阪本順治監督×黒木華「せかいのおきく」予告完成 「この世界の片隅に」こうの史代が、おきくを描き下ろし
2023年2月9日 05:00

名匠・阪本順治監督が自身のオリジナル脚本を映画化し、黒木華が主演を務める「せかいのおきく」の予告編がお披露目。あわせて、「この世界の片隅に」で知られる漫画家・こうの史代氏による描き下ろしイラストを使用した、両A面の本ビジュアルも完成した。
本作は、江戸末期を舞台に、人と人の温もり、命の巡り、ひたむきに生きる若者たちを、鮮烈なモノクロ映像で描く物語。黒木が、寺子屋で子どもたちに読み書きを教えているおきく、寛一郎が紙屑拾いの中次、池松壮亮が下肥買い(しもごえがい)の矢亮を演じる。そのほか、阪本組常連の眞木蔵人、佐藤浩市、石橋蓮司が共演した。美術監督・原田満生が発起人となり、日本映画製作チームと世界の自然科学研究者が連携し、さまざまな“良い日”に生きる人々の物語を映画で伝えるプロジェクトの劇場映画第1弾として製作された。
予告編は、長屋で暮らす武家の娘・おきくと、中次と矢亮が出会う、雨宿りのシーンからスタート。身分の低さを理由に身を引きながらも、おきくへの思いを胸に秘める中次と、強気に振る舞う反面、中次へのいじらしい恋心を隠せないおきくが切り取られ、切ない恋模様が窺える。しかし、ある日、おきくは悲惨な出来事に巻き込まれ、喉を切られて声を失う。
映像では、身振り手振りで精一杯に気持ちを伝えようとするおきくを、黒木が繊細かつ感情豊かな演技で体現している。さらに、中次と、おきくの父・源兵衛(佐藤)が厠(寺所有の公衆便所)で鉢合わせ、タイトルにもある「せかい」という言葉にまつわる会話を繰り広げる、親子共演の場面も。辛く厳しい現実に挫けそうになりながら、それでも心を通わせることを諦めない若者たちが、墨絵のように美しいモノクロ映像で映し出されている。
両A面の本ビジュアルの片方には、「夕凪の街 桜の国」「この世界の片隅に」などで知られるこうの氏による描き下ろしイラストを配置。朝の光が差し込む長屋の裏路地で、桜色の着物を身にまとい、穏やかなほほ笑みを浮かべるおきくが、愛らしく温もりを感じさせるトーンで描かれている。もう片方の実写ビジュアルは、さまざまな企業の広告やアートディレクションを手がけ、「誰も知らない」「海よりもまだ深く」などの宣伝美術を担当した葛西薫氏がデザインしたもの。おきく、中次、矢亮の3人が厠の軒先で雨宿りをするシーンを写した、品格と風情をあわせ持つビジュアルに仕上がった。
こうの氏のイラストを見た黒木は、「墨絵のようなモノクロとは対照的な、こうのさんが描くカラーのイラストからは、おきくの真っ直ぐさや強さが滲み出ていて、また新たな世界観を感じられました。このようなかたちで描き下ろしていただくことは初めてなので、とても嬉しいです」とメッセージを寄せている。
「せかいのおきく」は、4月28日に全国で公開。
(C)2023 FANTASIA
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