「ジャン=リュック・ゴダール 遺言 奇妙な戦争」ゴダールの肉声入り予告編 蓮實重彦らからのコメント公開
2024年2月16日 13:00

2022年9月に死去したジャン=リュック・ゴダール監督が手掛けた最後の作品「ジャン=リュック・ゴダール 遺言 奇妙な戦争」の予告編、映画評論家の蓮實重彦氏らからのコメントが公開された。
フランスのメゾン、サンローランが立ち上げた映画会社、サンローランプロダクションの製作による本作は、ペドロ・アルモドバル監督、イーサン・ホークとペドロ・パスカル出演の「ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ」に続く短編作。ゴダール自身をして「最高傑作だ」と言わしめた本作は手書きの文字、絵、写真そして映像がコラージュされ、音楽やナレーションがひとつになった、比類なき独創性とインパクトを持つ、ゴダールの芸術の集大成とも言える20分の作品だ。
予告編は、製作を担ったサンローランプロダクションに映画の話を持ち掛けた時期からの、本作が生まれた経緯を振り返っている。ゴダールに一番近いスタッフだったファブリス・アラーニョは「『イメージの本』(2018)以降、ジャン=リュックはシャルル・プリニエの「偽旅券」(1937)という多くの章からなる小説の翻案を望んでいました。それぞれの章には、1917年の10月革命から1930年代の間に生きたさまざまな人物の存在が認められます。彼の考えは、そのなかの2人に焦点を当てて物語を発展させることで、そのうちの1人の名はカルロッタでした」と述懐し、ゴダール自身による「ちょうどプリニエが政治と革命という昔の情熱に回帰したように、また映画が作れるだろうか」という呟きで幕引きとなる。
2月23日から新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷で公開。
―蓮實重彦(映画評論家)
―堀潤之(映画研究者)
輝き / 10年後の素顔に驚かされる /サンローラン / 遺書 / 市場なきクール /
最短の最高傑作 / これこそがコラージュ / これこそが反資本主義 /
―菊地成孔(音楽家・文筆家・「ラディカルな意志のスタイルズ」主宰)
―万田邦敏(映画監督)
(C)SAINT LAURENT - VIXENS - L'ATELIER - 2022
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