本編になかったかもしれない名曲とは？　「リトル・マーメイド」から生まれた魅惑の3曲を紹介

2023年6月7日 13:00

ロブ・マーシャルが監督を務め、新鋭ハリー・ベイリーが人魚アリエルを演じる実写版「リトル・マーメイド」が、6月9日に公開されます。この記事では、ディズニー映画28作目の長編アニメーションとして製作され、多くのファンを魅了した「リトル・マーメイド（1989）」の魅力的な楽曲3曲をご紹介。公開当時、アニメ映画史上ナンバーワンの大ヒットを記録した本作では、「アンダー・ザ・シー」が第62回アカデミー歌曲賞を受賞。音楽を手がけた“ディズニー音楽のレジェンド”アラン・メンケンが、作曲賞にも輝いています。

アリエルの恋と冒険を色鮮やかに描いた本作の音楽は、ロック、レゲエ、バラードを織り交ぜた、ディズニーらしいポップな楽しさが大きな魅力になっています。アリエルはもちろん、カニのセバスチャンや、タイのフランダーなどユニークなキャラクターたちの歌唱にも注目です。

●1.「パート・オブ・ユア・ワールド」（Part of Your World）

人間の世界に憧れる好奇心旺盛なアリエルが、こっそり集めた陸のものに囲まれながら、「ダンスしたい」「お散歩したい」といった新たな世界への願望を歌い上げる楽曲。叶うはずのない切ない願いを歌う姿は、夢を実現させるためなら、どんな危険に飛び込んでいくアリエルの前向きな性格を象徴しています。「ねぇ、これ欲しい？　20個もあるの」「なんて言った？　あ……、足」など語りかけるような歌詞も、アリエルの可憐な魅力を引き出しています。

実はこの名曲、公開前には、本編から外すことも検討されていたという驚きのエピソードも。その舞台裏は、作詞を担当したハワード・アシュマンの人生に迫るドキュメンタリー「ハワード　ディズニー音楽に込めた物語」（ディズニープラスで配信中）で語られています。

●2.「アンダー・ザ・シー」（Under the Sea）

セバスチャンが、エリック王子に恋をし、「人間になりたい」と願うアリエルを引き止めようと、何不自由ない海の生活の豊かさを歌い上げ、「あっちじゃ、働くだけ。朝から晩まで」と、人間世界で待ち受ける苦労を伝えようとする楽曲。海の仲間たちの大合唱に、思わず心が踊る楽曲ですが、彼らの奮闘もむなしく、歌が終わる前に、アリエルは去ってしまいます。

●3.「キス・ザ・ガール」（Kiss the Girl）

海の魔女アースラとの禁断の取引で、美しい声と引き換えに、3日間だけ人間に変身したアリエル。期限の日没までに、エリック王子とキスを交わさなければいけない“賭け”に勝つため、お目付け役のセバスチャンは、水辺の動物たちを集めて、ムード満点の「キス・ザ・ガール」を歌い上げ、ロマンチックな雰囲気で、ふたりのキスを後押しします。ところが、海の覇権をアリエルの父である王トリトンから奪おうと企むアースラが、部下のジェットサムとフロットサムを送り込み、彼らの妨害によって、キス作戦は失敗に終わってしまいます。

本作でアカデミー作曲賞を初受賞したメンケンは、「美女と野獣」「アラジン」「ポカホンタス」など、現在までに4度オスカーに輝いています。

「リトル・マーメイド（1989）」は、ディズニープラスで配信中。