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ケストナー唯一の大人向け長編小説が原作 「さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について」6月10日公開

2022年3月24日 12:00

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ナチス台頭の前夜、空虚な時代の一人の青年の恋と惑いを描いたドラマ
ナチス台頭の前夜、空虚な時代の一人の青年の恋と惑いを描いたドラマ
(C)Hanno Lentz / Lupa Film

飛ぶ教室」「ふたりのロッテ」など児童文学の巨匠エーリヒ・ケストナー唯一の大人向け長編小説を原作とした「Fabian-Going to the Dogs」が、「さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について」の邦題で、6月10日から公開されることが決定した。

原作は「ファビアン あるモラリストの物語」(みすず書房刊)。昨年のベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、ドイツ映画賞では最多10部門ノミネート主要3部門を受賞している。監督は、本作が日本初公開作となるドミニク・グラフ。刺激的な映像のコラージュや、往年のベルリンの美しさを際立てる濃密な描写などを縦横無尽に駆使し、原作の世界観を見事に再現している。

舞台は1931年のベルリン。ナチス台頭の前夜、空虚な時代の一人の青年の恋と惑いを描き出す。作家を志してベルリンにやってきたファビアンは、時代の中でどこへ行くべきか惑い、立ち尽くしていた。女優を夢見るコルネリアとの恋。ただ一人の「親友」ラブーデの破滅。やがてコルネリアは女優への階段を登るためファビアンの元を離れ、次第に2人の関係は崩壊していく……。

主演は、「コーヒーをめぐる冒険」でドイツ映画賞主演男優賞はじめ数々の賞を獲得し、その後も大ヒットスリラー「ピエロがお前を嘲笑う」や「ある画家の数奇な運命」で注目を浴びたドイツ映画界のスター、トム・シリング。ヒロインは、「さよなら、アドルフ」に主演したサスキア・ローゼンタール。2人は、「ある画家の数奇な運命」に続き2度目の共演となる。

さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について」は、6月10日からBunkamuraル・シネマほか全国順次公開。


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