映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック
その他情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

【「沈黙のパレード」特別対談】福山雅治×東野圭吾、実に面白い! 15年間にわたる「ガリレオ」での共犯関係

2022年9月10日 11:00

リンクをコピーしました。
実に面白い!
実に面白い!
撮影:長弘進

作家・東野圭吾氏による小説を原作に、福山雅治演じる天才物理学者・湯川学が難事件の謎を解き明かしていく姿を描いた「ガリレオ」シリーズ。その劇場版第3弾「沈黙のパレード」が9月16日から公開される。

主演の福山はもちろん、シリーズを支えてきた監督の西谷弘、脚本の福田靖、「ガリレオ」の映像作品における湯川のバディ的存在である刑事・内海薫役の柴咲コウ、薫の先輩刑事で湯川の親友でもある草薙俊平役の北村一輝ら、強力なチームが9年ぶりに集結。今作では、湯川、薫、草薙の3人がある殺人事件への関与が疑われる男の不可解な死の真相を究明していく姿とともに、草薙の過去にまつわる物語が情感豊かに描かれる。

画像2

ドラマ第1シーズンが放映された2007年以来、15年にわたって主演俳優兼音楽・主題歌担当×シリーズ原作者としてタッグを組んできた福山と東野圭吾。2人の作り手が考える「ガリレオ」シリーズの本質とは――。(取材・文/佐藤ちほ)


●目次
■湯川学を演じる上で動機が大事
■小説に書いたのに映画になくて残念だったのは……
■それは我々の完全な“しくじり”です(福山)
■ある人物の心情に寄り添う、KOH+の主題歌がもたらす驚き
■絞り出したのではなく、自然と辿り着いた歌詞

■湯川学を演じる上で動機が大事
――東野さんは映画「沈黙のパレード」をご覧になっていかがでしたか。

東野:これまでも原作を大事にして作ってもらっていましたが、「沈黙のパレード」は特にその印象が強いです。どういうことかと言うと、僕にとってこのシリーズは湯川と草薙の友情の話なんです。今回はそれが前面に出ていたので嬉しかったですね。昔からドラマや映画を観てきた人にとっても、新鮮に感じるところだと思います。

画像3

福山:僕としては、湯川学を演じる上では動機が大事です。今回の映画で言ったら、その一つが草薙の存在で。昔からの友人の草薙がとても苦しみ、追い込まれていく姿を見て、これは何か自分もできることをしなければいけない、と。

湯川も草薙も、「容疑者xの献身」の犯人・石神も同じ大学の出身で、湯川にはそれぞれに思いがある。その思いはずっと前面に出ているわけではなく、物語の裏で走らせている感情ですが、湯川のマインドとしてはずっと繋がっています。

東野:屋上のシーンは象徴的だったと思います。湯川と草薙が並んで座り、友人同士の関係性で話している。事件の謎は湯川の推理によって解き明かされますが、最後の選択は草薙に任せる。あの場面で湯川が草薙にかける言葉は原作にはないものですが、象徴的ないい台詞だと思いましたね。


■小説に書いたのに映画になくて残念だったのは……
――東野さんは、福山さんが演じる湯川学の魅力はどんなところにあると思われますか。

東野:ユーモアだと思います。例えば今回の映画で非常に好きな台詞がありまして。風船を使ったトリックについて考えているシーンで、薫と草薙が湯川に対して「リアリティがない」と言ったら、「そうか? カラフルな風船に埋もれて死ぬなんてシュールでなかなか楽しいトリックだと思うが」と湯川は真面目な顔をして答える。

ユーモアというのは、実は柔軟さなんですね。そして柔軟さというのは善悪を決めつけない、嘘と本当も分けられるものではなく行ったり来たりするものだという考え方に繋がっていく。そういう部分が、福山さんが演じてくれたおかげで確立したというのはありますね。

画像4

福山:東野さんが書かれるものの根底にはユーモアが常にあると感じています。例えば、小説「沈黙のパレード」の中に、湯川がバーでアードベッグのソーダ割りを注文する場面があります。

あれは以前、食事をさせていただいた時に、「僕、これがすごく好きなんです」と東野さんにお勧めしたウィスキーで。こうしたことがまさに東野さんならではのユーモアだな、と。それを僕らが映像化することで増幅できていたら幸いなのですが。

■それは我々の完全な“しくじり”です(福山)

東野:そう言えば今回、小説に書いたのに映画になくて残念だったのが、湯川が薫に「若き美人刑事が…」と言ったのに対し、薫が「もうあまり若くありません」と返す。それに対して湯川が「美人のほうは否定しないんだな」と。あれはまさに福山さんと柴咲さんによる掛け合いを見たいと思って書いたもので。

福山:それは映像化する際の我々の完全な“しくじり”です(笑)。

東野:柴咲さんが果たしてどんな顔をするのか、観てみたかった(笑)。

画像5

福山:(笑)。でも、共犯関係というとおこがましいかもしれないですけど、脚本の福田さんも、西谷監督もシリーズの根底にあるユーモアを、一つひとつをつぶさに演出し、積み重ねていっています。今回の映画で言えば、湯川が薫と草薙と一緒に殺害現場を訪れ、一応「中に入ってもいいか?」と常識人的なふるまいをするんだけれど、一度許可を得たら自由になり、薫や草薙が話しかけているにもかかわらずバンッと扉を閉めたりする(笑)。

