「日本の怪獣映画を愛してる!」ポケモンキャラから着想も 巨大殺人カブトガニ描く「キラーカブトガニ」監督インタビュー
2023年1月14日 10:00

放射能の影響で凶暴・巨大化した人食いカブトガニが巻き起こす惨劇を描いた「キラーカブトガニ」(1月15日まで期間限定先行配信中、1月20日劇場公開)。廃炉となった原子力発電所が爆破処理されたカリフォルニアのある海辺の町で、放射能の影響で凶暴化した殺人カブトガニがゴジラ並に巨大化し、町を襲うというモンスターパニック映画だ。「日本の映画、特に怪獣映画を愛してるんだ!」と話すピアース・ペロルゼイマー監督は、本作が長編監督デビュー作。6年の歳月をかけて完成させた映画について話を聞いた。

ありがとう! 製作はとても楽しかったよ。「我々が出来得る限りで最高に“楽しい”映画を作るのがこのプロジェクトの重要な点だ」と撮影初日にクルーに伝えたんだ。これまで監督を担当したことはなかったし、映画産業がいかに困難に満ちているかも知っていた。それでもこの映画を撮りたかったのは、自分が好きな映画の要素を詰め込められると思ったから。「グレムリン」風のクリーチャーが登場する映画、ジョン・ヒューズのプロムを題材にした映や90年代のティーンエイジャー向けコメディ、そして日本の怪獣映画。それらを全て作品に取り入れたんだ。自分が撮れる映画は生涯で一本だけかも知れないと思っていたから、撮りたいと思っていたものを全て集めて、一つのプロジェクトにしてしまうことに決めたんだ。
撮影に使用したカブトガニのプロップは、ビーチで見つけた脱皮した本物のカブトガニの甲羅なんだ。棘や隆起を強調するために少し粘土で手を加えて、爪も少し大きくして、口も少し怖い感じにしたけど、現実のカブトガニにすごく近い仕上がりになったと思う。実物のカブトガニの「カワイイ」のに「キモい」ところが好きで、その二面性を表現できる声を持たせたかったんだ。カブトガニの声優はラドゥ(チェイス・パジェット)だよ! ミドルサイズのカブトガニのデザインはポケモンのカブトプスからインスピレーションを得ているけど、「ジュラシック・パーク」のヴェロキラプトルみたいに動けるようにしたかったんだ(スーツの可動範囲を考えるとかなり難しいことだったけど)。元々この映画はもっとホラー寄りになる予定だったんだけど、スーツの動き方を見てコメディの方に寄せていこうと決めたんだ。

日本の映画、特に怪獣映画を愛してるんだ! 私の中のオール・タイム・ベスト5には「シン・ゴジラ」が入ってる。アメリカでの「シン・ウルトラマン」の公開もめちゃくちゃ楽しみにしてるよ。それ以外にお気に入りを上げると、園子温さんの「地獄でなぜ悪い」だ。映画製作へのエネルギーと愛が込められているところが好きだよ。日本のアニメ作品もとても好きだけど、観るものにはかなりうるさい方なんだ。「寄生獣 セイの格率」は私のオール・タイム・ベスト。日本のゲームもよくやるし、小高和剛さん、打越鋼太郎さん、高橋哲哉さんの作品からもインスピレーションを得ているよ。
良い質問だね! 自己評価は10点満点なら8点だ。自分がやろうと思っていたことは達成できたと思うし、その時々に使えるツールでベストを尽くそうともしたけど、失敗もたくさんあったし、もっと違うやり方があったのかもしれないと思うこともある。今の自分はこの映画を撮った時の何年も前の自分とは全く違う人間になっているから、当時は心に響いたけど、今はそうでもないという部分もある。
撮影で一番大変だったのは、特殊効果を使った撮影を習得すること。どうすればいいのか分からないショットがあったし、失敗を沢山しながら学んでいったんだ。この作品が今の形に至るまでの試行錯誤に何年も費やしてる。製作中には他にもたくさんの問題が起こった。撮影の前日になってロケ地が使えなくなったり、休暇中にスケボーで骨折したメインキャストの代役を探さなきゃいけなくなったりもしたし、撮影しながら脚本のかなりの部分を書き換えなければならなかった。いろいろな困難があったけど、最終的な結果には満足しているし、楽しい映画を作ろうと頑張れたし、そういう意味ではプロジェクトは成功だったと思う。この経験で学んだもの全てを次回作に活かせると良いなと思うよ。

今はホラーとダークファンタジーの脚本を書いているけど、もし「キラーカブトガニ」がヒットしたら続編をたくさん作りたいね! 私がこれからも映画製作を続けられるかどうかがかかっているから、この作品の行く末をじっと見守っているんだ。みんな気に入ってくれると良いな!
日本の劇場で公開されることが決まって感激してるよ! 日本の文化からたくさんのインスピレーションを得ているから、この作品が日本人に受け入れられることをずっと願っていた。これまでの日本人の反応を見ると、私の夢は叶った気がするよ。身の引き締まる思いだ。日本の観客がこの作品を楽しんでくれることを心の底から願っています。
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