「ファイブ・デビルズ」美しいオルタナティブポスター完成 我喜屋位瑳務&榎本マリコが描き下ろし
2022年11月14日 08:00

香りの能力で、母の記憶にタイムリープする少女を描いたスリラー「ファイブ・デビルズ」の、日本オリジナルとなるオルタナティブポスター2種がお披露目。映画ポスターやCDジャケットを手がけるアーティスト・我喜屋位瑳務と、小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の装画で知られる画家・榎本マリコが、物語にインスパイアを受けて描き下ろした。
本作は、ジャック・オーディアールの「パリ13区」など、フランスの巨匠たちの脚本を手がけてきた新鋭レア・ミシウスの長編第2作。「アデル、ブルーは熱い色」のアデル・エグザルコプロスが主演を務めた。第75回カンヌ国際映画祭監督週間で、クィア・パルムに選出されている。
フランスの山々に囲まれた村ファイブ・デビルズに住み、嗅覚に不思議な力を持つヴィッキー(サリー・ドラメ)は、こっそり母ジョアンヌ(エグザルコプロス)の香りを集めている。そんな彼女の前に突然、謎の叔母ジュリア(スワラ・エマティ)が現れる。その出来事をきっかけに、彼女のさらなる香りの能力が目覚め、自分が生まれる前の、母と叔母の封じられた過去へとタイムリープしていく。やがてそれは、家族の運命を変える予期せぬ結末へと向かっていく。

我喜屋によるイラストには、ジョアンヌが水面に浮かぶジュリアを優しく抱きかかえ、見つめる姿が描かれている。繊細な筆致が美しく、秘められた愛を感じさせる。我喜屋は「今の時代でも閉鎖的な価値観のある場所は当たり前のようにあって、しかし、生きることを続けていると、ふとしたきっかけで世界が変わる瞬間がある。この映画は予告篇を見た時の期待とは、いい意味で違った」と語る。

一方、榎本のイラストは、ヴィッキーの顔のなかに、燃える鳥かごと、山々に囲まれたファイブ・デビルズの湖が浮かぶ、怪しげな雰囲気をまとったビジュアルに仕上がった。榎本は、「抑圧された環境と感情がもたらす悲劇を目の当たりにした気がした。暗く重いカルマを断ち切るために、自ら火を放つ人々の姿をヴィッキーに重ね描きました」と、ヴィッキーの存在が心に残ったことを明かした。デザインを担当したのは、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」「オン・ザ・ミルキー・ロード」「his」などで知られるデザイナー・奥村香奈。個性溢れる2人のアーティストのイラストを、ポスターとしてまとめ上げた。
「ファイブ・デビルズ」は、11月18日から東京のヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほかで全国公開。
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