【世界の映画館めぐり】コロンボのラグジュアリーなシネコンで最新インド映画鑑賞 「RRR」匹敵の面白さ!&スーパースター、ヴィジャイに感動
2024年9月29日 11:00

映画.comスタッフが訪れた日本&世界各地の映画館や上映施設を紹介する「世界の映画館めぐり」。今回は、インド洋の真珠と呼ばれる美しい国、スリランカ。同国最大都市のコロンボのシネコンで最新インド映画を観てきました。


コロンボは、イギリス統治下時代からの歴史ある建物やガンガラーマをはじめとした寺院が有名ですが、最近は中国やインド資本の高層ビルが次々と建てられ、経済大都市の顔を見せています。今回筆者が訪れたのは、ゴール・フェイスというインド洋に面した地域にあるスリランカ最大のモール内のシネコンPVR One Galle Face Mall。こちらはスリランカと地理、文化的にも近いインドのチェーンです。シネコン内にある、LUXEと名付けられた特別仕様のスクリーンを体験しました。


世界的な高級ブランド店も並ぶ同モールには、入り口でセキュリティチェックを受けて入館します。シネコンPVRは最上階の6階にあります。筆者が鑑賞したのは「THE GREATEST OF ALL TIME」(略称「GOAT」)というタミル語のインド映画。スクリーンLUXEでの鑑賞料金は3500スリランカルピー(約1700円)、前日に訪れたローカル映画館でのチケットは550スリランカルピー(約260円)でしたから、現地の物価を考えるとかなり高額なチケットです。ほかの通常スクリーンでは1200スリランカルピーでした。

館内設備としては、通常のフード販売カウンターのほか、朝一の上映回でしたので、オープンはしていませんでしたが、上映前後に利用できるようなバーも併設されていました。また、お子様連れ向けのプレイラウンジもあるようです。スクリーン前の係員にチケットを見せ、わくわくしながらLUXEに入場します。


LUXEは、その名の通り、おお~!と声をあげたくなるリッチな空間でした。すべてにアームレスト、一部にはフットレストもついてゆったりとした座席にオリエンタルなデザインのサイドランプが灯るゴージャスな仕様です。購入時に指定した席に着くと、スタッフがやってきて毛布を持って来てくれました。熱帯特有の蒸し暑い外気を忘れるほど、しっかりとクーラーが効いているのでありがたいかぎり。そして、上映前とインターミッション中にスタッフが飲食物のオーダーを取ってくれ、(乗ったことはありませんが)まるで飛行機のファーストクラスのよう。

ドリンクやフードは有料ですが、LUXEを日本の映画館で例えると東京の109シネマズプレミアム新宿のスクリーンが近いのではないでしょうか。LUXEでは音響設備にも力を入れているようで、老舗メーカーJBLのサラウンドスピーカーがずらりと壁に設置されていました。ドリンクはマサラティー(980スリランカルピー)をオーダー。練乳のように濃いミルクと甘さのリッチな味わいでした。街の庶民的なレストランで食べたカレー定食が700スリランカルピー程度でしたから、こちらも高級指向です。


この日の一番乗りは筆者でしたが、その後に入場してきたのは、大人と中学生くらいの子どもを合わせて6~7人くらいの大ファミリー。きっと裕福なご家族なのでしょう、たくさんのフードを注文し、まるで映画館でのミニパーティのように楽しんでいました。その様子を見ながら、自分もマハラジャの有閑第二夫人気分でラグジュアリーな空間を味わいました。

そしていよいよ上映開始です。正直なところ、筆者はインド映画ファンを名乗れるほどインド映画は見ていません。が、「ムトゥ 踊るマハラジャ」からスタートし、「きっと、うまくいく」「RRR」などのヒット作、ミニシアターで上映されるような国際映画祭での受賞作など日本公開される作品はここ20年くらいでそこそこチェックしており、1年に1~2作は必ず見ていると思います。結論から言うと、そんな筆者のインド映画鑑賞歴の中でもかなり上位に入るほど「THE GREATEST OF ALL TIME」は、めちゃくちゃ面白かったのです!

あらすじは「かつて特別対テロ部隊(SATS)の栄誉ある隊員だったガンジーは、同僚たちから重要な任務のために再び招集され、自らの過去と衝突する危険な道を歩むことになる」(映画館公式サイトからGoogle翻訳)のみ。どんな物語が展開されるのかまったく想像がつきませんでした。日本でも公開してほしいので、なるべくネタバレは避けますが、ざっくり言うと父と息子の因縁の物語です。主演はヴィジャイ。筆者は今作で初めて知りましたが、タミル語映画で活躍する南インドのスーパースターです。

なんと、このヴィジャイ、この映画で父と子を一人二役で演じているのです。それだけで驚きですが、アクションもダンスもキレッキレ。もちろん各種特殊な映像技術も使われていますが、20代の息子役を演じる全く50代に見えない若々しさにぶったまげました。
ヴィジャイが演じる主人公のガンジーは、家族旅行中に幼い息子と離れ離れになります。その旅行先はタイで、パタヤなどでロケが行われています。そして、その後に起こるこの物語の重要な場面はなんとロシアで撮影されているのです。インドの政治的な立場には言及できませんが、赤の広場をはじめ、今のモスクワが映し出され、街中でも本格的なアクションシーンが展開されます。

本作、(wiki情報では)製作費約40億インドルピー(約68億円)という超大作。インド各地のみならず、世界を舞台にしてしまうそのスケールの大きさに驚きました。9月5日の封切で、2024年のタミル語映画で最高の興行収入、2024年インド映画興行収入第3位を記録しているそうです。主人公ガンジーが「ミッション:インポッシブル」のテーマを口ずさむシーンもあるのですが、まさにハリウッド映画並みの大スペクタクルが繰り広げられます。

さまざまな伏線が張られた複雑な人間関係、各種事件が起こる舞台設定、ガジェットの使い方など脚本も秀逸で、インターミッションをはさむ3時間があっという間。中国伝来の故事として、日本でも知られる「獅子の子落とし」という言葉も浮かぶ作品です。ヴィジャイの一人二役をはじめ、最新VFXを用いて、虚構の世界を作り上げる映画ならではの面白さを十二分に堪能できました。2022年の筆者のベスト1映画「RRR」に匹敵し、今年鑑賞した娯楽映画ではぶっちぎりのトップ。この感動を日本の映画ファンとも分かち合いたいです。

ちなみにスリランカの言語はシンハラ語なので、タミル語のインド映画である本作は英語字幕付きでの上映でした。英語が得意ではない筆者でもこれだけ面白かったのですから、日本語字幕や吹替だったらもっと楽しめたのでは……といつか日本語で再見できる日を願ってやみません。また、音響設備のよいシアターで、爆音に近い感じでインドならではのダンスミュージックが流れたのも、アドレナリンが湧き出るようで最高でした。

と、作品紹介にだいぶ熱くなってしまいましたが、コロンボのラグジュアリーなシネコンPVR One Galle Face MallのLUX、遺跡めぐりや自然アクティビティとは一味違ったスリランカ旅行の選択肢の一つとして、是非映画ファンにおすすめしたいスポットでした!

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