「ハムナプトラ」俳優が272キロの巨体になるまで 「ザ・ホエール」ハードな裏側を収めたメイキング公開
2023年3月9日 18:00

「ハムナプトラ」シリーズのブレンダン・フレイザーが主演を務めた「ザ・ホエール」のメイキング映像が披露された。272キロの巨体の男チャーリーを演じたフレイザーが、特殊メイクで“変貌”していくさまをとらえている。


「レスラー」「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督がメガホンをとり、A24が製作・配給をする本作。恋人を亡くしたショックに打ちひしがれ、現実逃避をするように過食を繰り返してきたチャーリー(フレイザー)が、自身の死期が近いと悟ったことで、離婚して以来音信不通だった娘エリー(セイディー・シンク)との絆を取り戻そうとする最期の5日間を描く。フレイザーは本作での熱演が評価され、第95回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートしている。
メイキング映像では、フレイザーがスタッフ2人の手によって、次第に肉付きのよいチャーリーに変貌していく様子がタイムラプスで切り取られている。このメイクにかかった時間は4時間超で、メイクの途中に寝落ちしてしまう姿も。

撮影期間はおよそ40日間に及んだそうで、フレイザーは毎回スタジオに早入りし、4時間かけてチャーリーになるための特殊メイクを施してから、余命幾許もなく身を削るような役を演じるという肉体的にも精神的にもハードな撮影を行っていた。

アロノフスキー監督は、272キロのチャーリーの姿は、人間として精神の極限状態であること、命を脅かすほど深刻な状態であることが伝わらなくてはいけないと考えていた。しかし、顔を分厚いメーキャップで覆いすぎて、さまざまな感情を示す表情が見えづらくなることを避けるため、「ファウンテン 永遠につづく愛」「ノア 約束の舟」などでも度々タッグを組み、絶大な信頼を寄せるプロセティック・メーキャップ(特殊メイク)アーティストのエイドリアン・ モロットに相談することに。

そして、モロットは本作のために100%デジタル技術による特殊メイクを開発した。体との境目が分からないようにし、フレイザーが顔の筋肉を自由に動かせるようにするために、3Dモデリングを使ってデジタル・スカルプチャーを作成。その後、クレイを使ったスカルプチャー作りを省いて、すぐに3Dプリントを行った。すべての特殊メイクをデジタル技術で作りだす方法は本作が長編映画初の試みとなり、本年度アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞へのノミネートへと繋がった。

また、ボディも同様にデジタル技術で制作が行われた。ファットスーツは5人がかりで着脱せねばならないほどの重みがあり、フレイザーは「あれを着た状態で動けるようになるまで、徹底的なトレーニングを行った。そんなところに筋肉があったのか、と思うような筋肉がたくさん鍛えられたよ。肉体的には今まで演じてきた役の中でもダントツでハードだった。若い頃、砂漠の中で走り回ったことなんて、これに比べればなんてことないよ(笑)」と、「ハムナプトラ」の撮影と比べる。
スーツの中には、F1ドライバーのクールスーツに使われているような冷却システムも内蔵されていたが、暑いことに変わりはなかったそう。最終的には、スーツを脱いだ際にバランスを失い、眩暈を覚えるほど体になじむようになっていたという。
「ザ・ホエール」は4月7日からTOHO シネマズ シャンテほか全国公開。
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