庵野秀明監督「シン・仮面ライダー」続編構想を明かす 退場時に約20秒、深々と頭下げる
2023年4月9日 15:07
庵野秀明が監督・脚本を務める映画「シン・仮面ライダー」の大ヒット御礼舞台挨拶が4月9日、東京・丸の内TOEIで行われ、池松壮亮、浜辺美波、柄本佑、森山未來、そして“本イベントのMC”として庵野監督が出席した。
1971年に放送開始となった特撮テレビドラマ「仮面ライダー」(原作:石ノ森章太郎)をリスペクトしながらも、新たなオリジナル作品として映画化された本作。本郷猛/仮面ライダーを池松、緑川ルリ子を浜辺、一文字隼人/仮面ライダー2号を柄本、そして緑川イチロー/チョウオーグ/仮面ライダー0号を森山が演じた。
イベントが開始されるや、ステージには進行台本を手にしたスーツ姿の庵野監督が登壇、「本日はお忙しい中、わざわざどうもありがとうございます。本日、“司会進行”を務めます庵野秀明です」と挨拶すると、ドッと沸いた会場内。「今日は時間が決まっているんで、サクサクいきます。キャストの皆さんどうぞ!」という庵野監督の呼びこみとともに、池松、浜辺、柄本、森山らキャスト陣が登壇した。
「段取り的にはこれから質問コーナーなんですけどね」と語る庵野監督の姿に、会場からはクスクス笑いが。そんな中、「もともと今日は、サブMCという方がいらっしゃるはずだったんですが、もう(庵野監督が)オンリーで立っていらっしゃる?」と尋ねた森山たちに、「いや、僕が今日、全部やるの」と力強く返した庵野監督だったが、奥浜レイラ氏が“影ナレのサブMC”として庵野監督の司会進行をしっかりとサポート。していた。
とはいえ、庵野監督が「段取りがないんでね」と語る通り、自由な進行で進められたこの日。「現場はどうでした?」という質問からキャスト陣が撮影時の話を膨らませたり、逆にキャスト陣から庵野監督に質問を投げかけたりと、キャスト陣も“司会・庵野秀明”を盛りたてようと、一丸になって舞台挨拶を進めた。
森山が「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』も終わり、ヒーローシリーズ(「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」)もひと段落ということで。この先は司会業としていくということですか?」と冗談めかすと、笑いに包まれた会場内。庵野監督も「しばらくはバイトで暮らしていこうかなと」と冗談めかしつつも、「でも本当に次回作が決まっていないんですよ。三十数年ぶりに白紙の状態で。(温めてきた企画も)全部白紙にしています。働き過ぎて、もう休みたいですね」と正直な思いを吐露した。
さらに柄本が「続編の構想が気になったんですけど、今(次回作が)ないと言われたからどうなのか」と戸惑いながら疑問をぶつけると、「企画は、これの脚本を書いた時からあります。最初に続編が可能なものにしようと思っていたからああいうラストになった。現実的には白紙なんですけど、構想的には残っていますね。東映さんからやってくれと言われれば、それもある話かもしれませんが」と明かしていた。
続編のタイトルはすでに決まっているとのことで、「仮面之世界と書いて、マスカーワールドと読む。石ノ森先生の原作を読んでいる方ならピンとくるかもしれません。プロット的には日本政府がショッカーの……」と内容を具体的に話し始め、「そんなに話していいんですか?」と驚いたキャスト陣。だが庵野監督は意に介さずに、「人工知能アイと同じレベルの人工知能を開発して。そしてショッカーに入った官僚と政治家がそれを利用して、いろいろやろうと。そしてそれと戦うライダー。そして政府の男と、情報機関の男は政府よりなんで、さあどうする。そういう話を考えております」と構想の一端を明かしていた。
終盤には、「最後にスタッフを代表して僕からひとことお礼を言っておきたいと思います。本当に現場は大変だったので、こうして直接皆さまにお会いして、お礼を言える機会があって本当に良かったです」と語った庵野監督は、「今はありがとうございました、としか言えないですが、監督としては皆さんにこうしてご覧いただき、なおかつすごくいい感想をいただいて。本当に作って良かったなと。あと僕の場合、何かを作ると本当にいろいろと言われてしまうんで。それも正直つらいんですけど、でもこうして直接皆さんに、あとライブビューイングでご覧になっている皆さんにお礼を言うことができて本当に良かったです」と謝意。そして最後に「今日は僕個人として、心救われました。ありがとうございました」とあらためて感謝のコメントを寄せ、会場からは大きな拍手が。そして退場時に庵野監督は、約20秒間ほど深々と頭を下げ、感謝の気持ちを表していた。
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