伊達公子、字幕監修担当「ドリームプラン」のリアルさに驚き「タイムスリップしたような感覚」
2022年2月22日 10:00
アカデミー賞6部門ノミネートされ注目を集めている「ドリームプラン」が、2月23日から公開される。世界最強のテニスプレーヤーと称される姉妹、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズの破天荒な実父リチャードの実話を映画化した本作の字幕監修は、元プロテニス選手の伊達公子氏が担当。ウィリアムズ姉妹と対戦経験もある伊達氏に、本作の話を聞いた。
ある日、優勝したテニスプレーヤーが4万ドルの小切手を受け取る姿をテレビで見たリチャードは、娘たちが生まれる前から「世界王者にする78ページの計画書」を独学で作成。お金もコネもなく練習するのも劣悪な環境下、途方もない問題に直面しながらも、ビーナス&セリーナと共に“ドリームプラン”を実行し続ける。第94回アカデミー賞では作品賞をはじめ、リチャード役のウィル・スミスの主演男優賞など6部門にノミネートされた。
ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹はグランドスラムで30回優勝、5つの金メダル獲得など、輝かしい戦績を誇る。伊達氏もグランドスラムの全てでベスト8以上の成績を収め、1995年には世界ランキングで最高4位を獲得。キャリア絶頂期の96年に一度引退し、2008年に電撃的に現役復帰。11年にはビーナスと激戦を繰り広げ、13年にはセリーナとも対戦している。
約2時間半の作品ですが、どんどん吸い寄せられていく感覚でずっと集中して見られました。物語のベースになるのはテニスですし、実在する方々を題材にしているので、なんとなくストーリーはわかっているのにとても惹きつけられます。
あとは、なんと言ってもウィル・スミスさんがリチャードさんにそっくりでした。細かい癖や仕草もリチャードさんを見ているようです。テニスをやっている私たちからすると、時代背景もリアルに表現されているので、テニスファンが見て楽しめるポイントもたくさんありました。試合もとてもリアルに表現されていて、緊張感はもちろん、ビーナス&セリーナ役のサナイヤ・シドニーとデミ・シングルトンも若い頃のウィリアムズ姉妹を見ているよう。ちょっとしたフォームの癖も特徴をとらえているので、自分がタイムスリップしたような感覚に陥るくらいリアルでした。
ウィリアムズ姉妹は家族の結束が強いので、いつも家族で一緒にいてほかの選手と練習をすることは少ないほうだったと思います。なので、リチャードさんは彼女たちが練習しているところや選手たちが歩く場所で見かけた記憶しかないのですが、映画と同じく試合の時はずっと座って見ていられなくて出て行く姿が印象に残っています。あと、常にハイソックスを履いていたところも映画そのままでしたね。
これまでもテニスを題材にした映画はありましたが、ちょっとした表現の違いや、ルール的な部分で違和感があったので、そういうことがないか確認をしました。ただ、この映画に関してはルールや専門用語の使い方も忠実だったので、気になるところはほぼありませんでした。何か見つけなきゃとも思ったのですが(笑)、本当に完璧。それだけ製作陣のリスペクトが込められているんだと思います。
うちは3人のなかで私だけしかテニスをやっていなくて、両親もアスリートというよりは、健康のためにテニスをやっていたという環境です。それでも家族は最大の理解者になってくれて、私がテニスをやりたいと言う限りはやれる環境を作ってくれました。
テニスはお金がかかるスポーツなのですが、うちは一般的な家庭だったので、みんなが私のために何かを我慢しないといけないときもあるっていうことは、家族全員で話す機会がありました。誰も文句を言わず納得して受け入れてくれたことは、ウィリアムズ姉妹と同じなのかなと思います。選手の育った環境、家庭の違いでいろんな形はあると思いますが、みんなそれぞれの形で家族の理解とサポートがあり、突き進むための覚悟を持つことは共通していることだと思います。
「ショーシャンクの空に」「ローマの休日」「ノッティングヒルの恋人」は何回も見ています。普段は史実に基づいたような作品など、ヒューマンドラマを見ることが多いです。
一時期はキアヌ・リーブスにハマっていて、ショーン・コネリー、デンゼル・ワシントンも好きでした。あとはジョニー・デップ、ジュード・ロウも。映画は頭のスイッチを切り替えたい、リフレッシュしたいときに見ることが多いです。テニスや仕事で煮詰まっているときなど、オフモードにしたいときは映画を見て、その世界に没頭しています。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。