是枝裕和監督、カンヌで北野武監督とツーショット写真「学生に戻った」と感激
2023年6月2日 20:44

第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、脚本賞とクィア・パルム賞の2冠に輝いた「怪物」が6月2日、全国341スクリーンで封切り。東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで初日舞台挨拶が行われ、是枝裕和監督と脚本賞を受賞した坂元裕二、出演する安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、角田晃広、中村獅童が登壇した。
本作でコンペティション部門への出品は7度目を数える是枝監督。今回の現地滞在は、15日間に及び「最高の滞在でした。こんなに長くいられたのは、初めて」と充実した表情を見せた。現地でのハイライトは、カンヌ・プレミア部門で披露された「首」の北野武監督とのツーショット写真撮影だったと明かし、「感動しました。そこに写っている自分が、学生に戻ったみたいな立ち方をしていて(笑)」と照れ笑い。ビム・ベンダース監督(「Perfect Days」)、ケン・ローチ監督(「The Old Oak」)らとも対面し、「会いたい人に会えました」と満足気だった。

一方、坂元は、先日報じられたカンヌでの“腹痛事件”について、角田から「あのニュース、何ですか?」とツッコまれ、思わず苦笑い。それでも「30年前、遊びに行き、遠巻きにレッドカーペットを見ていたカンヌ国際映画祭に、是枝監督に連れていってもらい、実際に(レッドカーペットを)歩くことができ、忘れていた30年来の夢を叶えてもらった」と感無量の面持ちで、「上映後も想像以上の反応をいただき、恐縮しながら、胸がいっぱいになりました」。舞台挨拶では、脚本賞のトロフィーを、観客や出演者たちにお披露目し、大きな拍手を浴びていた。

「万引き家族」に続き、是枝組でのカンヌ入りを果たした安藤は、「前回はパッと行って、帰ってきたので、今回は映画祭全体を感じることもできた。授賞式の場にいられるのは、すばらしい瞬間で、ものすごいことだと実感した」と今も興奮を抑えきれない様子。永山は「レッドカーペットで『是枝~』という呼びかけが、『これ、瑛太~』に聞こえて、振りむいたら、誰も見ていなくて(笑)。恥ずかしい思いをしました」と笑いを誘った。
黒川は上映後、カンヌの町を歩いたといい「いろんな人から、『コングラチュレーション』とか『アイ・ラブ・ユア・フィルム』と言われて、すごくうれしかった」と現地での貴重な経験を報告。柊木は「あちらの皆さんは、陽太の“ひ”の発音が難しいみたいで、“いなた”と呼ばれることも。サニーに名前を変えようかなと思った」と大人顔負けのコメントで、客席を沸かせた。


北野監督とともに「首」チームとして、カンヌ入りした獅童は、「共演する大森南朋さんと、ホテルの前のビーチ沿いでやっていたパーティーに行ってみたが、晴れやかなノリについていけず、帰ってきました(笑)」。北野監督と是枝監督が写真を撮影する様子も目撃したそうで「すごいツーショットだなと思った」と話していた。
この日の登壇者のなかで、唯一、カンヌ国際映画祭への参加が実現しなかった角田だが、是枝監督から「セリフの間合いの取り方、画面の中のポジション取りがすごく上手で的確。天性のものがあります」と絶賛され、大喜びしていた。
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