【2024年は「SHOGUN 将軍」イヤー】エミー賞快挙&劇場公開大ヒットの“旋風”を15トピックで振り返る
2024年12月27日 13:00
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ディズニーがグローバルで展開する定額制公式動画配信サービス「ディズニープラス」では2024年も、数多くの話題作が配信されたが、そのなか中でも特に注目を浴びたのが、ハリウッド発の本格時代劇「SHOGUN 将軍」だ。“米テレビ界の“アカデミー賞”といわれる第76回エミー賞で、単年での受賞数としては史上最多となる18部門に輝くなど、国内外で吹き荒れた“旋風”を15個のトピックで振り返りたい。
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1980年にアメリカで実写ドラマ化され、驚異的な視聴率を記録したジェイムズ・クラベルのベストセラー小説「SHOGUN」を、新たに映像化した戦国スペクタクル。関ケ原の戦い前夜の日本を舞台に、徳川家康や石田三成ら歴史上の人物にインスパイアされた、天下獲りに向けた陰謀と策略の“謀り事”を壮大なスケールで紡ぎ出す。
米制作の連続ドラマで初主演を務める真田広之が、家康にインスパイアされた戦国最強の武将・吉井虎永を演じるほか、プロデュースも手がけ、日本人の立ち振る舞いや話し方、小道具に至るまで、入念にチェック。ハリウッドと手を組み、“日本の魂”を本気で描くため、尽力した。「SHOGUN 将軍」(全10話)は、ディズニープラス「スター」で独占配信中。
日本版予告編(https://youtu.be/Dr1vH-7robk)が1月18日に公開されると、画面を埋め尽くす鎧姿の武士たちが、大群となり出陣する迫力のシーンをはじめ、緻密で豪華絢爛な城郭・城内の様子や、ライバルとの熾烈な戦い、臨場感溢れる海上戦を予感させるシーンの数々が映し出され、ハリウッドの本気度がヒシヒシと伝わる映像に、SNSを中心に、すぐさま期待の声が相次いだ。
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ディズニープラスでの配信を前に、ロサンゼルスでUSプレミアを実施。会場に駆けつけた真田は、「東西の壁を乗り越えて作り上げた作品を、ぜひひとりでも多くの人に見て頂きたいです」と、“渾身の1作”にかける熱い思いを語った。上映後のリアクションも熱狂的で、辛口で知られる映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で、批評家スコア100%(24年2月14日時点)の高評価を獲得した。
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熱狂のUSプレミアに続き、「SHOGUN 将軍」のジャパンプレミアが2月19日、都内で行われ、真田が豪華共演陣らとともに“凱旋帰国”を果たした。日本のファンと久しぶりに対面し、「長い旅路の果て、日本の皆さんに、情熱の結晶をお披露目できる日が来て、本当にうれしい。全てすべてが宝物です」と、感無量の面持ちだった。
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ジャパンプレミアの翌日には、徳川家の菩提寺でもある東京・増上寺で大ヒット祈願イベントが開催された。徳川家康からインスピレーションを得た武将・吉井虎永を演じた真田は、「この場で、作品をお披露目できることを光栄に思います」と、世界配信に武者震い。「世界に発信するべく、日本とハリウッドが一丸となって、熱い思いで作り上げました。過程そのものがドラマチックだった」「皆が一緒に、ひとつの目標に向かえば、必ず奇跡は起こる。より良い未来を築けるんだというメッセージを受け取ってほしい」とアピールした。
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プロモーションのために帰国したタイミングで、真田は映画.comの取材に応じ、「SHOGUN 将軍」完成に至る長い旅路を語りつくした。日本の魂を本気で描くため、真田自身が尽力した渾身作。その誕生の裏には、たびたび見受けられるハリウッド作品の“違和感のある変な日本”描写への違和感や悔しさがあったといい、「間違いを払拭したい、いずれは正したいという思いが、今回は自分のエネルギー源になった」と振り返った。
