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解説

ヌーベルバーグの巨匠ジャン=リュック・ゴダールが、暴力・戦争・不和に満ちた世界への怒りを、様々な絵画・映画・文章・音楽で表現した作品。過去人類がたどってきたアーカイブの断片を中心に、新たに撮り下ろした子どもたちや美しい海辺などの映像を交えながら、ゴダール特有のビビッドな色彩で巧みにコラージュ。5章で構成され、ゴダール自らがナレーションを担当した。2018年・第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、特別に設けられた「スペシャル・パルムドール」を受賞した。

2018年製作/84分/G/スイス・フランス合作
原題:Le livre d'image
配給:コムストック・グループ
劇場公開日:2019年4月20日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第71回 カンヌ国際映画祭(2018年)

受賞

コンペティション部門
スペシャル・パルムドール ジャン=リュック・ゴダール

出品

コンペティション部門
出品作品 ジャン=リュック・ゴダール
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(C)Casa Azul Films - Ecran Noir Productions - 2018

映画レビュー

2.0延々とピカソの絵を見せられたかのような、しかし凄いものを見た衝撃は残る

2024年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

 どう捉えればええんやろう。

 のっけから何がしたいのかわからない。流れる映像は古今東西ありとあらゆる映画・映像のワンシーンを、時には逆光や色彩をどぎつい色に変え、紡いでいく。監督自らのナレーションで映像にセリフをかぶせる。しかし、その意図、その構図、それよりまずこの映画のテーマはなんだ?いったい何がしたいのかすらも分からなくなってくる。見てる映像と同じくらいに自分の頭も混乱する。ここまでくれば何かのアートだ。シュールで、わけのわからない、ピカソが作ったような作品だ。

 その中で自分なりに考えた本作のテーマ。それは、

「資本主義への批判」

 本作は暴力描写や戦争の描写が、何の脈絡もないのによく出てくる印象だ。しかも戦争を自然の摂理と表すると捉えれるセリフがあり、最初は戦争に対してなにか言いたいのかと感じた。だがどうも人が利益の追求のために動いている。利益の為には法すらも存在しないと思わせる描写もある。戦争もよく考えれば利益の追求からやし、上の者と下の者の差を描写している、社会主義に対しての批判は少ない感じを受ける。その断片的なものを自分なりに集め展開していくと、どうやら資本主義のこの世界を批判しているんやないだろうかと、自分は思った。

 そういえば本作の監督:ジャン=リュック・ゴダールは一度商業映画と決別し、商業映画を作ることを止めている。アメリカ映画ばかり席捲している世界に対する批判の現れとのことだが、利益を追求することに対して批判的な立場であったと思う。そう考えれば、監督は資本主義に対して批判的であるのではないか?

 でも、想像の域は出ないなぁ。どんなけ想像力をかきたて、なんとかしてこの足りない頭でこの映画を読み取ろうとしても、想像の域は出ないんじゃないか?そこにこの映画のタイトル。もしかしたら、もっと違う見方があったのか?ストーリーなんてない。道順たどる必要はない。つまり考えを指定していない。この映画は発想に対しては自由だ。どんな発想でもいい。もしかしたら何度も見ることでその都度違う視点に出会えるかもしれない。それを狙っているのか。それも想像の域を出ない。

 だが一つだけ言える。

「こんな映像表現は見たことない」

ただただ思う。なんかすごいものを見ている。何かがわかればいいのだが、言葉にできない。その感触だけしっかり実感することができた。もう一度見たいかと言えば“もういいや”と思うが、もし見る機会があるのなら、もう一度考えて見てみたい。もっと考えれることがあるはずだ。そんな感じがする。そう思う時点で、この映像表現はすごいと思うのだ。

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asukari-y

4.0ゴダールはここから見ればわかるかも。

2023年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2018年。ジャン=リュック・ゴダール監督。言語批判、西洋批判、映画批判について、言語と言語過程、言語とイメージの対比、西洋中心主義とアラブの対比、映画作りの過程、表象の暴力、などのテーマを設定して、過去の作品のような性急さではなく、丁寧に表現されている。いつものように引用元はわからないが、それでも理解が可能になるようにできている。日本映画としては溝口健二「雨月物語」が引用されていただけだった気がする。これが公開されたものとしては最後の作品になってしまった。ユリイカの特集を読破した後に再見したので感慨もひとしお。追悼。

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文字読み

2.0遺作だもの。

2023年1月5日
PCから投稿

2022年に安楽死したゴダールの、結果として遺作。理解不能なるイメージの断片は、カンヌにして「棚上げなる名誉賞」的に対応。おおまかには、ゴダールが60年代後期に毛沢東思想や、原理主義的なマルクス主義思想から迷い込んだ「達成不能な理想郷を実現するために不断の革命を続ける」という、自家中毒にも似た癌化した純粋な現実否定主義の迷路を、フィルムに焼き付けるとこうなる。という作品だと想像する。いつかは観なければならないと思っていたので、Amazon配信に感謝。

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t2law

1.0チンプンカンプン

2022年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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odeonza