ダメ男を演じた香取慎吾「僕自身はいい男」
2022年8月29日 20:50
香取慎吾が「凪待ち」以来3年ぶりに主演を務めた映画「犬も食わねどチャーリーは笑う」の完成披露舞台挨拶が8月29日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、香取をはじめ、岸井ゆきの、井之脇海、的場浩司、余貴美子、市井昌秀監督が登壇した。
本作は結婚4年目を迎えた裕次郎(香取)と日和(岸井)が、妻たちの恐ろしい本音がつづられたSNSの「旦那デスノート」をきっかけに、引くに引けない夫婦ゲンカに発展する様子を描くブラック・ラブコメディ。
本作でダメ夫を演じた香取は、「すごくダメな男」と役柄を分析しつつ「僕自身、香取慎吾、すごくいい男なんですね」とお茶目に語り、周囲も大笑い。「ちゃんとしろよ、なにやってんの!?と思ったりした。そんな彼がどう変わっていくのか、夫婦がどう変わっていくかというストーリーなんです」と本作の魅力を口にしたが、現場で「監督の前で『本当にダメな男ですよね』という話をすると、監督自身を描いた作品でもあるので、監督に対して『本当にダメだな』と言っているみたいになっちゃう。いつも監督が僕に『すみませんでした』と謝ってくれる(笑)」と市井監督が自分自身を投影させながら脚本を書いたとあって、複雑な気持ちになることもあった様子。
夫婦役として香取と初共演した岸井は、「ずっと見てきた人」と小さな頃からテレビなどを通して香取の姿に触れてきたことを語り、撮影現場では「見てきたままの香取さんがいらっしゃいました」とにっこり。「圧倒的な香取慎吾。揺るがないもの、パワーを感じた」と続けると、香取が「圧倒的な香取慎吾」と岸井の発したキーワードをリピート。岸井が「こちらになんのプレッシャーもかけずに、香取慎吾さんとしてそこにいてくれる。言っている意味、わかりますか?」と説明すると、会場からは同意を示すように拍手が上がっていた。
またステージでは、映画の内容にちなみ、「愚痴」についてトークを繰り広げる一幕も。香取は「愚痴はないなあ…」と思いを巡らせながら、「すごく優しい、いい子なんで」と自画自賛。会場から拍手を受ける中、「いまだに『あ~、草なぎ(剛)くん!』と言われます。最近もあって。全然大丈夫なんですけど、昔からよくあるんですよ。全然違うはずなのに」と告白した。さらに司会から「グループだとそういうことがあるのかもしれませんね」と話を向けられると、「一緒になっちゃうのかな。でも『(稲垣)吾郎ちゃん』とは一度も言われたことがないです」と語り、周囲を笑わせていた。
いよいよお披露目の日を迎え、自主映画制作からキャリアをスタートさせたことを振り返った市井監督は「今まで自分が経験したダサかったこと、ズルかったこと、だらしなかったこと、そういったマイナスな部分も、表現にすることで、自分の存在を肯定できた。そこから映画作りにハマって、ハマったときに(ぴあフィルムフェスティバルで)審査委員をしてくれたのが香取慎吾さん。それをきっかけにお金をいただいて、映画を作れるようになりました。それは14年前のこと。そこからいつか慎吾さんにあえて平凡な役をやってほしいと、妻と雑談しながら言っていたことが本当に叶った」と感謝しきり。その他のスタッフやキャストも一緒に仕事をしたかったメンバーばかりだと、心を込めていた。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
【推しの子】 The Final Act NEW
【知ってるけど、ハマってない人へ】今が新規参入の絶好機!この作品で物語の最後まで一気に観よ!
提供:東映
モアナと伝説の海2 NEW
【私&僕が「モアナ」を選ぶ理由】音楽も物語も大好きな傑作の“超進化最新作”絶対観るでしょ!
提供:ディズニー
テリファー 聖夜の悪夢 NEW
【嘔吐、失神者続出の超過激ホラー】なのにNo.1ヒット…そんなことある!? 魅力を徹底解剖!
提供:プルーク、エクストリームフィルム
アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師
【ナメてた公務員が“10億円詐欺”を仕掛けてきました】激推ししたい“華麗どんでん返し”映画
提供:ナカチカピクチャーズ
衝撃のサスペンス
【犯罪が起きない町で、殺人事件が起きた】中島健人が超大作で“主軸”の活躍。必見作。
提供:hulu
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
文豪・田山花袋が明治40年に発表した代表作で、日本の私小説の出発点とも言われる「蒲団」を原案に描いた人間ドラマ。物語の舞台を明治から現代の令和に、主人公を小説家から脚本家に置き換えて映画化した。 仕事への情熱を失い、妻のまどかとの関係も冷え切っていた脚本家の竹中時雄は、彼の作品のファンで脚本家を目指しているという若い女性・横山芳美に弟子入りを懇願され、彼女と師弟関係を結ぶ。一緒に仕事をするうちに芳美に物書きとしてのセンスを認め、同時に彼女に対して恋愛感情を抱くようになる時雄。芳美とともにいることで自身も納得する文章が書けるようになり、公私ともに充実していくが、芳美の恋人が上京してくるという話を聞き、嫉妬心と焦燥感に駆られる。 監督は「テイクオーバーゾーン」の山嵜晋平、脚本は「戦争と一人の女」「花腐し」などで共同脚本を手がけた中野太。主人公の時雄役を斉藤陽一郎が務め、芳子役は「ベイビーわるきゅーれ」の秋谷百音、まどか役は片岡礼子がそれぞれ演じた。