「オリヴェイラ2025 没後10年 マノエル・ド・オリヴェイラ特集」4月18日開催、国内劇場初公開3本を含む珠玉の5作品
2025年2月18日 12:00
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2025年に没後10年となる、ポルトガルの巨匠マノエル・ド・オリベイラのデジタルリマスターされた作品を公開する特集上映「オリヴェイラ2025 没後10年 マノエル・ド・オリヴェイラ特集」が、4月18日開催される。ラインナップ5作品がすべて4Kスキャンで、日本初のデジタル・リマスター版での公開となる。内3作品は国内劇場初公開だ。このほど予告編(https://youtu.be/P9HC6a8rk5M))、ポスタービジュアル、場面写真が披露された。
故ジャン=リュック・ゴダールをはじめ、ペドロ・コスタやミゲル・ゴメスら現代ポルトガル映画の作家たち、そして濱口竜介監督や三宅唱監督らが特別な映画監督としてその名を挙げる巨匠オリベイラ。100歳を超えてもなお映画を作り続け、現役最高齢の監督として世界中で話題と尊敬を集めた、マノエル・ド・オリヴェイラ。「私はシネマトグラフの映画監督だ」「映画とは何か?それは幻影だ。」と語り、「シネマトグラフ」を発明したリュミエール兄弟や「映画の魔術師」ジョルジュ・メリエスなど最初期の映画との連なりを強く意識するオリベイラは、まさに映画史を体現する唯一無二の存在である。
上映ラインナップは、かつて公開されたバージョンに15分間分追加されたディレクターズ・カット版ともいえる「アブラハム渓谷 完全版」、自身の死後に公開することが言付けられ、2015年以来見る機会のなかった自伝ドキュメンタリー「訪問、あるいは記憶、そして告白」。19世紀ポルトガルを代表する作家カミーロ・カステロ・ブランコの最後の日々を描き、フィルモグラフィのなかで最も厳格な作品ともされる「絶望の日」。ほか、黒沢清監督が絶賛した、驚天動地、奇想天外なオペラ映画の怪作「カニバイシュ」。ルイス・ブニュエル監督「昼顔」(67)の38年後を描き、ブニュエルにオマージュを捧げた「夜顔」。古典映画の佇まいと映画の未来を感じさせる瞬間の連続――。いずれも普遍性と先進性に溢れた、必見の5作品だ。4月18日から、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほかにて全国順次公開。
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1982年/ポルトガル/ポルトガル語/68分/原題:Visita ou Memórias e Confissões
監督・脚本:マノエル・ド・オリべイラ/撮影監督:エルソ・ロック/声:テレーザ・マドルーガ、ディオゴ・ドリア/台詞:アグスティーナ・ベッサ=ルイス
出演:マノエル・ド・オリヴェイラ、マリア・イザベル・ド・オリべイラ、ウルバノ・タバレス・ロドリゲス
オリべイラ自身が暮らしたポルトの家、家族、そして自らの人生を辿る自伝的な作品。自らの死後に発表するように言づけられ、2015年にポルト、リスボン、カンヌ国際映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映された。
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1988年/フランス、西ドイツ、イタリア、スイス/ポルトガル語/99分/原題:Os Canibais
監督・脚色・台詞:マノエル・ド・オリべイラ/原作:アルヴァロ・カルバリャル/撮影:マリオ・バローゾ/音楽・オペラ台本:ジョアン・バエス/製作:パウロ・ブランコ
出演:ルイス・ミゲル・シントラ、レオノール・シルヴェイラ、ディオゴ・ドーリア
厳粛な雰囲気に満ちた貴族たちの晩餐会は、やがて驚愕の展開を見せる。人間、動物、機械などあらゆる境界を侵犯し、奇想天外なユーモアが炸裂するオペラ・ブッファ(喜劇的なオペラ)映画の怪作。
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1992年/ポルトガル、フランス/ポルトガル語/77分/原題:O Dia do Desespero
監督・脚本・台詞:マノエル・ド・オリベイラ/撮影:マリオ・バローゾ/製作:パウロ・ブランコ
出演:テレーザ・マドルーガ、マリオ・バローゾ、ルイス・ミゲル・シントラ
19世紀ポルトガル文学を代表する小説家カミーロ・カステロ・ブランコの生家を舞台に、拳銃自殺を遂げたカミーロの最期の日々を描く。オリべイラ作品の中で最も厳格とも評される作品。
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1993年/フランス、ポルトガル、スイス/ポルトガル語/203分/原題:Vale Abraão
監督・脚本:マノエル・ド・オリベイラ/原作:アグスティーナ・ベッサ=ルイス/撮影:マリオ・バローゾ/製作:パウロ・ブランコ
出演:レオノール・シルべイラ、セシル・サンス・ド・アルバ、ルイス・ミゲル・シントラ
フローベール「ボヴァリー夫人」をポルトガル文学の巨匠アグスティーナ・ベッサ=ルイスが翻案し、原作を執筆。言葉、映像、そして音楽それぞれが自律しながら完全に調和する「文芸映画」の最高峰。ディレクターズ・カット版とも言える、本来の姿でスクリーンに蘇る。
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2006年/ポルトガル、フランス/フランス語/ヨーロッパ・ビスタ/69分/原題:Belle Toujours
監督・脚本:マノエル・ド・オリベイラ/撮影:サビーヌ・ランスラン/製作:ミゲル・カディリェ
出演:ビュル・オジェ、ミシェル・ピコリ
ルイス・ブニュエル監督作「昼顔」(1967)の登場人物たちの38年後を描く。ミシェル・ピコリが再び「アンリ」役で登場。カトリーヌ・ドヌーブが演じた「セヴリーヌ」にはビュル・オジエが扮する。
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