真田広之主演「SHOGUN 将軍」を手がけ、賞レースで注目浴びるスタジオ「FX」 注目5作品で紐解く快進撃の秘密
2024年3月3日 12:00

米テレビジョン・アカデミーが主催する第75回エミー賞授賞式が1月15日(現地時間)、米ロサンゼルスで開催された。コメディ・シリーズ部門では「一流シェフのファミリーレストラン」が作品賞をはじめ、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、監督賞、脚本賞を受賞。技術部門の各賞受賞も合わせると最多10冠を達成した。
制作しているのは、ディズニーが誇る多彩なクリエイティブスタジオのひとつである「FX」。第75回エミー賞では、「一流シェフのファミリーレストラン」の快挙も手伝い、全16部門の賞を受賞し、5年連続で最多記録を更新した。賞レースの新たな顔として、存在感を増しているFX。その快進撃に裏にある秘密を、ディズニープラスで配信されている5つの作品から紐解く。

若き有名シェフのカーミー(ジェレミー・アレン・ホワイト)が、亡くなった兄が経営していたサンドイッチ店を再建するべく地元に戻り、一筋縄ではいかないスタッフたちと奮闘する群像劇。一見ありふれた題材でありながら、FXの特徴であるクリエイターたちの個性や作家性を最大限にリスペクトする姿勢が“隠し味”となり、視聴者に驚きと感動を与えるヒューマンドラマに仕上がった。監督・脚本を手がけるクリストファー・ストーラーが好例だが、キャリアを問わず、才能溢れる作り手を採用し、文字通り“一流”に育て上げるのもFX流だ。

音楽シーンを舞台に、いとこ同士のふたりが人生を切り開く姿を描くコメディ。ラッパーとして活動し、「オデッセイ」「スパイダーマン ホームカミング」「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」など数多くのヒット作にも出演しているドナルド・グローバーが、主演・制作総指揮・監督・脚本を務めるほか、日本出身の映像クリエイター、ヒロ・ムライが一部エピソードを手がけている。「一流シェフのファミリーレストラン」同様に、FXが若き才能にチャンスを与え、クリエイティビティを尊重し、見事才能を開花させることに成功している。

作家性を尊重するFXの姿勢は、“時代を切り開く作品”の誕生を後押しし、テレビ業界全体に革新をもたらすことにも寄与している。FXを代表するヒットメイカーのライアン・マーフィは、放送が始まった2011年当時には、最もテレビに不向きとされたホラージャンルに、大胆で刺激的な社会風刺を盛り込み、視聴者にホラーの新たな魅力を再発見させた。また本作では、キャストを入れ替えて同じテーマの異なる物語を描くアンソロジーシリーズというスタイルが用いられており、この手法もいまや、ドラマ業界の大きな潮流になっている。

同じくマーフィが、ドラマ界に革新をもたらしたのが、トランスジェンダーの黒人女性を主人公にした「POSE ポーズ」だ。LGBTQ+の権利に関しても積極的に作品に取り入れてきたマーフィは、トランスジェンダーにスポットを当て、キャスト、スタッフにも数多くの当事者を起用。啓蒙的な作風ではなく、純粋に胸を熱くする感動ドラマとして楽しめる点が、マーフィ作品の凄みを感じさせる。本作がエミー賞などで高く評価されたことを機に、トランスジェンダーの俳優が出演する作品が、目に見えて増えており、改めてFXの先見性が際立っている。

そんなFXが日本文化に敬意を表し、戦国時代を描いたのがドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」。1980年にアメリカで実写ドラマ化され、驚異的な視聴率を記録したジェームズ・クラベルのベストセラー小説「SHOGUN」を、新たに映像化した戦国スペクタクルとなっている。ハリウッドの制作陣が、関ヶ原の戦い前夜の日本を舞台に、徳川家康や石田三成ら歴史上の人物にインスパイアされた、天下獲りに向けた陰謀と策略の“謀り事”を紡ぎ出す。壮大なスケールと圧巻の映像美からも、ハリウッドが本気の総力戦で、時代劇というジャンルに勝負を挑んでいることが分かるはずだ。
主人公である戦国最強の武将・虎永を演じ、自身初となるプロデューサーとしても作品に携わった真田広之が、「日本の文化を正しく世界に紹介したい」という熱き思いから、日本人の立ち振る舞いや話し方、小道具に至るまで、入念にチェック。日米から豪華なキャストも集結した。そんな入魂の一作は、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で、批評家スコア100%(2月29日時点)を記録するなど、早くも評価がヒートアップし、旋風が巻き起こっている。長年にわたり、クリエイターの想像性を尊重してきたFXの信念が結実した「SHOGUN 将軍」の“出陣”が、世界で注目を浴びている。
「SHOGUN 将軍」(全10話)の第1・2話は、ディズニープラスの「スター」で独占配信中。今後は毎週1話ずつ配信される(最終話は4月23日配信予定)。

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