第36回東京国際映画祭コンペティション部門に全15作品 日本からは「正欲」「曖昧な楽園」「わたくしどもは。」
2023年9月27日 16:50
第36回東京国際映画祭(10月23日~11月1日)のラインナップ発表会見が9月27日、都内で行われた。映画祭の顔となるコンペティション部門に、国内外から名を連ねるのは全15作品。日本からは、岸善幸監督の「正欲」、小辻陽平監督の「曖昧な楽園」、富名哲也監督の「わたくしどもは。」の3本が選出されており、会見に出席した小辻・富名両監督が映画祭への意気込みを語った。
今年のコンペティション部門は2023年1月以降に完成した長編映画を対象に、114の国と地域から1942本の応募があった(昨年は107の国と地域から1695本)。審査委員長を務めるビム・ベンダース監督をはじめ、アルベルト・セラ(映画監督)、國實瑞惠(プロデューサー)、チャン・ティ・ビック・ゴック(プロデューサー)、チャオ・タオ(俳優、プロデューサー)が審査員として、コンペティション部門の全15作品を審査する。
小辻監督は「国内外のすばらしい映画が集まる、日本を代表する映画祭。自分にとっては、雲の上の存在で、まさか参加できるとは」と感激した表情。生と死をめぐる2つの物語を、SF映画のような雰囲気で映し出す167分の大作で「物語を収束させるのではなく、実際の人生と同じく、複雑で漠然とした感覚で映画を作れたら」と着想を語り、「大きな舞台で、作品に関わってくれたスタッフ、キャストをより多くの人に知っていただければ」と期待を寄せた。
富名監督の「わたくしどもは。」は、記憶をなくした女性が、同じく記憶を持たない男と出会い、恋に落ちる幻想的なラブストーリー。小松菜奈と松田龍平を迎え、新潟県・佐渡島で撮影した本作について「土地から得たインスピレーションから映画を撮った。豪華な俳優陣だが、撮影の規模は小さな作品なので、この機会にワールドプレミアで、皆さんに見てもらえれば」とアピールしていた。
第36回東京国際映画祭は、10月23日~11月1日、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。オープニング作品は、ベンダース監督の最新作で、主演の役所広司が第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した「PERFECT DAYS」、クロージング作品は、山崎貴監督による「ゴジラ-1.0」が上映される。
世界の国際映画祭で注目された話題作や邦画の最新作などを上映するガラ・セレクション部門には、第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞した「哀れなるものたち」(ヨルゴス・ランティモス監督)をはじめ、「ネクスト・ゴール・ウィンズ」(タイカ・ワイティティ監督)、「ほかげ」(塚本晋也監督)、「首」(北野武監督)、「怪物の木こり」(三池崇史監督)など、全14本がラインナップされた。
また、小津安二郎生誕120年を記念した大規模な特集上映や関連イベント、「Nippon Cinema Now」部門で精力的に作品を発表し続けている城定秀夫監督の特集、昨年までのジャパニーズ・アニメーション部門からコンセプトを新たに再スタートするアニメーション部門など、多彩なプログラムが企画されている。
会見には、本映画祭のフェスティバル・ナビゲーターに就任した安藤桃子監督が駆けつけ、「映画は、我々の未来と人生を導いてくれるメディア。時代が変化するからこそ、変わらない本質が際立つと思うし、各国から東京にいらっしゃるゲストの皆さんと、いまの世の中、そしてこの先、どこに向かいたいのかを直接語り合いたい」と抱負を語った。
「正欲」(日本/監督:岸善幸)
「エア」(ロシア/監督:アレクセイ・ゲルマン・ジュニア)
「真昼の女」(ドイツ/スイス/ルクセンブルク/監督:バルバラ・アルベルト)
「西湖畔に生きる」(中国/監督:グー・シャオガン)
「曖昧な楽園」(日本/監督:小辻陽平)
「ゴンドラ」(ドイツ/ジョージア/監督:ファイト・ヘルマー)
「野獣のゴスペル」(フィリピン/監督:シェロン・ダヨック)
「ロングショット」(中国/監督:ガオ・ポン)
「ペルシアン・バージョン」(アメリカ/監督:マリアム・ケシャヴァルズ)
「ロクサナ」(イラン/監督:パルヴィズ・シャーバズィ)
「鳥たちへの説教」(アゼルバイジャン/監督:ヒラル・バイダロフ)
「開拓者たち」(チリ/アルゼンチン/オランダ/監督:フェリペ・ガルベス)
「雪豹」(中国/監督:ペマ・ツェテン)
「タタミ」(ジョージア/アメリカ/監督:ザーラ・アミール・エブラヒミ、ガイ・ナッティヴ)
「わたくしどもは。」(日本/監督:富名哲也)
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