キャバレー(1971)

解説

ドイツにヒットラー率いるナチズムが台頭した頃、芸能の世界も一種の退廃の極みに達しようとしていた。そんななかで1人前のボードヴィリアンを夢みる少女の芸と恋の青春を鮮やかに描く。製作はサイ・フュアー、監督およびダンス振り付けは「スイート・チャリティ」のボブ・フォッシー、原作はジョー・マステロフのミュージカル劇「キャバレー」およびジョン・ヴァン・ドルーテン作の舞台劇「私はカメラ」並びにクリストファー・イシャーウッド作ストーリー集による。脚色はジェイ・アレン、ヒュー・ホイラー。撮影はジョフリー・アンスワース、音楽はジョン・カンダー、歌詞フレッド・エッブ、編集デイヴィッド・ブレザートンが各々担当。出演は「くちづけ」のライザ・ミネリ、「ロミオとジュリエット」のマイケル・ヨーク、ジョエル・グレイ、ヘルムート・グリーム、フリッツ・ウェッパー、マリサ・ベレンソンなど。

1971年製作/アメリカ
原題:Cabaret

ストーリー

ミュージカルナンバーは 1.Willkommen (ウィルコメン) 2.Mein Herr (私の愛するあなた) 3.Tow Ladies (女が二人) 4.Maybe This Time (こんどはきっと) 5.Sitting Pretty (シティング・プリティー) 6.Tiller Girls (ティラー・ガールズ) 7.Money Money (お金が世界を廻してる) 8.Heiraten (Married) (結婚) 9.If You Could See Her (彼女を私の目で見られたら) 10.Tomorrow Belongs To Me (明日はわれのもの) 11.Cabaret (キャバレー) 12.Finale (フィナーレ) ベルリン。ナチズムが台頭してきた1930年初頭。小さなキャバレーの舞台ではMC(ジョエル・グレイ)が“Willkommen”を歌っている。スターを夢みるサリー・ボールズ(ライザ・ミネリ)は、このキャバレーの芸人だ。ある日、ロンドンからきた語学生ブライアン(マイケル・ヨーク)が、彼女のアパートに部屋を探しにきて、隣の部屋に移ってくることになった。ブライアンはやがてサリーの友人というドイツ人フリッツ(フリッツ・ウェッパー)に英語を教えることになった。ベルリンの街頭ではナチ党員の活動が目だつようになったが、ブライアンとサリーはそれに背を向け、2人の時を楽しんだ。やがてブライアンの英語の生徒に、美しい娘ナタリア(マリサ・ベレンソン)が加わった。フリッツはナタリアに熱を上げ求婚した。そしてサリーとブライアンにも新しい問題が起きた。金持ちでハンサムなマクシミリアン・フォン・ヒューナ男爵(ヘルムート・グリーム)が出現して、2人の間に奇妙な友情が結ばれようとしていたのだ。マクシミリアンは2人に豪華なプレゼントをして、お城に招いた。3人は田舎のビア・ガーデンに寄り、給仕たちが歌う“Tomorrow Belongs To Me”を聞いた。その頃、サリーは男爵夫人になるチャンスがあることを知ったが、ブライアンもまたマクシミリアンの“恋人”だった。サリーを愛しているブライアンはヤケのようにナチ党員と喧嘩をしたが、そんな彼をサリーはなぐさめた。そして、マクシミリアンはアルゼンチンに永住するという電報をよこした。やがてサリーは身ごもった。が、将来を考え中絶した。怒ったブライアンに、育児は自分にあわないと答えた。ブライアンはサリーの傷ついた心を知った。そしてベルリンを去る決心をした。2人の別れはさわやかだった。人ごみの中に消えてゆくサリーの後ろ姿を見て、ブライアンはサリーを本当に愛していることを知った。傷心のサリーはそれを吹き飛ばすように、豪快にそして時には哀しく、自分の全てを託して“Cabaret”を歌う。ブライアンが汽車に乗る頃、キャバレーではMCがにぎやかに“Willkommen”を歌っていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第45回 アカデミー賞(1973年)

受賞

監督賞 ボブ・フォッシー
女優賞 ライザ・ミネリ
助演男優賞 ジョエル・グレイ
撮影賞 ジェフリー・アンスワース
編集賞 デビッド・ブレザートン
編曲・歌曲賞 ラルフ・バーンズ
美術賞  
音響賞  

ノミネート

作品賞  
脚色賞 ジェイ・アレン

第30回 ゴールデングローブ賞(1973年)

受賞

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) ライザ・ミネリ
最優秀助演男優賞 ジョエル・グレイ

ノミネート

最優秀助演女優賞 マリサ・ベレンソン
最優秀監督賞 ボブ・フォッシー
最優秀脚本賞 ジェイ・プレッソン・アレン
最優秀主題歌賞
最優秀主題歌賞
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映画レビュー

5.0素晴らしい

2023年2月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

興奮

これまで未見であった作品。理由もなくただ見ていない大作を鑑賞し、その素晴らしさに触れることが出来るのも、これまた醍醐味。特に劇場で鑑賞出来たなら、もう何も言う事はない。

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shanti

4.0ナチス台頭が迫る様子と人生の短さを見事に重ね合わせたミュージカル ...

2023年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

幸せ

萌える

ナチス台頭が迫る様子と人生の短さを見事に重ね合わせたミュージカル
ライザミネリのサリーはもちろんの事、ブライアン、マックスとの三角関係、ジョエルグレイのMC
と暗い陰鬱とした雰囲気のキャバレーだがそこで歌い踊っていた人たちの魂だけは輝いていた

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UPtwHmNNLjBjFuAF

3.0サリーの舞台姿がたびたび

2023年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ハリウッド映画史のアイコンにもなっている本作
やっと食指が動いての初鑑賞。

夢に恋にと陽キャで邁進するサリーと何処其処となく漂ってくる陰鬱な空気
の対比が徐々に痛々しくなる
あまりミュージカルしてなくてドラマ部分を楽しめた
フォッシーの振り付けも見ていて楽しい
乗じて動画サイトのあったスイートチャリティーのダンスも個性的で面白かった。
地獄に堕ちた勇者どもを思い出す

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asa

3.0ライザ・ミネリを観る

2023年2月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

萌える

午前十時の映画祭12にて。
ナチズムが台頭してきた1931年、ベルリンの小さなキャバレーでサリー・ボールズは歌手として働いていた。ある日、ロンドンからブライアンが部屋を探しに来て、サリーの隣の部屋に移ってくることになった。ブライアンはドイツ人フリッツに英語を教え、その後、ナタリアも生徒に加わった。フリッツはナタリアに熱を上げ求婚したが宗教の違いで良い返事はもらえず。そして、サリーはブライアンの子どもかもしれない妊娠をしたが、将来の子育てを想像し中絶した。怒ったブライアンに、育児は自分に向かないと答えた。ブライアンはベルリンを去る事にした。そんな話。

ミュージカル、というほど歌や踊りが多い訳じゃなく、ストーリーがわかりにくいが、ナチスに迫害されるユダヤ人というのがすぐそこに迫ってる時期を描いたのはよくわかった。
アメリカ人のサリーがベルリンに来た理由はよくわからなかったが、自由奔放なサリーをライザ・ミネリが好演してた。
左頬の付けホクロは何の意味があったのだろう?
ライザ・ミネリの大きな瞳が印象に残った。

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共感した! 1件)
りあの
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