是枝裕和監督が「本当に大好きな作品」と絶賛 中国と朝鮮半島、国境の街で出会った男女3人の青春「国境ナイトクルージング」10月18日公開
2024年7月23日 14:00
第76回カンヌ国際映画祭ある視点部門出品作で、第96回アカデミー賞国際長編映画賞では、シンガポール代表となった映画「燃冬(原題)」が、「国境ナイトクルージング」の邦題で、10月18日から公開される。ティザービジュアル、仮メイン写真、特報が披露された。
舞台は、中国と朝鮮半島の国境にある町、延吉(えんきつ)。文化が混じりあい、至るところに漢字とハングルが混在する場所で、男女3人が偶然出会い、冬の延吉をクルーズすることで起こる心の変化を、煌めく映像美と叙情的音楽で綴る青春映画。それぞれの事情で孤独と葛藤を抱え、やり場のない寂しさに閉じ込められていた3人だったが、磁石のように引き寄せられ、数日間を気ままに過ごす。深入りせずに、この瞬間をひたすら楽しむ、それが暗黙のルールだ。過去も未来も忘れ、一緒にいるだけで凍り付いた心はほどけていく。
監督は、「イロイロ ぬくもりの記憶」(13)で、フィリピン人ヘルパーと彼女が世話をする10歳の子供との絆を繊細に描き、第66回カンヌ国際映画祭カメラドールを受賞したシンガポール出身のアンソニー・チェン。
プロデューサーはティルダ・スウィントン主演作「MEMORIA メモリア」(21)、チェン監督作「熱帯雨」(19)のメン・シェ。そして撮影は「少年の君」(21)のユー・ジンピン。水墨画のような風景が広がる国境の雪山や、朝日にきらめくダイヤモンドダストなど、心象風景と一体化した繊細な風景描写に注目だ。また、3人の揺れる感情と微妙な恋愛模様を音楽で表現するのは、“シンガポールのアンビエント・ボーイ"こと、キン・レオン。ロンドン・カレッジ・オブ・ミュージックを首席で卒業し、シンガポールと日本を拠点に活動するアーティストで、本作が長編映画への楽曲初提供となる。
主演は、21年に日本でもスマッシュヒットを記録した「少年の君」での真に迫る演技が記憶に新しい、人気実力を兼ね備えたチョウ・ドンユイ。アンソニー・チェン監督とは本作が2度目のタッグとなり、脚本のない段階で監督からオファーされ快諾。人生に迷った自分の経験を重ね、ノーメイクでナナの孤独を表現している。極寒の町に足止めされるハオフォンには、大人気シリーズ「唐人街探偵」(15~)で天才探偵を演じたリウ・ハオラン。増量と髭を伸ばす役作りで、心をどこかに置き忘れたエリートを静かに演じている。ナナに片思いするムードメーカーのシャオには、Netflix映画「流転の地球」(19)、「あなたがここにいてほしい」(21)のチュー・チューシアオと、中国の人気実力派キャストが結集した。
特報は、チョウ・ドンユイ演じるナナが駐車場の中央で「今夜 予定ある?」と、まるでこちらに向かって話しかけているような場面から始まり、呑み、走り、笑いあう3人の姿を映し出す。最後には「本当に大好きな作品」と本作を絶賛した是枝裕和監督からのコメントも映し出される。
7月26日午前0時から、本作のムビチケオンラインの発売が決定。購入者特典として、ネオンの光が流れるように写り、原題の「燃冬」、英題の「The Breaking Ice」の文字が入った海外ビジュアルのスマホ壁紙がプレゼントされる。「国境ナイトクルージング」は、10月18日から新宿ピカデリーほか全国公開。
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