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4年ぶりのカンヌ映画祭 天候が不順、映画も微妙だが……【映画.com編集長コラム】

2023年5月25日 19:00

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2019年以来、4年ぶりにカンヌ映画祭にやって来ました。今年(2023年)は、是枝監督の「怪物」や北野武監督の「」などなど日本映画の出品も多く、当然ながら日本からも大勢の映画関係社が参加しています。

ハリウッド映画にしても、「インディ・ジョーンズ」の新作のワールドプレミアが行われたり、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオの新作「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」の上映があったりで大変な盛り上がり。

これは、レッドカーペット周辺でディカプリオの登場を待っているギャラリー。もの凄い人だかりです。そりゃみんな一目見たいですよねえ。私は早々に現場を引き揚げたので、この写真にディカプリオは写っていません。

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映画.comではスタッフ・キャストの取材案件については、パリ在住のジャーナリスト佐藤久理子さんにお任せしています。私はといえば、映画を買い付ける人たち向けの「バイヤーズパス」を取得して、日本ではなかなか見られないエスニックな映画やドキュメンタリーを探して鑑賞する日々を送っていました。

しかし、今年はあんまり面白い映画が見つかりません(コンペ作品は見ていません。あくまでマーケットの作品に限った話)。「これは!」というのをリストに見つけても、それは私がカンヌを離れた後の上映しかないんです。めぐり合わせも今ひとつでした。10本ほど見た中で、ここでご紹介したい映画は1本もなかった。現地で遭遇した日本のバイヤー(配給会社の方々)たちも、皆同様に「今年は今イチ」との意見を述べていました。

やはり、コロナの影響とみて間違いありません。もちろん、スタッフやキャストが集まらないので物理的に撮影できない事態については想像できますが、業界紙によれば、保険会社がパンデミックの渦中リスクを引き受けない、つまり保険の提供を拒否したケースが2020年から2021年にかけて400件以上もあったとのこと。保険が下りないと、金融機関は製作資金を供給しませんので、映画は製作中止になってしまうということですね。今年のカンヌのマーケットが不作だった理由が理解できました。

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見る映画、見る映画、あまりに微妙なので、滞在最終日は映画祭をドロップアウトし、カンヌからアンティーブへと移動してピカソ美術館を堪能してきました。南仏はピカソ以外にも、マティスやシャガールなんかが住んでいたことで有名です。直近では、フェルナンド・ボテロがモナコに住んでいますよね。気候が温暖な上に風光明媚なので、色んなアーティストが集まって来るんですよ。5年ぐらい前に、コートダジュール半日ツアーに参加したことがあるんですが、「あの丘の上が、エルトン・ジョンの別荘ですよ。こっちに見えるのは、U2のボノの別荘ですね」なんて具合に、車窓からセレブの別荘案内をしてもらったことを思い出しました。

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それにしても今年は、天候も雨天続きでとても残念でした。大体、朝方から午後まではずっと雨で、夕方になって雨が上がるというループが続いていましたね。

とはいえ、4年ぶりのカンヌはやはりゴージャスでした。例えば、プロムナードで展開していたワーナー・ブラザースの100周年のパネル展示。キューブリックやイーストウッド、「マトリックス」や「ブレードランナー」に「バットマン」などなど、写真のクオリティが素晴らしかった。これは、今年の東京国際映画祭なんかでも同様の展示をやって欲しいなと思います。

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以上、個人的には収穫の乏しかったカンヌ映画祭2023ですが、それでもカンヌは世界の映画祭の中でも別格であるという事実に改めて気付かされました。映画祭のパッケージとしては元に戻っています。町の雰囲気も賑わいもコロナ前と変わりません。そして恐らく来年には、映画のクオリティも元通りになっていることでしょう。

その前に、今年のパルムドールの発表は5月27日です。こちらも楽しみです。

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