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2月27日(日本時間)には、ついに「SHOGUN 将軍」の配信がスタート。初回2話がディズニープラス(北米ではHulu)で配信され、全世界6日間で900万回再生(※再生回数は、ストリーム総時間を1・2話の総尺で割り、算出)を記録した。初回の再生回数としては、ディズニー・ゼネラル・エンタテインメントの脚本シリーズのなかで、歴代No.1となり、早速人気が沸騰した。海外では配信日の火曜を“Toranaga Tuesday”と呼ぶなど社会現象化。この頃からすでに、エミー賞受賞への声が高まり始めた。
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真田が4月1日(日本時間)、米カリフォルニアのドジャースタジアムで行われた、MLB「ドジャース対カージナルス戦」の始球式に登場。2023年にWBCで世界を制し、24年度からロサンゼルス・ドジャースへ移籍した山本由伸投手を捕手役に、見事なストレートのノーバウンド投球を披露し、スタジアムの大歓声に応えた。この日のドジャースは、前日の負けを払拭する試合を展開。2番・指名打者で先発出場した大谷翔平選手が、痛烈なツーベースヒットを放ち、本拠地で、5対-4の逆転勝利に貢献した。
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「SHOGUN 将軍」の第9話&第10話(最終話)上映イベントが4月24日、都内で行われ、西岡德馬、金井浩人、穂志もえか、竹嶋康成、向里祐香、洞口依子、宮本裕子という豪華なキャスト陣が勢ぞろい。虎永の腹心・戸田広松役の西岡は、「ハリウッドが作った日本の時代劇では、最高の仕上がりだと思う」と確かな手応えを示し、広松の孫娘・藤を演じた穂志もえかについて、「時代劇というものは、だいたい形から入りがちだが、気持ち気持ちでいってくれて、こちらもすごくお芝居がやりやすかった」と絶賛していた。
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最終話が配信された直後から、海外メディアが以下のように、次々と絶賛の声を寄せた。
・「正真正銘の傑作」(TIME)
・「今年最高の番組のひとつというだけでなく、スクリーンを飾った史上最高の番組のひとつ」(Collider)
・「2024年最高の番組のひとつに間違いない」(Forbes)
・「他作品に大きな差をつけて、今年最高の番組」(Polygon)
・「今テレビで見られる、最高の演技、そして最高のシリーズ」(The Daily Beast)
・「今年最高の演技」(Paste)
・「FXの『SHOGUN 将軍』はリメイクではなく、純粋に傑作だ」(TIME)
・「まばゆいばかりの『将軍』は、あなたが待ち望んでいた本物のテレビ作品だ」(USA TODAY)
・「荘厳……。スリリングで魅力的……この世界から出たくなかった」(TV GUIDE)
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ディズニー傘下の製作会社・FXが5月17日(日本時間)、「SHOGUN 将軍」シーズン2&3の開発に着手したと正式発表した。エグゼクティブプロデューサーおよび脚本を担うジャスティン・マークスとレイチェル・コンドウ、エグゼクティブプロデューサーのミカエル・クラベル、そして主演でプロデューサーの真田ら、主要なクリエイティブパートナーが続投することが決定している。すでに脚本家チームが招集されており、ロケ地探しやスタッフィングも進行中。早ければ25年秋頃にも撮影が始まる予定だ。
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“米テレビ界の“アカデミー賞”といわれる第76回エミー賞のノミネートが7月18日(日本時間)に発表され、「SHOGUN 将軍」はドラマシリーズ部門にて作品賞・主演男優賞・主演女優賞・監督賞など、主要部門を含む22部門・最多25ノミネートを記録。主演男優賞(真田広之)、主演女優賞(アンナ・サワイ)、助演男優賞(浅野忠信、平岳大)ら、史上最多となる11人の日本人が名を連ね、歴史的快挙を達成した。
