ポン・ジュノ監督「宮﨑駿監督の作品は尽きないインスピレーションの源」 新作「ミッキー17」“謎のモンスター”誕生秘話
2025年3月17日 17:00

「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督と「TENET テネット」のロバート・パティンソンが初タッグを組んだ映画「ミッキー17」の新たな本編映像とともに、劇中に登場する謎のモンスター“クリーパー”の誕生秘話が明かされた。
原作は、エドワード・アシュトンの小説「ミッキー7」(早川書房)。人類発展を使命に掲げる巨大企業に雇われた主人公ミッキーの物語が描かれる。人生失敗だらけのミッキー(パティンソン)は、何度でも生まれ変われる“夢の仕事”を手に入れた。しかし、それは身勝手な権力者たちの過酷すぎる業務命令で次々と死んでは生き返る任務――まさに究極の“死にゲー”だった 。
本編映像は、ミッキーが、本作に登場する“謎のモンスター”クリーパーに引きずられているシーンをとらえたもの。「ここはどこだ? 何が起きた? なぜ俺を食べない? 気絶してたのに…」と戸惑うミッキーは、自分を引きずる大きなクリーパーの背中を見つめる。「そうか、子どもに食べさせる気だな。優しいママだ」とクリーパーの心中を読もうとするミッキーに、小さなクリーパー近寄ってくる。顔中をなめられ、手袋をくわえら、観念したかのように目をつむると「早いとこ終わらせてくれ、ほらガブリとかじれよ」と覚悟を決める。
だが、クリーパーは一向に食らいつくそぶりを見せずにどんどん進んで行く。「どこに連れて行くんだ?」と困惑するミッキーを、大クリーパーが尻尾を巧みに使って引き上げると、中小のクリーパーが総かがりで雪原に押し出す。ミッキーは「リプリントされた肉はまずいか? おい、俺はおいしいぞ、新鮮な肉だ、味は保証する」と叫ぶと、大中小と3種類の大きさの異なるクリーパーがそろってミッキーを見つめて……。
(C)2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.“クリーパー”と呼ばれる謎のモンスターは、その見た目から「風の谷のナウシカ」に登場する“王蟲(オ-ム)”を彷彿とさせる。宮﨑駿駿督からの影響について、ポン監督は「『オクジャ okja』のときも、主人公のミジャがオクジャのお腹の上で昼寝をするシーンがありましたが、あれはまさに『となりのトトロ』からインスピレーションを受けたシーンでした」と前置きし、こう語る。
「クリーパーは三種類ですが、ジュニアクリーパー、ベイビークリーパー、そして女王蜂のように一匹だけのママクリーパーがいます」と、大中小3種類が存在すると説明。「ジュニアクリーパーがボールのように丸まっていく動きが登場します。それはアルマジロを参考にしています。出来上がったものを見て、ダンゴムシのようだと言う方もいましたが…」と微笑むと「『風の谷のナウシカ』で王蟲が群れになって突進するシーンも、インスピレーションの源だったと言えます」と告白した。
さらに「クリーパーが群れになって絡み合う姿は、アラスカのトナカイの動きのパターンがモチーフとなっています。動物ドキュメンタリーを見ると出てきます。サークルの中心部分に子供のトナカイを置いて、群れが時計の反対周りにらせん状を描いていく荘厳でスペクタクルな映像があります」と、クリーパーが宮﨑作品のみならず、食べ物から動物まで、ありとあらゆるものからインスピレーションを受けて完成したキャラクターだったことを明かした。
そして「宮﨑駿監督はいつも生態系や自然、環境に対するテーマを描かれていますが、私も大きな関心を持っているテーマですので、動物やクリーチャーを表現する際には、宮﨑駿監督の作品は尽きないインスピレーションの源になっていると思います」と、宮﨑監督の表現には常に影響を受け続けていると語っている。
さらにロンドンで行われたワールドプレミアのて、主演のパティソンがアニメを参考にしてミッキーの役作りを進めたと語ったことについて、「ロバート・パティンソンはアニメをたくさん見ているようで、マニアックな性格ですね」と笑いながら、クリーパーのアクションについて教えてくれた。
「ミッキー17」は、3月28日に全国公開。
(C)2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
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