日本版「パラサイト」山内圭哉、真木よう子、恒松祐里が“寄生される”裕福一家に 家政婦役はキムラ緑子
2023年2月8日 04:30
ポン・ジュノ監督作「パラサイト 半地下の家族」は、19年に韓国で公開。観客動員数は1000万人を突破し、第72回カンヌ映画祭では韓国映画“初”となるパルム・ドールを受賞。第92回米アカデミー賞では非英語作品として史上初の作品賞受賞のほか監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の計4部門受賞という快挙を成し遂げた。
日本版「パラサイト」は、映画「愛を乞う人」「焼肉ドラゴン」、舞台「泣くロミオと怒るジュリエット」などを手掛ける鄭義信が台本・演出を担当。物語の中心となる金田一家を古田新太、宮沢氷魚、伊藤沙莉、江口のりこが演じることが既に発表されていた。
今回明らかになったのは、高台の豪邸で暮らす永井一家の面々。山内は、次第に金田家に“寄生(パラサイト)”されていく永井家の主人・永井慎太郎役。実業家として成功しつつも、中身はまるで“土建屋の親父”という人物だ。真木は、美しく品もあるが天然な側面も持ち合わせる永井家の“奥様”・千代子役、恒松が娘・繭子役、キムラが物語のキーパーソンとなる永井一家の家政婦・安田玉子を演じることに。また、鄭の作品に多数出演し信頼の厚いみのすけは、舞台「パラサイト」のオリジナル登場人物に扮する。
「COCOON PRODUCTION 2023『パラサイト』」は、6月5日から7月2日まで東京・THEATER MILANO-Za (東急歌舞伎町タワー6階)、7月7日から17日まで大阪・新歌舞伎座で上演。新キャストのコメントとストーリーは、以下の通り。
あの衝撃作を舞台化するなんて、ウソでしょう!?」という驚きと共に、「どう立ち上げていくのか知りたい」という好奇心がムクムクと込み上げ、私自身が心から「観たい!」と思う舞台に参加させていただきます。富める者と貧しい者が二極化し、お金があるところにさまざまな人間が呼び寄せられ、パラサイトしていく――今の日本にも響くテーマを内包した作品をライブ空間で見せるために、どうしたらいいか想像つきません。道のりの遠さを思うと「観る側に回ればよかったなあ」と弱気になります(笑)。やると決めたからには、思いきりぶつかっていこうと思っております!
同世代である古田新太さんとの共演は、僕が所属する劇団「ナイロン100℃」にゲスト出演してもらった『下北ビートニクス』(1996)以来、なんと27年ぶり!そして映像で共演してきた方も多い座組みで、この豪華メンバーに加えていただき、まずは嬉しい気持ちでいっぱいです。そして初期作品から拝見し、これまで何作もご一緒している大好きな鄭さんの舞台に出られることにも、大きな喜びがあります。今回演じる役は、精神的にも体力的にもギリギリですが(笑)、鄭さんが「みのすけならできる」と思ってくださったからには、その期待に大いに応え、面白い作品になるよう頑張ります。どうぞご期待ください。
実は初めて『パラサイト』を観た時、「これを戯曲化したら面白いだろうな」と思いながら観たんです。でもまさか日本で上演するなんて、そして自分が参加できる日が来るなんて、想像だにしていませんでした。信頼する方ばかりが並ぶ座組みで、しかも、長年仲良くさせてもらっている古田さんとは、30年ぶりの共演。お互いなかなかに老いてから再びご一緒できることに、月日の流れを感じます(笑)。常に弱者からの視点を描いてきた鄭さんの手によって、必ずや、普遍的な物語であることを確認していただけるでしょう。「映画の方が絶対面白いちゃうん?」と思う方にこそ、観ていただければと思います。
すごい原作映画の舞台化、そして大先輩が並ぶビッグな作品で、嬉しくワクワクする気持ちと緊張する気持ち、両方がこみ上げています。人間の根っこにある感情を情熱的に描き、見るものの心を揺さぶり、燃え上がらせる、鄭 義信さんの作品に初めて参加させていただくことにも、とにかくドキドキしています。私が演じる裕福な家庭の女の子は、物質的な豊かさはあっても、世間を知らない普通の女子高生。若さゆえに胸に秘めた「誰かに認めてほしい」と思う気持ち、彼女のピュアな部分を大切に、まずは戯曲として心新たに、真剣に向き合っていきたいと思っております。
まずは映画『パラサイト』を日本で舞台化する企画自体にびっくりし、自分が参加させていただけることにダブルでびっくりしています。素晴らしい原作を前にプレッシャーはありますが、古田さんを筆頭に“愉快な仲間たち”が揃い、今から稽古場が楽しみで仕方ありません。鄭さんとは映画『焼肉ドラゴン』以来。撮影現場では優しい監督でしたが、風のウワサで聞くと舞台の稽古場では厳しく、 “鬼の演出家”だとか(笑)。こうして舞台でもご一緒できることに喜びを感じています。原作の良さを生かしながら“日本版”に置き換えられた、オリジナリティあふれる舞台。素晴らしい作品となるよう、私も尽力したいと思っております。
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