スイス映画界の巨匠アラン・タネールの2作4Kレストア版が2週間限定上映 7月19日から
2025年6月19日 17:00

スイス映画界の巨匠アラン・タネールの傑作「光年のかなた」(81)と「白い町で」(83)の4Kレストア版ブルーレイBOXが7月25日に発売されるのを記念し、7月19日から渋谷ユーロスペースにて2週間限定上映が行われる。タネールの作品がスクリーンに蘇るのは約40年ぶりとなる。
ダニエル・シュミット、フレディ・M・ムーラーと並びスイス映画界を代表する映画作家アラン・タネールは、1960年代末から70年代にかけて、多言語が交錯し多様な文化を有するスイスに「ヌーヴォー・シネマ・スイス」と呼ばれる新たな映画の潮流と、ヨーロッパをはじめ世界の映画史の変革をもたらした。ゴダールやトリュフォーらと同世代のタネールは、ロンドンでブリティッシュ・ニューウェーブ、そしてパリでヌーベル・バーグなど新時代の映画運動に強烈な刺激を受け、映画製作を開始。初長編作「どうなってもシャルル」(69)で世界的な注目を集めるようになる。反体制的な視点を盛り込みながら、現代を生きる人の心の空虚さや精神の揺らぎといった個の内面を表出させる彼の作品は、世界中で共感を持って受け入れられ、後に続くスイスの作家たちの先鞭となった。

1981年、カンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員特別賞を受賞した「光年のかなた」(81)は、アイルランドの田舎を舞台に、青年ジョナスと大空を夢見る風変わりな老人の交流をファンタジックに描いたアラン・タネールの長編第7作。主演はデイビッド・リーン監督の「逢びき」(45)やキャロル・リード監督「第三の男」(49)などで知られる名優トレヴァー・ハワード。スイスの作家ダニエル・オディエの小説「野性の道」(78)を原作としたタネール初の英語作品。のちにタネールの代表作となり、日本では1985年に「アラン・タネール映画祭」が開催され、評論家の蓮實重彦、梅本洋一らの手によって積極的に紹介された。

「白い町で」(83)は、晩夏のポルトガル・リスボンで、陽の光を反射させ白く輝く迷路のような町をあてどなく放浪する一人の男を描く。主演は名優ブルーノ・ガンツ。「自由とは何か?」。自己に深く潜り込み、日常と時の流れから離脱しようとする男の旅路を、柔らかな光線で詩情豊かに綴った紀行エッセイ的アラン・タネール長編第8作。シネセゾン配給により1986年に全国劇場公開され、ミニシアター文化の草創期を担う作家として大きな人気を博した。
■アルフォンソ・キュアロン
タネールの映画からは大きな影響を受けた。
彼の作品に登場する人物の複雑さには計り知れないものがある。
彼は映画のキャラクターの内に秘めた矛盾が、いかに観客の心を揺り動かすかを信じていたのだ。
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