“息子” 菅田将暉は「頼れる人。またいつか一緒に仕事ができたら」 原田美枝子がラブコール
2022年9月9日 21:20

映画プロデューサーで脚本家、小説家として活躍する川村元気氏が、自著を監督として映画化した「百花」の初日舞台挨拶が9月9日に都内で行われ、菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみ、永瀬正敏、川村監督が登壇。菅田と原田が、再共演を願った。
本作は、「告白」「悪人」「モテキ」「君の名は。」など多くの話題作を手がけてきた川村氏の長編監督デビュー作。記憶を失っていく母と向き合っていく息子・泉(菅田)と、すべてを忘れていく中、さまざまな時代の記憶を交錯させていく母、百合子(原田)の親子の愛を描き出す。

川村監督は「プロデューサーとしても映画を作ってきて、この映画は40本目。自分で監督するとストイックな映画を作るんだねと言われました」と照れ笑いで周囲の反応を明かしつつ、「自分のおばあちゃんが認知症になって。余計なものがはがれ落ちて、大切なものだけが残っていくさまを見ていた。それを映画にできたらと思った」と映画に込めた思いを吐露。「すべては映画館で観ていただくために頑張ってやったこと。ここに来ていただいている皆さんに、心から感謝したいと思います」と感無量の面持ちを見せていた。


菅田と原田は、親子役として初共演を果たした。原田は「撮影中は、菅田さんが『どんな人かな』と思う余裕もなかった」と役に入り込んでいたことを振り返りながら、「宣伝活動をするようになって、『菅田さんって、いいヤツだな』と思った」と楽しそうな笑顔。「仕事に対して真摯だし、一生懸命にいいものを作ろうとするし、男気もある。息子のように歳は若いんですが、頼れる人だなと思っています。またいつか一緒に仕事ができたらうれしい」と希望すると、菅田も「ありがたいです。こちらこそです」としみじみ。「今回は、会話が成立しないお芝居がほとんどだった。次はぜひ、ほんわかしたコミュニケーションを取れたらなと思います」と原田と顔見合わせ、再共演を願っていた。

出産シーンが印象深いと振り返ったのが、初めての出産を控える泉の妻・香織を演じた長澤だ。「段取りでは、イマイチつかめなかった」と不安がありながらも、「その場所を貸していただいた産婦人科さんの本当の助産師さんが、一緒にそのシーンの段取りをしてくれて。そうしたら本当に産めたんですよ」とお茶目に微笑む。菅田も「あれは産めましたね」と笑い、「今でこそ笑っていますが、あの時は号泣しましたもんね」と2人で貴重な瞬間を体験したという。「何回か産みました」(長澤)、「4人くらい産んでいました」(菅田)と楽しそうに撮影を回顧していた。

スペイン最大の映画祭である、第70回サン・セバスティアン国際映画祭のオフィシャル・コンペティション部門に選出された本作。川村監督は「この映画がヨーロッパの人にどのように観てもらえるのか、興味がある」とコメント。現地入りする原田も「すごく楽しみ」と喜びをかみ締め、「国や文化を超えてわかってもらえるのかどうか、映画祭でわかると思う。認知症も身近になっていて、誰もがその問題を抱えている。きっと通じるところがあると思う。息子、親子の関係性も絶対にわかってもらえると思う」と期待していた。
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