アルジェリア初のアニメ映画&ひとりで作った切り絵コマ撮り 新潟国際アニメーション映画祭コンペ作監督会見
2023年3月20日 15:00

新潟市で開催中の「第1回新潟国際アニメーション映画祭」で3月19日、コンペティション部門に選出された「カムサ 忘却の井戸」のヴィノム監督と「森での出来事」のエリック・パワー監督による会見が行われた。
「カムサ 忘却の井戸」は、砂漠の街の深い井戸の中で、記憶をなくした少年が出会った神秘的な女性に導かれ過去を旅する物語で、アルジェリア初のアニメーション映画だ。押井守監督の大ファンだというヴィノム監督は、「押井さんの映画に出てくるような日本の街並みを自分の目で見られて感激しています。信濃川が美しく、自分がアニメーション映画の中にいるような気分です」と初来日の感想を語る。押井監督作品ではとりわけ「天使のたまご」が好きだそうで、「物語も面白いですが、雰囲気やリズム、音楽も素晴らしく、今回の私の作品のインスピレーションにもなりました」と明かす。

これまでCMディレクターとして活躍し、長編デビュー作となる今作は、アラブ人の支配を受ける前の北アフリカに居住していた先住民族ベルベル人の文化、文字や建築などを取り入れた。「ベルベル人は砂漠の民族です。彼らが使ったティフィナグ文字が、まるで魔法のシンボルのように見えたのです。今回の映画のためにベルベルの文化の調査を重ねて、文字や建築、タトゥーなどこの映画の雰囲気を作る重要な柱になっています」と語った。
アルジェリアでも日本のアニメーションは大人気だそうで、アラビア語に吹き替えられた「鉄腕アトム」「母を訪ねて三千里」「ジャングル大帝レオ」がテレビ放送され、「シティーハンター」など日本アニメを紹介するフランスの人気番組を見たり、フランス語に翻訳された漫画を読むこともできたという。「エヴァンゲリオン」シリーズや今敏監督作、ジブリ作品、「ベルセルク」、そして数々のゲームなど、数えきれないほどの作品名を挙げ、日本カルチャーへの愛を表現していた。

パワー監督の「森での出来事」は、森に迷い込んだ主人公が、子ども時代の思い出、やり残した過去を振り返りながら出口を探しさまようさまをビビッドな色彩の切れで表現した。緻密な作業が必要なコマ撮りアニメーションをひとりで完成させることの苦労を問われると、「私にとって3つ目の映画なので、すでに何が起こるか予想できました。フリーランサーとして、MV制作や短編アニメの仕事を受け、ぎりぎりの締め切りでやってきているので、自分の限界を知っています。だから、今回は、子どもと遊んだり、リラックスして制作できました」と振り返る。
パワー監督もヴィノム監督と同じく、押井守監督の大ファンだそう。「押井さんの名前を見つけたからコンペに応募しました。私がアニメを始めようと思ったきっかけは『攻殻機動隊』です。それまで僕は典型的なアメリカ人で、アニメは子どものものだと思っていましたが、大人に向けてもメッセージを伝えられる媒体だと分かったのです。『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』からも影響を受けています」と語る。そのほか、「子どもと一緒に観る作品という面でも、宮崎駿監督には影響を受けていて、ゆっくりなペースで作ろうと思わせてくれる。呼吸をしながら作っていく、そういう感覚になります」「ヴィノム監督と同じく、日本のゲームが大好きで、生まれながらのゲーマー」と好きなジャンルを挙げる。また、豚骨ラーメンを自作するほどのラーメン好きだそうで、初の日本、新潟で美味しいラーメン店をめぐっていると明かし、映画祭スタッフや記者を驚かせていた。
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