【第75回ベルリン国際映画祭】ジェシカ・チャステイン、マリオン・コティヤールらコンペ注目作の女優陣が高評価
2025年2月22日 16:00

連日男優陣がレッドカーペットを賑わせている今年のベルリンだが、女優映画がないわけではない。「あの歌を憶えている」に続きミシェル・フランコ監督とタッグを組んだ、ジェシカ・チャステインの主演作「Dreams」と、ルシール・アザリロビック監督(「エヴォリューション」)がマリオン・コティヤールと組んだ「The Ice Tower」は、ともにコンペティションの注目作だ。
フランコ監督の映画は、前作の優しい路線を勝手に想像していたこちらの予想を裏切り、まるでキャリア初期に戻ったかのような衝撃作。メキシコに住むダンサー志望の青年に恋をした財閥の娘が、父親の企業の傘下にあるアート財団を通じて彼を支援するものの、いざ彼がアメリカに出て独立しようとすると愛が憎悪に変わる心理ドラマ。冷徹な眼差しとキレのいい演出で人間の複雑な深層心理を抉り出し、評価が高い。
後者はアザリロビックらしいダークな寓話。雪深い村で育ったティーンエイジャーのジャンヌは、家を飛び出して街を目指すものの、途中廃墟のような建物で一晩を過ごすことに。だがそこでは映画の撮影が行われており、ジャンヌはミステリアスな女王役の女優(コティヤール)に気に入られる。ジャンヌの妄想とも現実とも断定できない夢見心地の世界が、独特の映像美で語られる。ちなみに映画監督役でアザリロビックのパートナー、ギャスパー・ノエ監督が妙演を見せているのもポイントだ。

他にもビッキー・クリープスとエマ・マッキーが共演した、「イーダ」の脚本家レベッカ・レンキェビチの監督作「Hot Milk」、A24制作、ローズ・バーンが神経衰弱ギリギリの母親に扮する「If I Had Legs I’d kick You」などがあるものの、どちらも作品的な評価はいまひとつだった。
一方、実話をもとにしたアウト・オブ・コンペティションのイド・フルーク監督によるドイツ映画「Köln 75」は、ウェルメイドな娯楽作品で人気が高かった。1975年、当時18歳だった音楽ファンのベラ・ブランデス(マラ・エムデ)がプロモーターとなり、ケルンでキース・ジャレット(ジョン・マガロ)の単独コンサートを実現させるまでの成功譚を描いたもの。マガロのカリスマ性とエムデのエネルギッシュな魅力が映画を牽引する。現在28歳のエムデは、レオニー・ベネシュ(「セプテンバー5」)とともに、ドイツの新世代俳優のひとりとして注目されている。(佐藤久理子)
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