高橋文哉&西野七瀬にもたらした、瀬々敬久監督からの大きな財産【「少年と犬」インタビュー】
2025年3月20日 12:00

馳星周氏の第163回直木賞受賞作を瀬々敬久監督のメガホンで映画化した「少年と犬」が、3月20日から全国で封切られる。映画.comでは、主演の高橋文哉と西野七瀬に取材を敢行。瀬々監督の演出の妙味から、ふたりが“どこへ”向かおうとしているのかまで、話を聞いた。(取材・文/大塚史貴、写真/間庭裕基)
観客動員200万人、興行収入26.7億円を記録した「ラーゲリより愛を込めて」のチームが再結集して製作したのは、累計発行部数50万部を突破した馳氏の同名原作(文春文庫刊)。大切な人に会うため、岩手県釜石から彷徨ってきた1匹の犬“多聞(たもん)”が、西の方角を目指して日本を縦断する旅路で出会った、傷つき、悩み、惑う人々との心の交流を描いている。
(C)2025映画「少年と犬」製作委員会
(C)2025映画「少年と犬」製作委員会高橋が息吹を注いだのは、東日本大震災後の貧困にあえぐ中で家族のために被災地で窃盗団のドライバーをする中垣和正。多聞と出会い、生活を共にするうちに、多聞が「西の方角」を見つめ続けていることに気づくという役どころだ。一方の西野演じる須貝美羽は、ある秘密を抱えながらデートクラブで働いているが、多聞と出会ったことで本当の自分を取り戻していくという設定。美羽は多聞のことを“レオ”と呼び、徐々に平和な日常を取り戻していくが、そこに多聞を追ってきた和正が現れる。こうして2人と1匹の新たな生活が始まるが……。
■瀬々組に参加したことで得た俳優としての財産
本編を観るとロードムービー的な要素も含まれているが、生きることの喜び、そして相反する悲惨さについて考えを巡らせられる構成に仕上がっている。ふたりは、今作と関わることでこれまで自身のなかにあった考え方、価値観に変化が生じたと語る。


「ラーゲリより愛を込めて」はもちろん、「糸」「8年越しの花嫁 奇跡の実話」「春に散る」など、骨太な社会派ドラマからラブストーリーまで幅広いジャンルの作品を手がけてきた瀬々組での撮影は、ふたりの俳優としてのキャリアに大きな財産をもたらすはずだ。
(C)2025映画「少年と犬」製作委員会■“多聞”と過ごした日々は「驚きの連続」
そしてまた、多聞を演じたシェパード犬のさくらと過ごした日々についても聞かねばならない。ふたりは「驚きの連続だった」と口をそろえる。
(C)2025映画「少年と犬」製作委員会
■表現者として、2人は「どこへ」向かおうとしているのか
本編中に「どっから来て、どこへ?」と問いかけるシーンがある。ふたりは俳優として、表現者として「どこへ」向かおうとしているのだろうか。

和正の「ひとつだけでいいから、良いことをしたい」というセリフも、観る者に強い余韻をもたらしてくれる。「良いこと」について話題を振ったら、高橋が意外な展開へと舵を切った。

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