バス停で寝泊まりする女性ホームレス、危惧すべき社会の現状を描く「夜明けまでバス停で」予告
2022年9月2日 08:00
2020年冬。渋谷区のバス停で寝泊まりする、あるひとりのホームレスの女性が、突然襲われてしまう悲劇があった。非正規雇用や自身の就労年齢により、いつ自分に仕事がなくなるか分からない中、コロナ禍によって更に不安定な就労状況。そして自らが置かれている危機的状況にもかかわらず、人間の「自尊心」がゆえに生じてしまう、助けを求められない人々。本作は、もしかしたら明日、誰しもが置かれるかもしれない「社会的孤立」を描く。
高橋監督の「今、これを世の中に発信しなければ」という想いに、日本映画が誇るスタッフとキャストが集結。バス停で寝泊まりするホームレスに転落してしまう主人公・三知子役を、「欲望」(05)以来の映画主演となる板谷が演じる。
三知子の働く居酒屋の店長に大西礼芳、マネージャーに三浦貴大。石を振り上げる男・工藤武彦役に松浦祐也、居酒屋の同僚役にルビーモレノ、片岡礼子、土居志央梨。ユーチューバー役に柄本佑、三知子のアトリエのオーナーに筒井真理子、介護職員にあめくみちこ、古参のホームレスに下元史朗、根岸季衣、柄本明と、実力派俳優が勢ぞろいした。主題歌はTielleの新曲「CRY」。
北林三知子は昼間はアトリエで自作のアクセサリーを売りながら、夜は焼き鳥屋で住み込みのパートとして働いていたが、突然のコロナ禍により仕事と家を同時に失ってしまう。新しい仕事もなく、ファミレスや漫画喫茶も閉まっている。途方に暮れる三知子の目の前には、街灯が照らし暗闇の中そこだけ少し明るくポツリと佇むバス停があった。一方、三知子が働いていた焼き鳥屋の店長である寺島千晴は、コロナ禍で現実と従業員の板挟みになり、恋人でもあるマネージャー・大河原聡のパワハラ、セクハラにも頭を悩まされていた。誰にも弱みを見せられず、ホームレスに転落した三知子は、公園で古参のホームレス・バクダンと出会う。
10月8日から、新宿K's cinema及び池袋シネマ・ロサほか全国順次公開。
<店長・寺島千春役:大西礼芳>
高橋伴明監督は、大学時代の恩師であり、私に役者になる道を最初に作って下さった方です。監督は多くを語る方ではありませんが、映画づくりにおいてとても大切なことを教えて下さり、その教えは現在に至るまで、私にとって最も重要な心構えとして多大なる影響を与えて下さいました。
私の役は、一癖ある人物でしたので、演じるのが難しくもあり、役者として興味深くもありました。
高橋監督の的確な演出で、なんとか人物像を作り上げられたかなと思います。
作中では一部のパートへの出演ですので、私自身、全体の出来上がりが楽しみな作品です。
皆様にもぜひ楽しんでいただければと思います。
衣装合わせと撮影初日がこんなにも緊張したのは久し振りでした。なんせ高橋伴明組。現場で芝居することが幸せでした。
上がりを拝見して、ビッと背筋が伸びました。映画は自由だし、作劇であればどこまでもやっていいんだと教えられた気がします。高橋伴明監督の最新作、ご期待ください!
どんな時代背景であろうとも、日本人であろうともフィリピン人であろうとも、人を思いやる温かい心を保ちたい。
この作品を通じて綺麗事じゃなく、生きるという事、生きる為に大切な事、人との繋がりを改めて考えさせてもらいました。
突然の逆境に陥った時、貴方ならどうしますか?
人生って何があるかわからない。
でも一人じゃない。
この映画を観てくれた皆さんの胸に、しみじみとした温かい心の灯が次々と灯りますように。
久々の高橋伴明監督の現場。まずはそのことに震えました。そしてこのタイトルに向かって体当たりで演じられた板谷さんの決意には身を正す想いです。チームが一丸となって見えない糸を手繰り寄せるかのように伴明監督と板谷さんの映画への想いに引き寄せられ、この時期でなかったらその色になって居なかったような景色を見届けることができた思いです
約8年ぶりに高橋伴明監督の映画に呼んで頂いて、相変わらずスピーディーな現場が刺激的でした。コロナ禍の苦しい苦しいストーリーのはずなのに、何故か観ながら何度か大笑いして、観終わったあとに生きるエネルギーが身体の中にみなぎっていました。
稚拙なコメントしか浮かばず申し訳ないですが、私はこの映画が大好きです。
1日参加。しかも衣装合わせ含めて撮影時間30分足らず。うん、短い時間ながら伴明監督の「よーいスタート!」には魔法の力があると改めて確信しました。しかしあまりに短い!もっと聞きたい!もっと高橋伴明組に参加したい!次も呼んでください!!
何年か前、日本に自己責任論が蔓延した時のことを、今もはっきりと覚えている。あの時、国民に投げかけられた冷たい言葉。さらにその言葉が人々に浸透してゆく。なんとも不思議な現象に思えた。映画の中で描かれる実際に起こったこの事件を被害者・加害者と単純に振り分けてしまうことも、また事故責任という言葉で片付けてしまうことも等しく暴力なのだと思う。二人は現代日本という船の中で孤立しこぼれ落ちてしまった。誰もが、いつそうなってしまうか判らない。
「夜明けまでバス停で」は、8月の湯布院映画祭で上映していただき、大好評をいただきました。
嬉しい限りです。板谷由夏さんと初共演でたのしく演じられました。見ていて楽しい映画っていいものだなぁと。お客様にも是非楽しんでもらいたいと思います。
幡ヶ谷のバス停は良く通っていた場所で、被害者の年齢も近く、事件があってから、ずっと澱のようになって心に留まっていました。若い友人の梶原阿貴のシナリオ、酒場でしかご一緒した事がなく、漸く今回初出演させて頂く事になった伴明監督。そのダッグが挑むこの重いテーマに参加出来る!意気込んで衣装合わせに臨み、考えつく限りのアイデアを寄せ集めた不思議なキャラが生み出されました。やり切れない現実をリアルに、でもポジティブな光明が見える素敵な作品に登場出来て幸せです。
高橋伴明監督とは古くからの知り合いで40年以上になりましょうか。
べたな付き合いではありませんが、業界の中で共に生きてきた…。
なんていうのでしょうか、歳も変わらないし、この歳になると、戦友なんて感じのする人です。
でも仕事自体はテレビで「探偵物語」って4本連続のをやっただけであとはなかった。
だからこの作品で呼ばれたのがとても嬉しかった。
ウワッウワッ、“ボン”の本編にでれるって。
この時僕は明治座の舞台をやってて、通常ならスケジュールハマらないけれどタイトな時間で撮りました。
さすがでしたね。監督は。
短い時間にもかかわらず撮影の流れは実にゆったり。いい時間でした。
この作品は、監督とシンクロするものだと思います。
楽しんで観ていただければ嬉しい。