妻夫木聡「ウォーターボーイズ」の“伝説”が生まれた富山へ!「映画の奇跡を感じた場所。その奇跡をもう一度起こしたい」
2025年6月30日 16:00

大友啓史監督(「るろうに剣心」シリーズ、「レジェンド&バタフライ」)がメガホンをとった映画「宝島」の舞台挨拶付き先行上映会が6月28日、TOHOシネマズ ファボーレ富山で行われ、大友監督と主演の妻夫木聡が出席した。
原作は、戦後沖縄を舞台に、史実に記されない真実を描き切った真藤順丈氏による同名小説。妻夫木のほか、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太らが共演し、アメリカ統治下の沖縄を舞台に、混沌とした時代を全力で駆け抜けた若者たちの姿を圧倒的熱量と壮大なスケールで描き出す。

“宝島宣伝アンバサダー”として全国行脚している妻夫木。6月7日に実施された沖縄プレミアを皮切りに“映画『宝島』全国キャラバン”が本格始動。第2弾の静岡、第3弾の愛知に続き、妻夫木、大友監督は“富山キャラバン”に参加した。
妻夫木と大友監督は、まず富山駅前に位置する「FMとやま アーバンスタジオ」で公開収録を実施。2人がゲスト出演するという情報を聞きつけ、300人を超える聴衆が駆けつけた。公開収録では、番組リスナーから寄せられた「富山の好きな名所は?」という質問に対して、大友監督は「黒部ダム。被写体として優れている場所なので職業柄撮りたくなってしまう」と映画監督だからこその“答え”。続いて妻夫木が「ファボーレ富山です」と答えると聴衆からはうなずく反応が。「僕にとっては聖地ですし、映画の奇跡を感じた場所。その奇跡をまた感じたくて始めたこの『宝島』キャラバンなので、僕としては特別な想いがあります」と話していた。

伝説の映画館・ファボーレ東宝(現:TOHOシネマズ ファボーレ富山)は、妻夫木にとって“特別な地”。初主演映画「ウォーターボーイズ」が動員数全国2位という大記録を樹立しているからだ。当時、映画のロケ地でも舞台でもない一都市の映画館が、純粋に「作品を応援したい!」と宣伝した結果が全国2位の動員を上げたという、まさに“伝説”が生まれたことでも知られている。
「TOHOシネマズ ファボーレ富山」に移動した妻夫木を待ち受けていたのは、24年前「ウォーターボーイズ」公開当時、支配人を務めていた藤村健二さん。すでに現場を離れていたが、今回「宝島」の舞台挨拶の実施を聞きつけ駆けつけてくれたという。二人は熱い握手を交わすなど久々の再会を喜び合っていた。「本物を見るのは久しぶりです(笑)」という藤村さん。妻夫木が「ファボーレ東宝での舞台挨拶で愛を深く感じた…鮮明に覚えています」と振り返っていた。

再会の感動を胸に、妻夫木は大友監督とともに舞台挨拶に登壇。全国キャラバン第4弾として、かねて願っていた富山を再訪することができ、大きな喜びを感じているという妻夫木。
さらに、かつて「ウォーターボーイズ」の舞台挨拶に来ていた観客が数人いたようで、妻夫木は「お互い年取っちゃいましたね!よかったみんな元気で!」と笑いながら喜びをかみしめていた。

また、映画を見終えたばかりの観客からの質問に答えるコーナーも実施。「本作で特に大変だったシーン、これから映画を見る方に絶対注目してほしいシーンは?」という質問には、妻夫木は悩みながらもラストシーンを挙げた。
大友監督も“挙げればきりがない”と言いつつもコザ騒動のシーンを挙げる。
次の質問は「この映画をどの世代の方に見てほしいか?」というもの。妻夫木が「全ての世代の方に見ていただきたいけれど、特に若い方に見てほしいですね。僕自身もこの作品を通じて、知らなかった沖縄に、過去のことも今のことも全て含めて向き合いました。これから未来を生きる子供たちにも伝えていかなきゃいけないと思うんですよね」と熱い思いを語ると、大友監督も「知らないことを知るというのはひとつのエンタテインメントだと思っています。どの世代に伝えたいというよりも、映画を通じてあの当時の沖縄を追体験して、沖縄が宝の島といわれる”宝”とはなんなのか、それぞれの方に持ち帰っていただきたいです」と答えた。

舞台挨拶も終盤――妻夫木は、観客一人一人の顔を確かめながら、「ファボーレ富山という地は僕にとって聖地です。映画というのは、見ていただいてようやく完成します。そしてその映画を育てていくのは観客の皆さんだと僕は思っています。一人でも多くの方に届けられるようお力をお貸しいただけると嬉しいです」とメッセージ。続いて大友監督も、「このようなメッセージ性の強い作品はなかなか日本にはなかったと思うんです。でも、真っ正直に大切なメッセージを届けたいと思って作った映画です。ただの映画では終わらせたくないという気持ちが強いです。映画以上のものを、何か皆さんに受け止めていただきたいと思います」と溢れる想いを語り尽くした。
映画「宝島」全国キャラバンでは、妻夫木、大友監督が、7月4、5日に大阪を訪れる予定だ。
「宝島」は、9月19日から全国公開。
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