「変態村」「地獄愛」に続く異常な愛の形 “ベルギーの闇3部作”最終章「依存魔」1月27日公開
2022年12月14日 17:00
「変態村」(2004)、「地獄愛」(14)などで知られるベルギーの鬼才、ファブリス・ドゥ・ベルツ監督の新作「ADORATION」が、「依存魔」(読み:いぞんま)の邦題で2023年1月27日から公開される。
人間の異常な愛と狂気を寓話的に描いた衝撃作「変態村」、実在した変態連続殺人鬼カップルの関係性に着目し強烈な愛の形を描いた問題作「地獄愛」と、常にグロテスクで血まみれ、異常な愛の形を描いてきたベルツ監督。“ベルギーの闇3部作”の最終章となる「依存魔」は、これまでの作風から一転、美しい自然の風景とともに瑞々しく描かれる、孤独な10代の少年少女の絶対的な愛の物語となっている。
“ベルギーの闇3部作”とは、ベルギーのアルデンヌ地方を舞台に狂気の愛を描くトリロジー。なぜか必ず“グロリア”というキャラクターが登場し、ローラン・リュカがどこかに出演しているという共通項がある。 また、3作全てにおいてアメリカ映画からの影響が見られ、「変態村」ではトビー・フーパー監督の「悪魔のいけにえ」(74)、「地獄愛」はレナード・カッスル監督の「ハネムーン・キラーズ」(70)、そして本作「依存魔」はテレンス・マリック監督のデビュー作「地獄の逃避行」(73)からインスピレーションを受けているに違いない。
12歳の恥ずかしがり屋で孤独な少年ポールは、奥深い森の中で母親が働く精神病院で暮らしていた。ある日、少女グロリアが施設に到着するやいなや、一目会った日からポールは彼女に恋をする。精神的な問題を抱えるグロリアがポールに助けを求めたことから、まるで周囲の大人たちから逃げるように、ふたりの狂気に満ちた闇の逃避行がはじまる…。ポール役は「ジュリアン」(17)で離婚した父と母の間で揺れ動く息子ジュリアン役を演じ注目されたトーマス・ジオリア。少女グロリア役を演じるのは、ミヒャエル・ハネケ監督の「ハッピーエンド」(17)に出演したファンティーヌ・アルドゥアン。
2023年1月27日から、シネマート新宿ほか全国順次公開。