綾野剛「皆さんに届けたい映画が出来上がりました」 主演作「花腐し」完成に笑顔
2023年10月2日 14:00
俳優の綾野剛が10月1日、東京・テアトル新宿で行われた主演映画「花腐し」の完成披露舞台挨拶に登壇。満員の観客の拍手に迎えられた綾野は「皆さんに届けたい映画が出来上がりました」と笑顔で映画の完成を報告した。
本作は、映画「火口のふたり」などの荒井晴彦監督が、芥川賞を受賞した松浦寿輝の同名小説を実写映画化。廃れつつあるピンク映画界で監督をしている栩谷(綾野)と、脚本家を目指していた伊関、女優の祥の人生が交差していく姿を描く。この日は、伊関役の柄本佑、祥子役のさとうほなみ、荒井晴彦監督も登壇した。
今年開催された第48回湯布院映画祭で上映された本作。映画祭には荒井監督、柄本、さとうが来場したが、さとうが「独特の映画祭。観ていただいた方から直接質問を受けるなど、とても面白かった」と笑顔を見せると、柄本も「上映が終わった後、1時間半ぐらいシンポジウムがあるんだよね。今回はそうでもなかったけれど、結構辛辣な意見もあって」と苦笑い。
今回参加できなかった綾野は「シネフィルと対話することで得られることも多いんでしょうね。行きたかった」と残念そうな表情を浮かべると、荒井監督は「多数決をとられて大変だった」とぼやき節を披露する。
綾野は「脚本の段階で完成されていた。それを実写化するのに畏怖があった」と正直な胸の内を明かすと「でもその怖さ以上に、荒井組の中に飛び込みたいという思いと、佑くんとほなみさんと一緒に過ごしたいという気持ちが勝った」と作品に向き合った。
これまで作品を共にしたことがあったが、ここまで対峙するシーンを共にしたことがなかったという綾野と柄本。綾野は「佑くんのファンということもあった」と憧れに近い感情があったというが「本読みで迷わず出てくる表現に圧倒されてまずいなと思ったのですが、すぐに何回も共演しているような自然の関係になれました」と感謝。
柄本も「僕も本読みの段階で、荒井監督のセリフと綾野さんの親和性の高さにびっくりして、やばいと思ったんです」と同じ感情を抱いたことを明かすと「初めてとは思えないぐらいすんなりとやり取りができました」と相性の良さを強調していた。
そんな二人と対峙したさとうは「わたしはお二人のファンだった」と羨望の眼差しを向けると「その場の空気感を楽しんでいるような二人が印象的でした」と撮影を振り返り、「綾野さんとはアクションみたいな絡みのシーンがあるのですが、都度アドバイスをしていただいて心強かった」と感謝を述べていた。
綾野は「皆さんに届けたい映画が出来上がりました」と胸を張ると、「この日を迎えられて素直に嬉しい。どのように受け止めていただけるのか……ただただ楽しんでほしいです」と客席にメッセージを伝えた。
11月10日からテアトル新宿ほか全国公開。
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