ロバート・ダウニー監督作「パトニー・スウォープ」今夏に日本初公開 息子ダウニー・Jr.「偉大なる真の異端児だった」
2022年4月1日 10:00

ロバート・ダウニー・Jr.の父であるロバート・ダウニーの監督作「パトニー・スウォープ」デジタル・レストア・バージョンが、今夏に日本初公開されることがわかった。
2021年7月7日、85歳でこの世を去ったロバート・ダウニー。1960年代から70年代にかけて、既存の制度や規範、文化に反発する低予算映画を生みだした映画作家として知られている。息子のダウニー・Jr.は、ハリウッドに組せずあくまでインディペンデントにこだわった父親について「彼はアメリカ映画界における偉大なる真の異端児だった」と語っている。

「パトニー・スウォープ」は、ジム・ジャームッシュ、ポール・トーマス・アンダーソンといった多くの映画作家に影響を与えた作品だ。特にアンダーソン監督は、同作を“最も影響を受けた作品”のひとつに挙げており、「ブギーナイツ」においてバック・スウォープ(ドン・チードル)というキャラクターを創造。本作へのオマージュとしている。また、ダウニーを「ブギーナイツ」「マグノリア」で役者として起用。最新作「リコリス・ピザ」は「ロバート・ダウニーに捧ぐ」という献辞で終わり、ファンとしての敬意を表している。

物語の舞台は、1960年代のニューヨーク。マディソン・アヴェニューの名門広告会社の創業者が突然亡くなり、会社唯一の黒人役員(=楽曲担当)であるパトニー・スウォープが、予想外の結果によって新社長に選出される。早速、スウォープは会社の名前を「Truth&Soul」に変更し、ほぼすべての白人役員を解雇。破壊的で奇抜、悪趣味ともいえる広告キャンペーンが、次々とヒット商品を生み出し、会社は新たな成功へと飛躍する。そんな中、スウォープは国家安全保障への脅威であるとして、アメリカ大統領ミミオの陰謀に巻き込まれることになる。

1969年の全米公開時は、独自の過激なユーモアであらゆる欺瞞(ぎまん)を風刺する時代の先駆者そのものの映画だった。ポスターが刺激的すぎるとして、各地の映画館で掲載拒否運動が起こったというエピソードがあり「最も悪意に満ちた悪徳の映画」(デイリー・ニューズ)と酷評される。その一方、ジェーン・フォンダは「『イージー・ライダー』も凄いけどもう一本見るべき映画が『パトニー・スウォープ』」とテレビで語っている。アメリカン・ニューシネマの到来に沸くアメリカ映画界も、時代の先を行き過ぎた過激さを受け入れ切れずにいた。

本作が、全米映画ファンの間で新たに注目を浴びるきっかけとなったのは、2016年にナショナル・フィルム・レジストリーに選出され、マーティン・スコセッシが設立したフィルム・ファンデーションとアカデミーフィルムアーカイブによって、2019年にデジタル復元がなされたこと。この復元では、アメリカの優れた映画を後世に残すことを目的として設立されたジョージ・ルーカス・ファミリー・ファンデーションの資金援助も得ている。
「パトニー・スウォープ」デジタル・レストア・バージョンは、今夏に渋谷ホワイトシネクイントで公開。
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