ああいうユーモアのある描写は僕がアドリブでやっているわけではなく、西谷監督の演出です。湯川が相手を無視して扉をバンッと閉めるというのは、ドラマの第1シーズンの2話でもあったんですが、そういうことも含めて西谷監督の中に全部設計図がある。そんな細かい言動の積み重ねで、“天才で変人”という湯川の人物造形がなされているんです。

東野:確かに「ガリレオ」のドラマも映画も、そういうところまでちゃんと描いてくれていると思います。それが福田さんなのか西谷監督なのかはわからないけれど、これは面白いと思ってちゃんと拾ってくれる。そうした価値観やユーモアのセンスが一致しているのは、僕からしても嬉しいことです。


■ある人物の心情に寄り添う、KOH+の主題歌がもたらす驚き
――KOH+が担当した主題歌「ヒトツボシ」はいかがでしたか。主題歌も含めて一つの物語だと感じられるものでしたが。

東野:まさにその通りです。

福山:東野さんが初めてこの曲を聴かれたのは、さいたまスーパーアリーナでの僕のライブですよね。

東野:そうです。ライブでは歌詞が大型ビジョンに映し出され、それを見ながら聴いたわけです。福山さんのコメントに「今回の主題歌はある登場人物の鎮魂歌として書いた」とあり、「容疑者xの献身」では石神の心情を歌詞にされていましたが、果たして今回は誰の心情だろうと思っていたんです。この人物を持ってきたか、と正直驚きました。

画像6

福山:映画の中で悲劇の犠牲者となる佐織ですね。「沈黙のパレード」のキーパーソンの一人は草薙で、警察とは、善とは、悪とは……ということが描かれます。それと同時に、佐織という女性が理不尽に命を奪われるところも圧倒的なリアリティをもって描かれている。

その佐織の視点で歌詞を書き、佐織の魂を鎮めることで、事件に関わったすべての人の心も救われるのではないか、と。そういう構造にしたいと最初から思っていました。


■絞り出したのではなく、自然と辿り着いた歌詞
――東野さんとしては、ご自身の書かれた物語の“先”が歌詞に書かれたような印象ですか。

東野:“先”というよりは“裏”でしょうか。小説はどうしても亡くなった人よりも、その人を想う、生きている人たちのことばかり書くことになります。“亡くなった人の視点”という発想はなかなか持てない。変な言い方ですが、亡くなった佐織がこの歌によって新たな命を与えられたような……。映画の主題歌という形でしか出てこない発想だろうと思います。

画像7撮影:長弘進

福山:絶対に取り戻せないものがあり、人はどうその苦しみや悲しみとともに生きていくのか。そこは「ガリレオ」シリーズがずっと書いてきたことだと思います。だから「ヒトツボシ」の歌詞も絞り出したというよりは、自然と辿り着けました。

東野:聴いて感動しました。「沈黙のパレード」はやや複雑な話ですが、劇場で最後まで観て、こういう出来事だったのかと全体を理解した上で、ぜひともこの歌を聴いていただきたいですね。

フォトギャラリー

福山雅治 の関連作を観る


Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

時代は変わった。映画は“タテ”で観る時代。の注目特集 注目特集

時代は変わった。映画は“タテ”で観る時代。 NEW

【意外な傑作、続々!】年に数100本映画を鑑賞する人が、“縦”で映画を観てみた

提供:TikTok Japan

BS12 年またぎ映画祭の注目特集 注目特集

BS12 年またぎ映画祭 NEW

【何を観たらいいかわからん人、全員集合】TVのリモコンでBS→12を押して!【年末年始は地球滅亡】

提供:BS12

【推しの子】 The Final Actの注目特集 注目特集

【推しの子】 The Final Act NEW

【忖度なし本音レビュー】原作ガチファン&原作未見が観たら…想像以上の“観るべき良作”だった――!

提供:東映

物語が超・面白い!の注目特集 注目特集

物語が超・面白い!

大物マフィアが左遷され、独自に犯罪組織を設立…どうなる!? 年末年始にオススメ“大絶品”

提供:Paramount+

外道の歌の注目特集 注目特集

外道の歌

強姦、児童虐待殺人、一家洗脳殺人…地上波では絶対に流せない“猛毒の狂刺激作”【鑑賞は自己責任で】

提供:DMM TV

全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の超重要作の注目特集 注目特集

全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の超重要作

【伝説的一作】ファン大歓喜、大興奮、大満足――あれもこれも登場し、感動すら覚える極上体験!

提供:ワーナー・ブラザース映画

ライオン・キング ムファサの注目特集 注目特集

ライオン・キング ムファサ

【全世界史上最高ヒット“エンタメの王”】この“超実写”は何がすごい? 魂揺さぶる究極映画体験!

提供:ディズニー

【衝撃】映画を500円で観る“裏ワザ”の注目特集 注目特集

【衝撃】映画を500円で観る“裏ワザ”

【知らないと損】年末年始は超注目作が大量公開! “超安くなる神サービス”があります…

提供:KDDI

関連コンテンツをチェック

シネマ映画.comで今すぐ見る

セルビアンフィルム 4Kリマスター完全版

セルビアンフィルム 4Kリマスター完全版 NEW

内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。

HOW TO HAVE SEX

HOW TO HAVE SEX NEW

ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。

aftersun アフターサン

aftersun アフターサン NEW

父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。

痴人の愛 リバース

痴人の愛 リバース NEW

奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。

卍 リバース

卍 リバース NEW

文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。

愛のぬくもり

愛のぬくもり NEW

「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。

おすすめ情報

映画.com注目特集 12月24日更新

映画ニュースアクセスランキング

映画ニュースアクセスランキングをもっと見る

シネマ映画.comで今すぐ見る

他配信中作品を見る