「カウリスマキ史上最高にロマンチックな映画」 カンヌ審査員賞受賞「枯れ葉」予告&ポスター完成
2023年10月31日 08:00
第76回カンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞した、アキ・カウリスマキ監督最新作「枯れ葉」の予告編と日本版ポスタービジュアルがお披露目。ぎりぎりの生活を送りながらも、生きる喜びと人間としての誇りを失わずに生きる労働者たちの日常が真っ直ぐに描かれている。
2017年、「希望のかなた」のプロモーション中に監督引退を宣言したカウリスマキ監督。それから6年を経ての復帰作「枯れ葉」は、孤独を抱えて生きる女と男が、人生における最初で最後のかけがえのないパートナーを見つけようとする心優しいラブストーリーだ。労働者3部作(「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」「マッチ工場の少女」)に連なる“4作目”として発表された。
カンヌ国際映画祭のほか、国際批評家連盟の年間グランプリに輝き、アカデミー国際長編映画賞部門のフィンランド代表にも選出された。本国フィンランドでは9月15日に公開され、カウリスマキ監督最大のヒット作「過去のない男」をしのぐオープニング観客動員数を記録した。
予告編では、理不尽な理由から仕事を失ったアンサと、酒に溺れながらもどうにか工事現場で働いているホラッパが、カラオケバーで出会い、徐々に距離を縮めていく。「カウリスマキ史上最高にロマンチックな映画」(AWARDS WATCH)という評価も。姉妹であるフィンランドのポップデュオ「マウステテュトット」の歌う楽曲「SYNTYNYT SURUUN, PUETTU PETTYMYKSIN」(悲しみに生まれ、失望を身にまとう)が、おかしみと切実さに満ちたラブストーリーを彩っている。
ポスターでは、温かな灯りのなか、食卓で見つめ合うアンサとホラッパの姿と、「愛を、信じる」というキャッチコピーを配置。「過去のない男」以降、カウリスマキ作品を担当している大島依提亜氏が、デザインを手がけた。
主演は、カウリスマキ映画には初出演となるふたり。「TOVE トーベ」でムーミンの作者トーベ・ヤンソンを演じ、注目を集めたアルマ・ポウスティがアンサ、「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」で高い評価を得たユッシ・バタネンがホラッパに扮した。それぞれの友人役として、ともに「希望のかなた」に出演したヤンネ・フーティアイネン、ヌップ・コイブが共演し、カウリスマキ映画には欠かせない名優“犬”も登場する。
なお本作の公開にあわせ、長らく廃盤だったキャリア総括Blu-ray BOXが、プライスダウンで再発売。「キートス!! カウリスマキBlu-ray BOX Part1」「キートス!! カウリスマキBlu-ray BOX Part2」(各Blu-ray4枚組/各税込1万3200円)が、12月6日に発売される。
「枯れ葉」は、フィンランド映画祭2023(11月11日~17日)で、11月12日に先行上映。12月15日から、東京・ユーロスペースほか全国公開される。