エドワード・ヤン監督の名作「ヤンヤン 夏の想い出」25年の時を経て“4Kレストア版”でカンヌに帰還
2025年5月8日 16:00

エドワード・ヤン監督の名作「ヤンヤン 夏の想い出」が、劇場公開から25年ぶりに4Kレストア版としてスクリーンによみがえることになった。今回のレストア版は、2025年・カンヌ国際映画祭のカンヌクラシック部門のオープニング作品として上映。その後、日本国内でも初公開されることになった。
台湾ニューシネマの巨匠として知られるエドワード・ヤンは、1982年「光陰的故事」で監督デビュー後、「台北ストーリー」(85)、「恐怖分子」(86)、「牯嶺街少年殺人事件」(91)といった傑作を世に送り出し、国際的な評価を確立した。そして“最後の完成作”として知られる「ヤンヤン 夏の想い出」は、00年に開催された第53回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。その後アメリカ、フランスをはじめとする欧米各国で高い評価を受け、今日まで世界中のフィルムメーカーや映画ファンに影響を与え続けている。


00年の公開時、エドワード・ヤンは同作について次のように語っている。
「人生で起きるいくつかのことは、数学の1+2と同じくらいとても簡単である。私は1980年にフランスのリベラシオン紙が、カンヌ特集の付録として世界中の映画監督達に問うた『あなたは、なぜ映画を撮るのですか?』というシンプルな質問を思い出す。私の答えも、その質問と同じくらいシンプルだった――『多くを語らなくてすむから』。映画監督が語る最高の言葉とは、映画の表面ではなく、内側に存在するもののはずだ。この映画は、人生における1+2と同じくらいにとてもシンプルである。私は観客に、まるでただの友だちと一緒にいたかのような気分を味わってほしい。もし観客が“一人の映画監督”に出会ったような印象を持って映画を見終わったとしたら、私はこの映画は失敗作だったと思う」


【「ヤンヤン 夏の想い出」あらすじ】
小学生のヤンヤンは、コンピュータ会社を経営する父NJ、そして母、姉、祖母と共に台北の高級マンションで幸せを絵に描いたような暮らしをしていた。だが母の弟の結婚式を境に、一家の歯車は狂いはじめる。祖母は脳卒中で入院。NJは初恋の人にバッタリ再会して心揺らぎ、母は新興宗教に走る……。そしてNJは、行き詰まった会社の経営を立て直すべく、天才的ゲーム・デザイナー太田と契約するため日本へと旅立つのだが…。
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