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【直接会ってみた!】12年の歳月をかけて「メカバース 少年とロボット」を完成させたリッチ・ホーって、どんな人? その映画的ルーツに迫る

2025年3月2日 12:00

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リッチ・ホー監督
リッチ・ホー監督

資金調達を含めた企画プロデュースから監督、脚本、撮影、音楽、美術、衣装、VFX監修などをひとりで担い、12年の歳月をかけてSFロボットアクション「メカバース 少年とロボット」を完成させたシンガポールの映像作家リッチ・ホーが、来日を果たした。苦難の連続だった完成までの道のりを“情熱と執念”で乗り越えた男の映画的ルーツに迫るべく、本人を直撃した。(取材・文・撮影/内田涼)

画像2(C)2023 Heavens Pte Ltd All Rights Reserved
●ヤンチャだった少年時代「エクソシスト」に震え上がり、「未知との遭遇」に感動
――幼少期はどんな子どもでしたか?

私はいま46歳だから、何年前の話になるのかな(笑)。ひと言で言えば“naughty”(ヤンチャ)でしたね。実は私の家族は両親、いとこ、兄弟、みんな医者なんです。その道を外れたのは、僕だけ(笑)。でも、小さな頃から「医者とは違う道に進みたい」と思っていました。4歳の頃の夢は2つ。1つ目はウルトラマンになること。もう1つは映画監督になることでした。

――そんなに早く!?

私と映画の出合いを語るうえで、欠かせないのが、父が開いてくれた“映画ナイト”です。生真面目な父でしたが、ときどき、家でVHSの鑑賞会をしてくれたんです。ただ、どういうわけか、私が初めて見せられたのが「エクソシスト」(1973)で(笑)。当時4歳だった私が受けた衝撃といったら。もちろん、眠れない夜が何日も続きました。あとでわかったんですが、父も怖がっていて、ひとりで見るのが嫌だったみたいで(笑)。

ただ、この経験を通して、映画というものが、人の気持ちを動かせるんだと気づいたんです。決定的だったのは、7歳のときに同じ“映画ナイト”で見た「未知との遭遇」(77)。この頃には「ウルトラマン」も見ていたし、“特撮”というものが存在することも知っていました。でも「未知との遭遇」には視覚的な効果だけではない、魅力を感じました。子どもにとっては難しいテーマでしたが、「映画は、ストーリーこそが大切なんだ!」って直感したんです。

――7歳で!?

そうなんです。同時に映画監督という存在を初めて意識しました。父に教えてもらい、スティーブン・スピルバーグの名前を知りました。もちろん、「E.T.」や「インディ・ジョーンズ」シリーズも夢中になりました。

●多感なティーン時代に出合った、日本カルチャー“ふたり”の巨匠
――先ほど「ウルトラマンになりたかった」と話してくれましたが、ほかに影響を受けた日本カルチャーはありますか?

最初に挙げたいのは、鳥山明さんの「ドラゴンボール」です。中学生の頃、近所にいわゆる貸本屋があって、まず背表紙に興味を持 ったんです。並べると、1頭のドラゴンになるじゃないですか。なんてユニークなんだって! いつか全巻揃えて、ドラゴンを完成させたいと思いました。

――それって、日本に暮らす少年少女がみんな考えることですよ!

実際に手に取ってみると、個性的なキャラクターとアクション描写、感情を揺さぶるストーリーに心奪われました。何より、作品に流れるユーモアが大好きでしたね。詳しく調べてみる必要はありますが、少なくとも当時、私が暮らす地域では、アニメーションが放送されていなかった。だからこそ、漫画を読むことで想像を膨らませた記憶があります。

――そのほか、日本の文化に触れる機会はありましたか?

高校生になって図書委員になったんです。本が好き、というよりは、エアコンの効いた環境にいられるから(笑)。ある週末、図書館でビデオテープの整理をしていたら、漢字1文字が書かれた映画のビデオテープを見つけて、早速再生してみたんです。

――その映画とは?

黒澤明監督の「」(85)でした。字幕がついていたか定かじゃないけど、いずれにしても私は日本語が理解できません。ただ、シェイクスピアの「リア王」が下敷きになっているのは、すぐにわかりました。何より、映像の迫力に圧倒されました。大人数が壮大な戦いを繰り広げていて、「どんだけの予算を使っているんだ!」って驚いたけど、それ以上に兵士たちのキャラクターが埋もれることなく、心に訴えかけてきました。ディテールへのこだわりにも驚かされましたね。

●「メカバース 少年とロボット」が日本再上陸! 実はシリーズ化の構想も
――監督にとって、日本の文化が切っても切り離せないものだとわかりました。それだけに「メカバース 少年とロボット」が日本に再上陸し、全国約50館の映画館で公開されるのは、思いも格別なのではないしょうか。

まさに夢が叶いました。強い影響を受けた日本で、映画が公開できてうれしいですし、作品だけではなく、私自身のアイデンティティまで、日本の皆さんに受け入れてもらえたと感じることができて、本当に感激しています。

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――「メカバース 少年とロボット」が完成するまでには、試練と苦難の連続だったと聞いています。なので、こんな質問は気が早いかもしれませんが、続編やシリーズ化の構想はありますか?

先に答えを言えば、もちろん「イエス!」です。ただ、「映画がヒットしたから、じゃあ、続編を作ろうか」という流れは好きではありません。実は「メカバース 少年とロボット」に関しては、シナリオが完成した2012年の段階で、6通りのストーリーを書き上げていて……。

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――そうなんですか!?

そのうちの1つは、曹長(演:ケニー・ウー)と中尉(演:タン・シェン・ジン)の10年前のエピソードで、これに関しては「メカバース 少年とロボット」のエンドクレジットを最後の最後まで見てもらうと、ヒントが隠されています。その他にも劇中には、私が構想するシリーズ作品につながるアイテムや建造物がいくつも隠されているんです。いつか、続編が完成したとき「あっ、これ前作で見たぞ」って発見してほしいからです。日本が初めてのお披露目の場所になりますし、皆さんには「メカバース 少年とロボット」を何度も何度も見てほしいですね。

メカバース 少年とロボット」は、2月28日よりイオン板橋ショッピングセンター内のイオンシネマをはじめ、全国50館で上映中。

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