神尾楓珠&西野七瀬、幼なじみのように過ごした「恋は光」
2022年6月18日 11:00
神尾楓珠の主演で秋★枝氏の人気漫画を映画化する「恋は光」が、6月17日から全国で公開された。“恋をしている女性が光って見える”という特異体質を持つ男子大学生の初恋を描く今作で共演を果たした、神尾と西野七瀬に話を聞いた。
今作は、2013~17年に「ウルトラジャンプ」(集英社刊)で連載された人気漫画が原作で、「ももいろそらを」「殺さない彼と死なない彼女」で知られる小林啓一が脚本執筆とともにメガホンもとった。
「恋をしている女性が光って見える」という特異体質の大学生・西条(神尾)は、恋愛とは無縁の学生生活を送っていた。ある日、西条は「恋というものを知りたい」という文学少女・東雲(平祐奈)に一目ぼれし、恋の定義について語り合う交換日記を始めるようになる。西条にずっと片想いをしてきた幼なじみの北代(西野)は、そんな2人の様子に心をざわつかせる。一方、恋人がいる男性ばかり好きになってしまう宿木(馬場ふみか)は、西条を北代の彼氏だと思い込み猛アプローチを始めたことから、4人は奇妙な四角関係に陥っていく。
神尾がオファーを受けた際、「恋について論理的に考えるという、新しいタイプの作品だなと感じました。それに、主人公が物理的に恋の感情が見えたりもして…。脚本を読んで、小説を読んでいるかのような感覚になりました」と感じたことを明かす。一方の西野も同様に、「いわゆる『恋愛映画』な要素があまりなく、会話が多く、少し変わった恋愛映画だなという印象」を抱いたという。
原作では、登場人物たちが恋愛感情に振り回されながら、“恋の定義”について考察する姿に多くの共感が寄せられたが、映画では「恋をしている女性が光って見える」ことも含め、いかに可視化するかに作り手たちは苦心したはずだ。神尾と西野は、自らの役どころを構築していくうえでの創意工夫について聞いてみた。
神尾「眼鏡にはこだわりました。基本的には監督が『西条は絶対にこの眼鏡』と決めたのですが、撮影が延期になってしまった時に、その眼鏡の行方が分からなくなってしまって……。どうしてもその眼鏡がいいということで探し回りました、というくらい、この眼鏡にはこだわっていました。眼鏡をかけると自然とスイッチが入りましたね」
西野「実は最初、北代に対する監督の見解と私の考えが少し違っていたんです。でも撮影の合間に神尾さんとふたりで雑談しているのを見て、『今のその普段通りのしゃべり方でやってほしい』とお話があり、そこからやり方を変えていきました。演じるにあたり、自分を北代に近づけるのではなく、自分の方に北代を寄せていきました。そうすることで私としても、監督的にも、やりやすい形を見つけていくことができました」
北代は西条に恋心を募らせながらも「光っていない」と言い切られてしまう、幼なじみというさじ加減の難しい関係性だ。初共演となったふたりは互いの印象、対峙してみて何を思ったのだろうか。
神尾「七瀬ちゃんは空気感がすごく柔らかくて、気を遣わずにいけました。北代とのシーンはリハーサルを重ねたので、自然と西条のしゃべり方になりました。幼なじみで、西条と北代はずっとこういうやりとりをしていたんだなと。特に一緒にビールを飲んで電車に乗るシーンは、本当に幼なじみという感覚になりました」
西野「西条とのシーンは、どのシーンもやりやすかったです。バランスが良かったのかなと思います。神尾くんは年下なのに、それを感じさせずに接してくれるのでとても楽でした。本読みの時に、『ため口でいい?』と聞いたら『うん、そうしよ』と言ってくれたので、それから撮影の合間ではよく話していました。ちょうど撮影時期が東京オリンピックの頃だったので、その話をしていましたね」
そして最後に、ふたりは「恋の定義」をどう考えるのか話してもらった。
神尾「劇中に出てくる恋にまつわるセリフについては、全部『なるほど』となります。この映画を観れば、恋について全てを言語化してくれているので、芯をついているワードが多いと思います。そして言葉にはしていますが、恋の定義は結局、人それぞれなんだなとも思います」
西野「ものすごく綺麗な景色とか素敵なモノを見たりした時に、『うわあ、この景色を一緒に見たいな』とか『あの人、これを見たらなんて言うかな』と、自然に頭に思い浮かんだ人が自分にとっての好きなのかなと思います」
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