「男はつらいよ お帰り 寅さん」今夜放送! あらすじ・キャストまとめ&ユーモア満載だった会見を述懐
2024年4月6日 18:00
山田洋次監督による国民的人情喜劇「男はつらいよ」シリーズの50周年記念作「男はつらいよ お帰り 寅さん」が、本日4月6日午後6時30分からBSテレ東で放送されます。映画.comでは、あらすじ、キャスト一覧をまとめたほか、2018年に行われた製作会見で繰り広げられたユーモア満載のコメントの応酬をご紹介します。
1969年に第1作が劇場公開されてから50周年を迎え、97年の「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」以来、22年ぶりに製作されました。倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆らに加え、シリーズの看板俳優であり、96年に亡くなった渥美清さんも出演。さらに、歴代マドンナからは後藤久美子、浅丘ルリ子と「男はつらいよ」でおなじみのキャストが顔をそろえています。
柴又の帝釈天の参道にかつてあった団子屋「くるまや」は、現在はカフェに生まれ変わっていた。その裏手にある住居では車寅次郎の甥である満男の妻の7回忌の法事で集まった人たちが昔話に花を咲かせていた。サラリーマンから小説家に転進した満男の最新作のサイン会の行列の中に、満男の初恋の人で結婚の約束までしたイズミの姿があった。イズミに再会した満男は「会わせたい人がいる」とイズミを小さなジャズ喫茶に連れて行く。その店はかつて寅次郎の恋人だったリリーが経営する喫茶店だった。
車寅次郎:渥美清
諏訪さくら:倍賞千恵子
諏訪満男:吉岡秀隆
イズミ・ブルーナ(及川泉):後藤久美子
諏訪博:前田吟
高野節子:池脇千鶴
原礼子:夏木マリ
リリー:浅丘ルリ子
朱美:美保純
源公:佐藤蛾次郎
諏訪ユリ:桜田ひより
三平:北山雅康
飯田:カンニング竹山
書店の客:濱田マリ
山中:出川哲朗
ジャズ喫茶店長:松野太紀
噺家:立川志らく
窪田:小林稔侍
御前様:笹野高史
及川一男:橋爪功
ケアセンターの職員:林家たま平
早苗:富田望生
美佳子:倉島颯良
浩介:中澤準
オープニング/桑田佳祐
今作の製作会見は18年10月31日、東京・成城の東宝スタジオで行われました。主要キャストが顔を揃えたほか、歴代ヒロインの出演も発表されるとあって、この日は報道陣も各社ベテラン記者が詰めかけ、会見が始まる前から大盛況でした。
硬軟自在に演じ分ける芸達者なキャスト陣がユーモアを交えながら質疑応答に臨んでくれたこともあり、終始和やかなひと時となりました。
先陣を切ったのは、さくら役の倍賞千恵子。「50年も経ってしまったさくらでございます。またさくらに会えるとは思ってもみなかった。セットに入ってみてホッとした。台本をいただいた時には、どうなるかと思いましたから。家でセリフを声に出してみたとき、違和感があったもので。でも、セットで動き出してみたら、それなりに年を取ったさくらがいた」とニッコリ。
一方、満男に扮した吉岡秀隆は、「満男が寅さんに言われたセリフで、『困ったことがあったら、おじさんを呼べよ。いつでも飛んできてやるから』というものがあって、僕自身にとってもどんなにも救いになったことか……。今まで呼んだことなかったんだけど、今回ばかりは呼んでみた。でも、まだ来てくれない。おじさんの耳にはまだ届いていないのかなあ」と思いを馳せていました。
第42~45、48作の5本でマドンナを務めた後藤久美子は、スイス・ジュネーブの自宅へ山田監督から長い手紙が届いたことを告白。
「読んでいるうちに、監督のシリーズへの大きな愛情、今作への情熱をひしひしと感じました。これは、引き受ける、引き受けないなどと、私が考慮する権利はないような気がしてきました。ひとつ返事で行くんだ! と思った」
23年ぶりの銀幕復帰についても「不思議な感覚で、ほんのちょっとおいとましていて、久しぶりに戻ってきた感覚なんです」と明かし、隣に座る山田監督にほほ笑みかけていました。
寅次郎が最も愛し、シリーズ史上最多となる5作品でマドンナ・リリーに息吹を注いできた浅丘は、かつての出演作すべてに目を通したそうです。
「何でリリーは一緒にならなかったんだろう? 今でも残念でならない。あんな素敵な人はいない。大好きだったのに、意地を張ってこんなことになってしまったんだろうという気持ち」と寅次郎への思いを吐露しました。
山田監督が「(寅次郎がここにいたら)『リリー、俺と所帯を持とうよ』って言うんじゃないかな」と合いの手をうつと、「本当? そうしたら、今度は逃げないわよって言います」と言い切り、報道陣を盛り上げていました。
今作の公開記念舞台挨拶は、19年12月26日に行われ、主要キャストが勢ぞろいしました。さくら役の倍賞は、「やっとでき上がって、お兄ちゃんはどこかで見ていて『さくら、よく頑張ったじゃないか』と言ってくれると思う」と感涙。そして、「ねっ、秀」と声を詰まらせながら、息子の満男役の吉岡にマイクを託しました。
吉岡は、「おじさんだったら、『バカだなあ。そんなこと公衆の面前で言うもんじゃない』と言うと思う」と苦笑。それでも、「随分、風に向かって伯父さんの名前を呼んだけれど、一向に来てくれなかった。でも、ずっと側にいて『だから50作目ができたんじゃないか』と言ってくれている気がします」と感慨深げに話していました。
今作でシリーズ最多となる6作でマドンナのリリー役を務めた浅丘は、「リリーはずっと寅さんの帰りを待って、独りでジャズ喫茶リリーをやっております。帰って来たら、奄美大島の家がまだあるから2人でゆっくり住みたいね」と、天国の渥美さんに呼びかけていました。
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