内野聖陽、“春画”にハマる学者になる 色気ムンムン「春画先生」場面写真お披露目
2023年8月10日 12:00
内野が演じた主人公、“春画先生”こと芳賀一郎をとらえた7点。肉筆や木版画で人間の性的な交わりを描いた“春画”に魅入られた芳賀の、色気あふれる姿を見ることができる。
春画は平安時代から始まり、江戸時代に木版画技術の発達で全盛期を迎えた。鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川国貞ら著名な浮世絵師の多くが春画を手がけ、江戸時代では好色な男性のためのものではなく、身分を問わず多くの老若男女が愛好した。
超一流から三流まで多くの絵師、彫師、刷師たちが全画力と全精力を注いで真面目に人の性を“笑い絵”として表現したものが春画であり、幕府から禁止された禁制品だからこそ芸術の域に達し、庶民から大名までを虜にした。本作では長らく日本美術史のタブーとされながらも世界に誇る江戸文化の裏の華である春画の奥深い魅力を、異色の師弟コンビを通してコミカルに描く。
原作・脚本・監督は「さよならくちびる」「月光の囁き」の塩田明彦監督。内野のほか北香那、柄本佑、白川和子、安達祐実が共演する。なお春画については、これまで映画で扱う際も性器部分の描写は映倫審査でぼかし加工が必要だったが、本作は劇映画初となるR15+認証で、日本映画史上初めて無修正で浮世絵春画をスクリーンに映し出す。
将来への夢もないまま無為な日々を過ごしていた春野弓子(北香那)は、勤め先の老舗喫茶店で人目をはばからず春画をじっと見つめる中年男性(内野聖陽)と出会う。その男は弓子に春画とは何かを突然説き、詳しく知りたければ訪ねてこいと言い残して去る。
男の名は芳賀一郎といい、常連の変わり者の“春画先生”だという。芳賀は高名な春画研究家で、妻に先立たれてからは世捨て人のように春画の研究に没頭していた。春画に興味を覚え、芳賀に一目ぼれした弓子は彼の家を訪ね、美と興奮の坩堝の春画講座を受けるようになる。
芳賀が主催する「春画とワインの夕べ」で春画を嗜む人々を前に、その歴史や楽しみ方について熱く解説をする姿をはじめ、自宅で春画に夢中になり、笑いながら「春画大全」の執筆に励む“オタク感”あふれる様子も。
そのほか、喫茶店でやつれた表情を見せる芳賀、7年前の白スーツを着こなす若かりし芳賀、「春画とワインの夕べ」の帰路の車中で弓子に助言をする芳賀、真剣な面持ちで弓子を見送る芳賀など、まさに芳賀をさまざまな角度から凝視するような内容となっている。
映画公開と同時に放送に放送予定のTVドラマ「きのう何食べた?」とはまた違った、内野の存在感が楽しめるのも大きな見どころだ。
「変わり者で有名な春画研究者」で、“春画先生”の呼び名を持つ。妻に先立たれ、世捨て人のように一人研究に没頭するが、芳賀が執筆をしている「春画大全」の筆が思うように進まない日々を送っていた。
後に教え子となる春野弓子(北香那)との出会いをきっかけに、春画への探求心が急激に加速しているようで、話の途中に“春画メモ”をしたり、手に入れたい春画作品を追い求め音信不通になってしまったりと、春画のためなら手段を選ばず周りの人間を振り回してしまう一面もある。
しかし、一方で「春画大全」の編集者である辻村俊介(柄本佑)からは、「春画先生に出会うと、男も女も心のリミッターをはずされて、自分を開放することに躊躇が無くなってしまう」と評されるなど、変わり者だが魅力的な人物でもある。
映画「春画先生」は、10月13日から全国で公開。
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