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【第78回カンヌ国際映画祭】カズオ・イシグロ原作、戦争の記憶や女性の自立描く石川慶監督「遠い山なみの光」に熱い喝采 広瀬すず、吉田羊、松下洸平ら会見

2025年5月17日 22:00

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熱いスタンディングオベーションで迎えられた「遠い山なみの光」
熱いスタンディングオベーションで迎えられた「遠い山なみの光」
(C)Kazuko Wakayama

ノーベル文学賞作家、カズオ・イシグロの初長編を、「ある男」「愚行録」の石川慶監督が映画化した「遠い山なみの光」が、第78回カンヌ国際映画祭のある視点部門で披露され、熱いスタンディングオベーションで迎えられた。上映前の舞台挨拶では、キャスト陣の広瀬すず吉田羊三浦友和松下洸平カミラ・アイコと石川監督および今回エグゼクティブ・プロデューサーも兼ねたカズオ・イシグロが登壇した。

これまでベネチア国際映画祭は2度経験しているものの、今回が初カンヌとなった石川監督は晴々とした表情で、「カズオ・イシグロさん、スタッフ、キャストそして観客のみなさんとこの特別な瞬間を共有できてとても嬉しいです」と挨拶。またイシグロは「ひどい原作から素晴らしい映画を作ってくれました」と挨拶して会場を沸かせた。

映画は主人公、悦子が新婚生活を送る1952年の長崎と、その後彼女がイギリスにわたり、娘のニキがいる現代のイギリスが並行して描かれる。戦争の傷跡、人間の記憶の不確かさ、女性の自立などさまざまなテーマが盛り込まれた複雑な物語だ。

画像2(C)Kazuko Wakayama

上映後には日本のマスコミ向けの会見がおこなわれた。石川監督は「観終わったあとのみなさんの顔を見たら感動して泣きそうになりました」と始めると、松下も「感極まって泣きそうになりました」とコメント。前回是枝裕和監督の「海街Diary」で来て以来10年ぶり2度目のカンヌとなった広瀬は、「特別な空間で映画が届いたと実感できました。前回はまだ何もわからない状態できましたが、カンヌは本当に街ごと映画を盛り上げる雰囲気があって、他では経験できないものだと思いました」と語り、一方吉田は、「すでに作品は(カンヌ前に)観ていたのですが、ここであらためて観て、(二階堂ふみ演じるキャラクターの)『女性は変わらなくちゃ』というセリフを聞いて、涙が出そうになりました」と、それぞれに感想を述べた。

キャストのなかで年長となる三浦は、戦後という映画のテーマについて尋ねられると、「(映画の舞台である)52年は自分の生まれた年で、父の世代が戦争を経験しています。振り返ってみると女性たちは本当に強い、男たちは取り残されていると感じます。反戦というテーマもありますが、こういう形で(戦争の影響を)描いていることがとても印象的だと思います」と語った。

画像3(C)Kuriko Sato

イシグロは「小説は一人称の語りですが、石川監督は悦子に多くを語らせず、ニキの視点を通して悦子の考えていることを観客に考えさせるような手法にしている。原作の世界に忠実でありながら石川監督ならではの(演出的)達成をしている」と称賛した。本作は9月5日に全国公開される予定だ。(佐藤久理子)

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