻ってきたときですら、“久しぶりに会うからこういう芝居にしよう”とか、“こういう変化を感じさせるようにしよう”という打合せは一切、していないんです。ただその瞬間、瞬間を右京と薫として生きてきました。だから、豊さんもおっしゃったように、もし『
相棒』が変わっていたとしたら、それはごく自然な変化。とにかく2人で、目の前の事件に取り組み、今の時代を生きていくのみです。
――25周年という節目にはじまる新シーズン、期待していることを教えてください
『
相棒』は新しい脚本をもらうたび、今回はどんな世界が広がっているんだろうとワクワクします。その振り幅が大きければ大きいほど、シリーズとしては面白いんですよね。でも一方で、奇をてらうことを目指すのは違う。ミステリーの面白さは追求しながら、ドラマ作りには真摯に向き合っていきたい。どうすればよりリアルな物語としてお届けできるのか、これからもスタッフ、キャストで知恵を絞っていきます。