“本物”のドリフトを“本物”で撮る――「ALIVEHOON アライブフーン」野村周平&下山天監督が語り尽くす、撮影の裏側
2022年6月28日 13:00

日本発祥のドリフトレースの世界を描いた「ALIVEHOON アライブフーン」が公開されている。CGを使用せず撮影されたレースシーンは、圧巻の一言。車好きとしても知られる主演の野村周平、下山天監督に本作の話を聞いた。(取材・文/編集部 撮影/山口真由子)
(C)2022アライブフーン製作委員会内向的な性格で人付き合いは苦手だが驚異的なゲームの才能を持つ大羽紘一(野村)は、解散の危機に陥ったドリフトチームにスカウトされる。eスポーツで日本一のレーサーになった紘一は、実車でもその才能を発揮して活躍するが、そんな彼の前に、生死を懸けてレースに挑む者たちが立ちはだかる。
「ALIVE(生きる)」と「HOON(走り屋の俗語)」を合わせたタイトル通り、ドリフトレースの世界を生きる者たちの熱いドラマが描かれ、迫力のレースシーンも大きな見どころの一つ。「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」でテクニカル・アドバイザーを務めた元レーシングドライバーの土屋圭市が監修を担当し、撮影では実際に運転するプロのドライバー(右ハンドル)の隣の助手席にキャストが同乗。本物のスピード感や重力を体感しながら据え付けられたハンドルを握り、映画本編ではここで撮影された映像を左右反転して使用している。

リアルタイムで土屋さんの活躍を見てきたわけではないですが、昔の活躍された姿をYouTubeで見ていましたし、土屋さんみたいにちょっとやんちゃな方が好きなんです(笑)。
(C)2022アライブフーン製作委員会
(C)2022アライブフーン製作委員会土屋さんは「ちゃんとしたスピードでやらないと音が違う、煙が違う」とおっしゃっていて。俳優さんのスピードの感じ方も全然違うから、車を停めてグリーンバックで撮るのと、振動を浴びてハンドルを裁くのは別世界だと。ただ、あのスピードでは海外のカメラカーを使っても撮れないです。なので、撮影用の車も本物のマシンを出してもらって、その車もチャンピオンレーサーに運転してもらいました。 “本物”を“本物”で撮ったんです。僕自身はいろんなところに本物のカメラをつけて、俳優さんたちをいってらっしゃいと見送って、映像をもらって編集しただけです(笑)。すべてがCG以上でした。
撮影ではカメラが10台以上、ドローンは5機墜落、激突しています。事故というより壊れるまで撮影をしたから壊れました。普通の現場だとカメラが大事ですし、俳優さんの安全も第一になりますが、このやんちゃな人(野村)は練習の日に1、2時間でドリフトの練習も始めちゃっていました。土屋さんが俳優の皆さんに丁寧に指導してくれたのですが、野村さんはドリフトを教えてもらってから10分も経たずにもうできていたと思います。


(C)2022アライブフーン製作委員会
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