ロジャー・ミッシェル監督、生前の貴重なインタビュー映像公開 長編遺作「ゴヤの名画と優しい泥棒」
2022年2月16日 18:00

(C)PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020
ジム・ブロードベントとヘレン・ミレンが共演する「ゴヤの名画と優しい泥棒」が長編遺作となった、ロジャー・ミッシェル監督のインタビュー映像(https://www.youtube.com/watch?v=E4QaqZPv864)が披露された。
1961年にロンドン・ナショナル・ギャラリーで実際に起きたゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件の知られざる真相を描いた本作。事件の犯人ケンプトン・バントンは、テレビに社会との繋がりを求めていた時代に、孤独な高齢者の生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相があった。
「ノッティングヒルの恋人」「恋とニュースのつくり方」「私が愛した大統領」「ウィークエンドはパリで」「ブラックバード 家族が家族であるうちに」など多くの作品を手掛け、日本では6月にエリザベス女王のドキュメンタリー「エリザベス 女王陛下の微笑み」の公開を控えているミッシェル監督。テンポの良いウェルメイドな作風で多くの映画ファンを魅了してきたが、昨年9月に65歳の若さで他界した。

(C)PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020
インタビュー映像では、本作が実話であることに触れてから、脚本を読んで「イーリング・コメディみたいだと思ったね。60年代初頭のファミリー映画の偉大な作品をも彷彿させた」と語り、「ドタバタとも茶番劇とも違う。軽妙なコメディー作品で、ペーソスとドラマがあるが、笑えるところもある。脚本のクライブとリチャードは、面白さと事実を兼ね合わせた、すばらしい仕事をしてくれた」と脚本家へ賛辞を送る。
主人公ケンプトンを演じたブロードベントについては「笑えて愛嬌があり、おかしくて存在感もあり、リアリティもある。見事にハマっている。最高の演技じゃないかな」と絶賛し、ケンプトンの妻ドロシーを演じたミレンについても「ヘレンの変貌ぶりには私も驚いた。エリザベス女王やエカテリーナ2世の彼女が演じたんだからね。着ぶくれさせて、歩き方も話し合った。打ちのめされたボクサーのように猫背になって、両腕を垂らしてみた。特殊メイクも話し合ったが、彼女は効果には否定的だった。間違いなく見た人は、彼女の姿に驚くだろうね」と明かしている。
「ゴヤの名画と優しい泥棒」は2月25日から公開。
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