寺島しのぶが剃髪の瀬戸内寂聴に 道ならぬ恋、ひとりの男を分かち合うふたりの女描く「あちらにいる鬼」予告&ポスター
2022年8月31日 07:00
昨年11月、99歳で死去した作家・僧侶の瀬戸内寂聴。1960年代から人気作家・瀬戸内晴美として活躍した彼女が出家した背景には、同業者で妻子ある井上光晴との恋があった。出会うべくして出会い、互いにのめり込んでいくふたりと、全てを承知しながら心を乱すことのない男の妻。「あちらにいる鬼」は、同志にも共犯にも似た不思議な3人の関係を、光晴の長女、井上荒野が書き上げたセンセーショナルな物語だ。主演の寺島しのぶが演じるのは、瀬戸内寂聴をモデルにした人気作家・長内みはる。井上光晴をモデルとした作家・白木篤郎を豊川悦司、広末涼子が篤郎の妻・笙子に扮する。脚本は荒井晴彦。
予告編は寺島しのぶが実際に剃髪し挑んだ、厳かで清らかな得度式のシーンで幕を開ける。みはるは「彼女は知ってるんでしょう?」と白木を問い詰め、ふたりは人生の半ば、道ならぬ恋に年月を費やしていた。場面は変わり、白木は隣で眠る妻・笙子に「俺はあんたが一番大事なんだから」とささやき、笙子は「どうして、ああ嘘ばかりつくんでしょうね」と心の内を吐露する。ひとりの男を分かち合うふたりの女、共感にも連帯にも似た3人の関係性の中、みはるは白木と訪れた旅先で出家という人生を変える決断を伝え、女と男でいられる最後の夜、白木はみはるの髪を洗う。「行ってあげたら?」と夫をみはるの元に向かわせる笙子。3人の計り知れない繋がりに圧倒され、心震わされることを予感させる映像となっている。
寺島は、今回自身の演じた寂光・長内みはるというキャラクターについて「“すごく生きてる”っていう人ですよね。やりたいことは全てやるし、突き進むし、我慢しない。それが生きていくってことなのよって、どの場面においてもブレがない。今日はちょっと元気が無いなと思いつつ現場に行っても、みはるになると、逆に元気になっちゃう。もちろん映画は原作と違うし、ましてやモデルとなった方たちとは距離がありますが、撮影中は寂聴さんが背中にぴたってくっついて、ずっとパワーをくれていたような気がします」と語っている。
ポスタービジュアルでは、みはると白木、その妻笙子がそれぞれのシチュエーションで切り取られており、交差する視線から彼らの関係性が垣間見られる。髪を剃り上げ、みはるではなく寂光となった寺島の穏やかな表情が印象的だ。愛に生き、ときに愛に苦しんだ彼らについて、寺島は「モデルとなった井上光晴さん亡き後の奥様と寂聴さんとの関係や、荒野さんと寂聴さんとの関係も他人には窺い知れない関係性ですけど、あの時代を共に生きた、確かに在った。その関係性を観て頂けたらと思います」と完成した作品への自信をのぞかせている。映画は11月11日全国公開。
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