「マジック・マイク」最終章の監督が語る、圧巻ダンスシーン 目指したのは「ウエスト・サイド物語」名場面の競合
2023年3月2日 10:00

男性ストリップダンスの世界の裏側を描いた「マジック・マイク」シリーズの最終章「マジック・マイク ラストダンス」が、3月3日から公開される。このほど、本作のメガホンをとったスティーブン・ソダーバーグ監督(「エリン・ブロコビッチ」「オーシャンズ11」シリーズ)がオンライン取材に応じ、本作について語った。

シリーズ1作目「マジック・マイク」(2012年)は、人気俳優チャニング・テイタムが無名時代にストリップダンサーとして生計を立てていた実体験をもとにした作品。15年には続編「マジック・マイクXXL」(グレゴリー・ジェイコブズ監督)、その後、舞台「マジック・マイク・ライブ」が上演された。

最終章となる本作では、破産で全てを失い、長期間ステージから遠ざかっていた元ストリップダンサーのマイク(テイタム)が、資産家の女性マックス(サルマ・ハエック)と出会ったことをきっかけに、人生の再起をかけて、世界から集まったダンサーたちと一夜限りのラストショーに挑むさまを描く。

第2作を監督したグレゴリー・ジェイコブズは本作でプロデューサーを務めており、第1作を手掛けたソダーバーグが監督に復帰している。再び「マジック・マイク」シリーズの監督に戻ってきた理由は、テイタムが演出を務めた「マジック・マイク・ライブ」を見たことが大きなきっかけだった。
「『マジック・マイク・ライブ』のラフバージョンを見て、ロンドンで完成版も見たのですが、とても驚いて感動しました。すぐに自分のチームを呼んで、『マジック・マイク・ライブ』の映画を作ろう、なぜ主人公がライブショーを作るに至ったのかを映画で描こうと話しました。舞台にあまりにも感動したので、自分がその一部に入りたいという思いもありました」

本作の最大の見どころは、マイクが世界中のダンサーと共に繰り広げる、ラスト30分のダンスシーン。ヒップホップ、ジャズ、クラシックバレエなど、さまざまなジャンルのダンサーが次々と圧巻のダンスを披露していく。
ソダーバーグ監督は「これまでの映画の全てをかけた」とコメントしており、実際に「マジック・マイク・ライブ」の公演が行われたロンドンのレスター・スクエアで撮影が行われた。

このダンスシーンの参考にするため、撮影中には自身が好きだというさまざまなミュージカル映画を見たそうだが、「誰も『ウエスト・サイド物語』の『アメリカ』のダンスシーンを超えることはできないと思います。あれ以上複雑にすることはできないし、あれ以上複雑にするとバラバラになってしまう。誰も敵わないシーンです。なので、自分なりに『アメリカ』と競合するようなシーンが作ることができるのかを考えて、水を使ったダンスを思いつきました」と、雨が降り注ぐ演出のなか繰り広げられる、マイクと女性ダンサーの官能的なダンスシーンを挙げる。
「ダンス中にマイクとマックスのこれまでを編集で入れています。そうすると、今までのダンスシーンとは違う時間の流れが入る。私なりのやり方で、『アメリカ』に匹敵するダンスシーンを作りたいと思って考えた演出です」

そのほか、撮影前にはボブ・フォッシー監督の「キャバレー(1971)」「オール・ザット・ジャズ」「スイート・チャリティ」などを見たそうで、「そういった作品を見ながら、自分のなかのアイデアを探していました。自分はこの逆をやろうとかアイデアを練っていった。アメリカの監督がミュージカルを作るとしたら、特にボブの映画は見ないといけないし、ある種関係性を持たないといけないと思っています」と話した。
「マジック・マイク ラストダンス」は、3月3日から全国公開。
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