【第96回アカデミー賞】主演女優賞はエマ・ストーン! 「哀れなるものたち」で2度目の戴冠
2024年3月11日 11:13
第96回アカデミー賞(2024)の授賞式が3月10日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビーシアターで行われ、「哀れなるものたち」のエマ・ストーンが主演女優賞を受賞。同部門では「ラ・ラ・ランド」(2017)に続き、2度目の戴冠となった。
本作は、「女王陛下のお気に入り」(18)のヨルゴス・ランティモス監督とストーンが再びタッグを組み、スコットランドの作家アラスター・グレイの同名ゴシック小説を映画化したもの。第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を獲得した。不幸な若い女性ベラ(ストーン)は自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)によって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生。「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)に誘われ、大陸横断の旅に出る。ストーンは、大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラという難役に挑んだ。
ストーンは頬を紅潮させ、声をつまらせながら、「声が少しかすれちゃっていますが、今ステージにいる皆さん(プレゼンターを務めた歴代受賞女優たち)、素晴らしい人たちです。また候補者の皆さん――サンドラ(・ヒュラー)、アネット(・ベニング)、キャリー(・マリガン)、リリー(・グラッドストーン)と一緒に受賞したと思っています。私は皆さんから刺激を受けています。一緒にこのような場を共有できて、嬉しいです」と、語り始める。
ストーン「先日の夜、私はパニックに陥っていました。見ての通り、よくあることなんですが……。もしかしたら、このようなことが起こるかもしれないと思っていたところ、ヨルゴス(・ランティモス)から、『距離を置いて、客観的になるんだ』と言われたんです。そして、彼は正しかった。なぜなら、私だけではなく、チームで力を合わせてこそ、それぞれの力の集合体よりも素晴らしいものが出来上がるのだから。それが、映画製作の醍醐味なのです」
そしてストーンは、「全てのキャスト・スタッフ、そして愛と配慮と輝きを映画製作に注いでくれた全ての人々と、この受賞を分かち合えることを、とても光栄に思っています」と感謝を述べ、ランティモス監督に「ベラ・バクスター役という、一生の贈り物をくださって、ありがとうございます」と、思いの丈を伝えた。
ストーンは、11歳の頃から地元アリゾナの劇団や即興劇のグループに所属し、2005年にテレビドラマで女優デビュー。07年の「スーパーバッド 童貞ウォーズ」で映画に初出演して以降、「ゾンビランド」シリーズ(09、19)、「ヘルプ 心がつなぐストーリー」(11)、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ(12、14)などで注目を浴びる。そして「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(14)でアカデミー助演女優賞に初ノミネートされ、「女王陛下のお気に入り」でも同賞の候補に。「ラ・ラ・ランド」(16)で、ベネチア国際映画祭の最優秀女優賞や、アカデミー主演女優賞など数多くの賞を受賞した。
「哀れなるものたち」でストーンは、第81回ゴールデングローブ賞(ミュージカル/コメディ)をはじめ、23年のロサンゼルス映画批評家協会賞、第29回クリティックス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)、第77回英国アカデミー(BAFTA)賞などで受賞を重ねた。そして作品賞、監督賞を含む11部門にノミネートされた第96回アカデミー賞で、2度目の主演女優賞の栄光を手にした。
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