西島秀俊、撮影現場での奥野瑛太の姿勢を称賛「これが求めていた俳優像」
2022年9月10日 14:35
俳優の西島秀俊が9月10日、主演作「グッバイ・クルエル・ワールド」の公開記念舞台挨拶が行われた東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで、共演の三浦友和、大森南朋、宮沢氷魚、玉城ティナ、奥野瑛太、宮川大輔、大森立嗣監督とともにトークを繰り広げた。
前日の9日に全国222館で封切られた今作は、「MOTHER マザー」などの大森立嗣監督と「そこのみにて光輝く」で知られる脚本家・高田亮がタッグを組んで紡ぎ出した、オリジナルのクライムエンタテインメント。互いに素性を明かさずに集まった強盗たちが、ヤクザから大金強奪に成功するものの、ヤクザの組織から追われる日々を描く。
一夜限りの強盗団として集まった面々。西島は「最初にシーンを撮ってから、まったく共演することがなく、最後のシーンでまたみんなが集まってくるというストーリー。出来上がった映画を観て、皆さん台本で読んだイメージとは違う演技をしていて驚いたんです」と振り返る。三浦も「活字をこんな風に膨らませていたんだな」と、それぞれの役者たちの想像力に感嘆していた。
元ヤクザの安西を演じた西島は、家族と人生をやり直そうとするなか、奥野扮する元舎弟の飯島に嫌がらせを受ける。西島は「奥野さんは現場では役に入り込んでいるタイプの俳優さん。僕もそうありたいと思っているのですが、どこかでそういうものを置いて現場にいることが多くなってきています」と自身を見つめ直す。そして、「改めて奥野さんを見て『これが求めていた俳優像だな』と感じました。奥野さんは本当に素晴らしかった」と絶賛する。
そんな西島だったが、元議員秘書で金持ちたちの転落を計画する浜田に扮した三浦は「西島さんはニュートラルな俳優の代表的選手。それでいて急にトップギアに入れたり、出方によってはバックに入れたり自由にできる」と評すると「現場でこんなに落ち着く俳優さんはいない。普通は緊張してギスギスしてしまうものなんですよ」と現場での居住まいを称賛する。
西島は「いやいや、友和さんと共演するときは緊張しますよ」と苦笑いを浮かべるが、「安西と浜田は最終的には敵対する関係性ですが、どこかつながっている信頼関係みたいなものを友和さんが作り上げてくださった。僕はそれに反応するだけで良かったんです」と先輩の懐の深さに感謝していた。
「シンプルに俳優さんたちの演技や銃撃戦、爆発を楽しんでほしいです」と大森監督が述べると、西島も「大森監督のおっしゃるように、あまり深いことを考えずに、たまっているフラストレーションを吐き出す気持ちで劇場に足を運んでいただければ」と語った。