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第76回エミー賞の授賞式に先立ち、主にテレビシリーズの制作・技術に携わった人々に贈られる、「クリエイティブ・アーツ・エミー賞(Creative Arts Emmy Awards)」が9月9日(日本時間)に発表され、「SHOGUN 将軍」が、単年での受賞数としては史上最多となる14部門を受賞。ノミネートされていた日本人7人全員が栄冠に輝く快挙を成し遂げた。
「SHOGUN 将軍」が賞に輝いたのは、撮影賞、編集賞、プロステティックメイクアップ賞、ゲストアクター賞、キャスティング賞、プロダクションデザイン賞、音響編集賞、音響賞、視覚効果賞、スタント・パフォーマンス賞、メインタイトルデザイン賞、メイクアップ賞(歴史劇&ファンタジー)、衣装デザイン賞、ヘアースタイリング賞の計14部門だ。
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第76回エミー賞の授賞式が9月16日(日本時間)、ロサンゼルスで行われ、「SHOGUN 将軍」が作品賞、主演男優賞(真田広之)、主演女優賞(アンナ・サワイ)、監督賞(フレッド・トーイ/第9話「紅天」)の4冠に輝いた。すでに発表されていたクリエイティブ・アーツ・エミー賞での14部門と合わせて、単年での受賞数としては史上最多となる18部門を総なめにし、歴史的“天下獲り”を成し遂げた。
プロデューサーとして作品賞を手にした真田は、日本語で「これまで時代劇を継承して支えてきてくださった全ての方々、そして監督や諸先生方に心より御礼申し上げます。あなた方から受け継いだ情熱と夢は、海を渡り国境を越えました」とスピーチ。長い歳月をかけ、時代劇という文化を築き上げた先人たちへの敬愛を示した。
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同じ授賞式の場で、日本人として初めてエミー賞の主演男優賞に輝いた真田は、「東と西が(壁を越えて)出合う夢のプロジェクトでした。とても難しいプロジェクトでしたが、全員が一致団結しました」としみじみ語り、「私たちは全員で奇跡を作ることができました。そして我々はともにより良い未来を作ることができます。本当にありがとう」と、喜びを噛みしめた。
さらに「子役の頃からお世話になった全ての方々、そして支えて頂いたファンの皆さんに、改めて感謝いたします。これを励みに、今後も俳優として新たな挑戦を模索しながら、日本の素晴らしい題材や才能を世界に発信して参りたいと思います」と、決意を新たにした。
また、真田と同じく、日本人初の快挙を達成したサワイは「名前が呼ばれる前から泣いてしまっていました」と、大粒の涙。「いままで支えてくれたお母さんありがとう。あなたのおかげで、私は鞠子を演じて、いま、ここにいることができました。この受賞は全ての女性のためのものです」と、締めくくった。
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「SHOGUN 将軍」の第1話・第2話が11月16日、全国231館で封切られた。週末2日間のみ、各館の上映回数も1~3回と限られていたが、興行収入3453万2500円、観客動員数2万6893人という異例のヒットを記録。週末の国内動員ランキングでは、8位にランクインする大反響となった。
ハリウッドが生み出す圧倒的なスケールはもちろん、プロデューサーの真田をはじめ日本の専門家たちが、「日本の文化を正しく世界に紹介したい」という熱き思いを胸に、現地の制作チームとともに衣装、小道具、セット、所作など細部までとことん“本物”を追求したクオリティの高さ、そして俳優たちのリアリティ溢れる演技が、映画館のスクリーンでも圧倒的な存在感を放った。
そして12月9日(日本時間)に発表された第82回ゴールデングローブ賞ノミネートでは、作品賞、主演男優賞(真田広之)、主演女優賞(アンナ・サワイ)、助演男優賞(浅野忠信)の計4部門で候補となる快挙を達成。授賞式は年明け、25年1月5日(現地時間)に行われる予定で、受賞に期待が高まっている。
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